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エダヒロ・ライブラリー一日一題

IoTやAIで労働コストは下がり、家計消費は増えるって本当ですか?

2016年08月05日

総務省が7月29日に発表した情報通信白書によると「すべてのモノがインターネットにつながるIoTやビッグデータ、人工知能(AI)の普及が進めば2020年度時点の実質国内総生産(GDP)を33兆円押し上げる」とのこと。日経記事では「仕事の生産性が大幅に高まるため。働き盛りの人口が減るなかで、こうした技術を生かすべき」、GDP増加の要因として「家計の消費が平均12%増える」とのこと。

うーん......本当かなあ? そんなバラ色の未来が待っているのかなあ? 

「IoTやAIによって生産性が高まり、労働人口が減少してもやっていける」というのはその通りでしょう。でも、労働人口が減少しても大丈夫ということは、「それだけ労働者に給料を払わなくてもやっていける」ということですよね? 

カンタンに言えば、人手不足をロボットで補えば生産量は落ちません、ということ。ロボットには給料を払う必要はないから、企業側・資本側にとってはよい話です。でもロボットは消費もしない。労働者への給与支払いが減るのに「家計の消費が平均12%増える」という増分の資金源はどこにあるのでしょう? 

「家計の収入が変わらないとしたら」消費は増える、ということだったらわかるけど(それならこの書き方はミスリーディングですね)、「労働コストが減ってかつ家計消費が増える」というバラ色の未来だとの見立てなのでしょうか?

 

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