今朝の日経新聞に「ディズニーリゾート内飲食店のトマト自社生産 オリエンタルランド」という記事がありました。
ここ数年、食品メーカーや小売り、外食産業など、さまざまな業界で野菜等の自社生産が増えていますね。その動機は、天候不順による不作や価格高騰への対処、安心安全を求める消費者のニーズに応えるなど、主に安全と安定供給の確保のようです。
もともとは効率の最大化を重視して、分業体制を敷き、たとえば「私たちは加工(販売)をするから、材料の野菜を作るのは農業セクターの役割ね」となっていたのですよね。それが、効率の最大化よりも「もっと大事なことがある」状況になってきたということですね。
大量に集中して作った方が効率がよいはずだったけど、それでは天候不順など何かあったときのリスクが高すぎる、多少価格が上がっても、消費者の安全安心を求めるニーズに応えた方が得策だ、と。
農業は温暖化の影響をまず受ける産業です。すでに影響は顕在化しつつあります。温暖化の進行が止まっていない現在、今後の影響は大きくなると考えられています。そういった見通しも含めての自社生産への切り替えかどうかわかりませんが、今後もこういった動きは加速しそうです。
「効率や価格」だけではなく、「安全安心」「リスク回避」などが「それよりももっと大事なもの」と明確に位置づけられるようになってきたことは、効率至上主義・貨幣経済至上主義に代わる時代の兆しのようにも思えます。ほのかな期待を持って今後も見守っていきたいと思っています。