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エダヒロの本棚

エコ・ネットワーキング!
著書
 

枝廣 淳子(著)
海象社

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環境メールニュースを読んで下さっている方々のほかにも、デジタル・ディバイド(情報格差)を超えて情報をお伝えできたら嬉しいな、と思っていたところ、海象社さんから「突然ですが、enviro-newsを本にしませんか?」というお話を頂き、編集作業を重ね発刊されたのが本書です。

まえがき
 
 こんな笑い話をご存知の方も多いでしょう。
いろいろな国の人々が乗船している船が座礁し、沈みそうになりました。何人かが海に飛び込んで船を軽くしなければなりません。船長が、アメリカ人の乗客に「勇気があるなら飛び込んでください」というと、飛び込みました。イギリス人には、「紳士なら飛び込んでください」。ジャボーン。フランス人には、「愛があれば」。ジャボーン。ドイツ人には「ルールですから」。ジャボーン。そして最後に、日本人の乗客には何と言ったか?「みんな飛び込んでいますよ」。ジャボーン!
私は、通訳者として数多くの環境に関連する国際会議(政府、自治体、企業、NGOその他)に参加している経験からも、また日本国内や欧米の友人や知り合いと、それぞれの国での環境への取り組みや意識についての情報交換をしている経験からも、「本当にこの通りだなぁ!」と感心しています。
私個人の感覚ですが、アメリカでの環境問題は、「非常に勇気のあるごく少数の企業やNGO、市民は先進的な取り組みをしている」けど「政府議会にとって環境は優先課題ではなく、産業界は“環境は経済の足を引っ張る”と後ろ向きで、大多数の市民は環境問題や地球の限界などには注意も払わずに生活している」ような気がします。環境先進国のモデルと目されているドイツでは、税制や法規制などのルールづくりは本当に進んでいると思います。でも各企業や市民がどのくらい「主体的に」取り組んでいるかは「?」という声もけっこう聞きます。
そして、わが日本! 上の笑い話は、日本人の「横並び意識」を揶揄するためによく語られますが、私は「横一線にスクラムを組みつつ進んでいる国」、「政府も自治体も企業も市民も、それぞれが、そしてお互いの連携と協力の輪を広げながら、環境問題に取り組み始めている、世界中でいまもっともオモシロくて注目に値する国」が日本だと思っています。
アメリカの企業が好景気に浮かれている間に、日本企業は“環境”を切り口に現場での地道な努力や企業理念の練り直し、体質強化を着々と進めています。わずか30年前には「品質が経営の一部に入ってくるとは思いもしなかった」そうですが、地球環境の限界が明らかになるにつれ、同じことが“環境”でも起こっています。そして、早くそれに気づき、経営に取り込もうと努力を重ねている日本企業は21世紀にはどんなに有利な立場に立てるだろうか、とワクワクします。
市民も地方自治体も、NPO法や地方分権の流れの中で、着実に「自力で立ち、責任を伴う権利の主張」ができるようになっていると思います。いま様々な試みや取り組みが行われ、勢いを加速しているいちばん元気な分野はここでしょう。
そしてもうひとつ、日本がとてもユニークなのは、政府の立場です。政府と経済界が協力して、温暖化への取り組みを進めている。企業や市民が取り組みやすいようにガイドラインやツールを作成し、情報を提供する。環境NGOの事務局の運営を政府の関連機関が手伝う。このような「協働」(コラボレーション)は世界にもあまり例のないものだと思います。
特にこの1~2年の日本の動きは、本当にダイナミックで目が離せません! 環境は、企業にとっては「21世紀の生き残りの鍵」であり、市民にとっては「これまで忘れていた大切なものを取り戻すきっかけ」であり、政府や自治体にとっては「国民や市民との関係を築き直す道」になってきました。行政と企業と市民という社会の3つの当事者が同じ方向に向かって、それぞれの分野で活動を始めています。
そして、特に最近では、インターネットなどのIT革命を活かして、時空も既存の領域も超えて、連携や刺激の与え合いがあちらでもこちらでも始まっているのが本当に面白いところです。あちこちで小さなネットワークが芽生え、雨滴の波紋が重なり合って広がっていく湖面のように、ネットワークのネットワークが広がり、新しい出会いと思いと取り組みが増幅しています。もちろん、勇気あるアメリカやルールづくりの進んだドイツを始め、海外の国々や国際機関、国際NGOから学べることもたくさんあります。逆に日本の取り組みに刺激を受けて、ドイツでも環境NGOと企業のコラボレーションが始まりつつあるなど、いろいろな分野で国境を超えたネットワークが広がりつつあります。何ともワクワクする楽しい時代です!
本書もそのようなネットワークの広がりの中で生まれました。一年足らずの間に、“環境”というつながりで、どれほど多くの人々が(バーチャルにせよ)出会い、新しい考えや取り組みが生まれ、たくさんの刺激や情報を送り出すと同時に受け取ることで広がり深まりつつある“エコネットワーク”……。いつか、皆さんの思いやネットワークともつながって、より大きなうねりをいっしょに作っていけますように。

