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消費量の4割を占める「熱」への取り組みも必要

2017年10月23日

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(出典:エネルギー調査統計より作成)

日本でエネルギーの議論になると、必ずといってよいほど、ほぼ「電力」の話になります。電力を何からつくるのか、原発は、再エネは、火力は、といった具合です。

しかし、このグラフから明らかなように、日本全体のエネルギーのうち、電力の占める割合は25%です。

4分の1を占める電力を再エネ化していくことで、CO2排出量を減らしていくことは非常に大事です。

同時に、残りの4分の3にも取り組む必要があります。

全体の約半分を占めるのが輸送用燃料です。こちらは、現在進行中の、EV化+再エネ電源という取り組みが有効でしょう。

そして、日本のエネルギーの4割を「熱」が占めています。暖房・給湯といった家庭での熱利用のほか、工業プロセスでの熱利用も大きな存在です。

グラフでは、「熱、都市ガス、コークス等」で3割弱ですが、「電力」の中にも、エアコンのように熱利用が含まれているため、全体では4割と言われています。

4割を占めるこの「熱エネルギー」への取り組みも同時に進めていく必要があります。

再エネ電源にシフトしていけば、電力による熱供給を増やしていくことが1つの鍵でしょう。しかし、工業プロセスでは、高温の熱が必要なため、再エネでは対処できないものもあります。

「電力情勢懇談会」ではなく、「エネルギー情勢懇談会」なのですから、電力だけに偏らない議論を行う必要があると考えています。

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