「エコ・ネットワーキング」の世界へようこそ!

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エピローグ
自分への、そして皆さんへのメッセージ

カエルのお話を2つ
No.31
 この環境メールニュースを始めて1ヶ月でナント30本も書いていたことに気づきました。当初は、「週に1本ぐらいかな~」と思っていたのですが……。「急流あり澱みあり」と書いたら、「滝じゃないですか」といわれたりしていますが(^^;)、まあ、気長に気楽におつきあい下さい。今日はニュースというより、雑談っぽいですが、カエルのお話を2つ。

 地球温暖化問題に対する我々人間の対応はよく、「茹でガエル」に例えられます。熱いお湯の中にカエルを放り込むと、カエルは「あちっ!」といって飛び出して逃げます。でもお鍋の水の中にカエルを入れておいて、弱火で温めてやると、徐々に水温が上がっていくのに気づかずに、「ハハ~ンハハンハンハン(古い!)」なんていっているうちに、茹で上がって死んでしまうとか。
 記録を取り始めた1866年以降、地球の平均温度は確かに上がっています。二酸化炭素をはじめとする温暖化ガスがその原因であると多くの科学者が考えています。ではどのくらい実際に上がっているのか?1~1.5℃です、たったの。1998年は平均気温の記録を塗り変えた年で、ワールドウォッチ研究所では、「これまで使っていた気温のチャートでは、縦軸(気温)が足りなくなった!」と、ショッキングな発表をしました。でも、それだって前年比0.2℃の上昇です。今のまま温暖化が続くと、2050年には地球の平均気温は2~3℃上昇するだろうといわれています。「これほど大騒ぎをして、たった3℃?」と思われるかもしれません。
 でも、あの氷河期の地球の平均気温は、今よりどのくらい低かったと思いますか? 「たった」3~6℃といわれています。ですから、2~3℃の気温上昇ですら、地球の多くの生物にとっては「命取り」となる環境激変をもたらす可能性があります。でもこのくらいの温度変化では、人間は「あちっ」と飛び出すことはないでしょう。
 もうひとつ、「茹でガエル」的状況として、私がとても恐いと思っているのが、「環境ホルモン」です。内分泌撹乱物質がアメリカの五大湖周辺の子供の知能低下やその他の影響を引き起こしているなどの報告が数多く出ています。環境ホルモンの直接的な影響として、とても恐い話です。
 皆さんもそうなのですが、現代人の体内には、生まれたときには存在していなかった化学物質が250種類も入っているそうです。その多くが未知の物質で、物質同士の相互作用も、遺伝子レベルに与える影響も、何もわかっていないのです。これも少しずつ体内に蓄積してききたから「あちっ」とならずに、実は危険な状態にも気づかずにいるのかもしれません。
 そしてもうひとつ恐いのは、この環境ホルモンが、世界をあまねく汚染しているという事実です。環境ホルモンの原因となる物質など、見たこと聞いたこともないはずのエスキモー人や北極グマの体内組織にも、非常に高い濃度で発見されているのです。研究者は、「もう地上に汚染されていない地などないので、汚染のない状況との比較研究はできない」といっています。世界中の人々が、程度の差こそあれ例外なく影響を受けている、ということです。そうなると、世界の知能指数の分布が少ない方にずれていく、ということになるのではないか。それとは気づかぬうちに、「一億総白痴化」どころではない「全世界総白痴化」が進行しているのではないか。
 人類史上つねに、知能に限らず人間の能力分布の高い方の極に位置する「天才」と呼ばれる人々が、さまざまな学問領域や芸術、社会で、その知能や深い洞察にもとづいて、人間の抱える問題を明らかにし、ビジョンを示し、その克服方法を見出し、世界をひっぱってきました。でも、分布が低い方にずれていったら、アインシュタインやガンジー、その他問題解決のビジョンを描ける人も減っていくということではないか。
「茹で人間」の行く末は、「ハハ~ン」なんて呑気な安楽死ではなく、みんながますます自分の情動を抑えられなくなり、社会性を失い、自己中心的になり、暴力的になり、戦争や殺戮を繰り広げて何とも思わなくなり、しかも、そのような暗黒の時代から救い出してくれる「ビジョンの人」も出てこない、という状況ではないか……。


ここでもう一つの「カエルの話」。

 月夜の美しいある晩、2匹のカエルが散歩に出かけました。ところが、はしゃいでとび跳ねているうちに、誤ってミルク壺に落ちてしまったのです。2匹は必死に壺から出ようとピョンピョンもがきましたが、なにせ壺が深い上、壺の内側はツルツルで、足場もありません。
 1匹のカエルは「どんなにやったって、どうせ無駄さ」とピョンピョンするのをやめてしまいました。そして、沈んでいきました。
 もう1匹は、「なにくそ、最後まであきらめないぞ」と、必死にもがきつづけました。何度も気を失いそうになる中、必死に足を動かし続けました。すると不思議なことに、遠い意識の中で、何か固いものが足に触れるのを感じました。気がつくとカエルは固い地面の上に立っていたのでした。あまりにかき回したので、ミルクが固まってバターになっていたのです。そこで、カエルは、難なくミルク壺から跳び出して、家に帰りましたとさ。

 皆で、ひとりでも多くで、「ピョンピョン」してミルクをバターに変えましょう! 気づかぬうちに、茹で上がってしまうまえに。

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あとがき

この本の生まれと育ち
 この本は、通訳者・翻訳者・環境ジャーナリストという名刺を持って、あちこちに出没しては好きな仕事をさせてもらっていながら、自分で個人的に出しているEnviro-Newsというメールニュース(1999年11月~2000年夏頃まで)を編集したものです。
こんにちは。枝廣淳子です。
通訳という仕事柄、また環境関係の活動で、環境関係の興味深い内外のニュースや展開に触れることがあります。私一人でそのような情報を持っているのももったいないので、ご関心のある方々にメールで随時お知らせしたいな、と思いました。
定期的なメールニュースではなく、まったく不定期に情報がある度に、お送りしたいと思います。

 このようなメールを、友人や知り合い約30人に送った1999年11月1日が、Enviro-News の誕生日?になるでしょうか。このお誘いメールを書いたときには「週に1本ぐらい」のつもりでした。でもそんなに出せないかも知れない……と思って、「不定期」と断っておきました。断っておいてよかった。平均すると1日に1通弱のペースで、ひどいときには1日に4通もメールニュースを出しているもの(^^;)。この息をのむような展開ぶり(息ができない、という読者もいらっしゃる^^;)にいちばん驚いているのは、この私です。

 もともと、メールニュースを書こうかな? と思ったのは100%自分のためでした。通訳者というのはとても面白い仕事で、そうでなければ会えないような人にも会え(私の人生を変えたレスター・ブラウンとの出会いもそうです)、そうでなければ行けないようなところへ行くこともでき(女人禁制の炭坑に通訳しに行って塩を撒かれた友人もいます^^;)、そうでなければ聞けないような話も聞けます(守秘義務があるので沈黙^^;)。幸い私は、「仕事が終わったら抹殺されるかも」というようなトップシークレットの会議にはお声がかからず(^^;)、だいたい平和な公開シンポジウムや公開セミナーで通訳をさせてもらっています。
 通訳者の仕事ぶりをごらんになったことがありますか? 私たちはいっしょうけんめいメモを取ります。特に逐次通訳(講演者と通訳が順番に喋るもの)では発言内容を全部は覚えておけないからです(時には30分も喋り続ける人もいますから)。当然、メモは走り書き。他人が見ても、ちっともわからない。本人も、仕事が終わって1日たつと、ちっともわかりません(^^;)。「翌日の仕事のために頭のスペースを空けるには、その日のことはすぐに忘れなきゃねぇ」というのが言い訳?です。
 ところが、環境問題に関心を持って通訳するようになってくると、いろいろな会議やセミナーがとっても面白くなってきました。「これは良い考え!」「なるほどなぁ」などと、そのまま忘れるのが惜しくて、一瞬の隙を盗んでメモ用紙になぐり書きをするようになりました。でも、通訳者の悲しい性で(?)、翌日になると何が書いてあるんだか、ちっともわからない(^^;)。「こりゃ、もったいないから、判読できるうちに、ワープロで打っておこう」「そーだ! ただ打ってもつまらないから、興味のありそうな人に送っちゃおう」ということで、つまり、普通ならその場で捨ててしまう通訳ブースのメモの<再利用・リサイクル>として、Enviro-News は生まれたのでした。
 登録者は最初20人ぐらいでしたが、読者が他の方にご紹介下さったり、私も環境会議で出会った専門家に押し売りしたり(^^;)して、1年足らずで500人を超えました。「ご紹介のご紹介」「ご紹介のご紹介のご紹介」……と、今では5代目(^^;)ぐらいの「ご紹介」さんもいらっしゃいます。
 そして、何よりも驚き、有り難く思っているのは、数百人もの各界の専門家や第一線で活動中の方々のバックアップがいただける、何ともスゴイ「専門家と実務家のネットワーク」が広がりつつあることです。専門的な水質問題であれ、エコファンドの現状であれ、私の疑問にはすぐに解説や情報が届きます。「こんな情報もありますよ」という新しい分野の紹介や、書いた記事に対する様々な角度からのコメントが寄せられ、ニュースの幅と深みと私の視野を広げてくれます。
 また、「○号に出ていたあの人につないでほしい」「ニュースで紹介されたセミナーに行ったら、新しい出会いがあった」「自分たちも同じ活動をしたいので紹介してほしい」など、新しい活動や展開に結びついていく「エコ・ネットワーキング」があちこちで始まっていることにもびっくりし、嬉しく思っています。ある人曰く「枝廣さんは良い仲人になれますね!」(^^;)。
突然ですが、「Enviro-News」を本にしませんか?
Enviro-Newsのいいところは、 記事に対するフィードバックを得られることです。
そして専門家同士のタコツボ状態をたたきこわしてバーチャルなリング上で、知識と実践に関するニュースを一般の人にもわかりやすく展開していることではないでしょうか?
環境問題は、やはり論より証拠的に進めていかないと十年一日のごとき堂々巡りをくりかえすような気がします。その意味で、このEnviro-Newsはたいへん意義があると思います。
また、それをきちんとまとめて紙の媒体に記録しておくことも個人個人に情報格差のある現在、ぜひ必要なことと思います。

というメールを海象社の山田さんからいただいたのは、ニュースを始めてまだ2ヶ月のときでした。メールは使っていないけど環境に関心のある方々にも環境問題の情報を伝えたい、何よりも、元気で楽しい取り組みがあちこちで展開中!のワクワクさを届けたい、と一も二もなく話に乗ったのでした。
実際の編集作業は、「作業を進める間にもニュースがどんどん増えてゆく」(^^;)という難点をのぞけば、楽しいものでした。ただ分量的にすべてのニュースは取り上げられないので、「みんな可愛い子なのに、どの子を置いていこうか」とかなり思案しました。「この本が売れたら、次作には入れてあげるからね」(^^;)と、ストーリーとしてまとまっているもの、特に最近の大きな動き、絶対に重要なポイントや自分なりの見方や考えを提示できているものを中心に選びました。まだまだたくさん、素敵な取り組みや、展開が非常に早いため本に載せることを断念した新エネルギーの情報もあるんですよぉ!
ニュースを読んで応援して下さる読者の方々、コメントや情報を寄せて下さる専門家の方々、いつもありがとうございます。ニュースやこの本へのコメントの引用を快く許可してくださった方々と、出版を応援してくれる多くの方々のおかげで、この本が生まれました。
そして、タダの通訳者(無料じゃないけど^^;)だった私に、「環境」の世界を惜しみなく教えてくれ、冗談を連発しながら環境と人生の師でいてくれるレスター・ブラウン氏、講演など新しい活動への橋渡しをして下さった日本青年会議所元会頭の新田八朗氏(日本海ガス社長)、「環境ジャーナリストの名刺を作りなさい」と、著名な経済人へのインタビューや日本独自の活動の取材・執筆などの機会を与えて、「せっかく英語ができるのだから、日本の取り組みを世界に発信する役目を果たせ」と励まして下さる三橋規宏氏に、心から感謝しています。そしていつも温かく応援してくれている家族にも大感謝です。

最後になりましたが(^^;)、自己紹介。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

自己紹介
No.49
これまで自分について書いたことはありませんでしたが、ここで初めて自己紹介をさせていただきます。
えだひろじゅんこ。京都生まれ。通訳・翻訳者・環境ジャーナリスト。幼少の頃は色白で舞妓さんをめざしていたが、5歳で宮城県の田舎に引っ越し、毎日野山を駆けめぐって遊ぶ野生児生活で真っ黒になり夢破れる。しかしこの時期五感で体験した「大地とのつながり」が今の自分の活動の1つの原点であるような気がしている。
 大学での専攻は「教育心理学」、特に臨床心理学(カウンセリング)。修士を終えて「社会を経験していない私に社会で困難を味わっている人のカウンセリングはできません。一度社会に出てきます!」と大学を飛び出して以来戻っていない。「枝廣はまだ戻らんかー」と先生。ごめんなさい(^^;)。
「大学院卒の女子なんて要らない」という就職難の中、㈱サンマークの教材開発部門に拾ってもらい、第二の青春を送る。商品開発部所属であったが、社内旅行や会社の創立記念行事等の宴会部長として名を馳せる。その後10年ぐらいしてから、サンマーク出版から最初の翻訳書を出版してもらうことになる。
1991~93年、夫の米国留学に伴い、ニュージャージー州で暮らす。渡米前は英語は苦手で大嫌いだったが、この2年間に一生懸命勉強し、帰国後、通訳となる(今も大学時代の友人は私が通訳で生計を立てていることを絶対に信じない^^;)。
通訳・翻訳を通して環境問題に関わるようになり、今日に至る。

ある程度、英語力がついた時点で、たまたま『地球白書』で知ったワールドウォッチ研究所に「英語/日本語のコミュニケーションでお手伝いさせて下さい!」とボランティアの押し売りをし、以来、レスターをはじめ研究所の魅力にはまって、日本でのサポートを続けています。
最近、通訳の仕事でも「環境なら枝廣サンに」と指名して下さるお客様も増え、環境の分野が多くなりました。専門用語や背景知識を活かせるし、そこで得られる現場の様子や最先端の知識は自分の糧になるので、とても嬉しく大いに張り切っちゃいます。
通訳は基本的に“黒子”ですが、「自分の思いや考えも語りたい」と思うようになったころ、1998年10月から『信濃毎日新聞』の子ども向けページで、環境問題の連載を書く機会をいただき、2年間にわたり100回ちょっと書きました。子ども向けに書くことは本当によい勉強になります。子どもたちからのフィードバックももらえたし、毎週読んで下さった長野の方々ともネットワークがつながって、楽しい機会でした。
また日本青年会議所とのご縁や連載やメールニュースの読者からのお声掛けで、「地球環境問題と私たち」「環境問題とビジネス」「ISO14001」「森林問題」などの講演会、パネル、セミナーなどに呼んでいただく機会も増え、あちこちで新しい出会いをエンジョイしています。
(ご覧のように ^^;)書くことが好きで、これだけ書いてもまだまだ書きたいことがあります。「ポケットを叩くとビスケットが……」♪という歌のように、通訳に出かけるたびに、取材に行くたびに、そしてニュースを書くたびに、書きたいコトがどんどん増えるのですから!
いつか、「台所から地球環境を語る」というような“環境エッセイ”に挑戦して、いまいちばん手が届いていない若い女性やお母さんたちにもぜひ大切な情報やメッセージを伝えていきたいと思っています。「環境心理学」なんて分野も開拓してみたい、と夢は拡がる一方 (^^;)。
仕事上で、環境問題への取り組みで、そしてこのメールニュースで、たくさんの方とご縁ができ、いろいろなインプットをいただけることがとても嬉しいです。

どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

枝廣淳子

 

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