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エダヒロの本棚

いまの地球、ぼくらの未来――ずっと住みたい星だから
著書
 

枝廣 淳子(著)、天明 幸子(絵)
PHP研究所

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「子どもたちに問題を説明するだけでは十分ではない」と、ずっと思っていました。環境問題の現状や原因だけではなく、「まだ手遅れじゃない。こんな新しい取り組みが広がっている。こんなステキな未来だって可能なんだ」ということを伝えたい。「自分には、自分の生き方や地球や社会の現状を変える力がある」ことと、「変える」ための考え方やスキルをエールとともに届ける本です。

はじめに

「自分がこの時代に地球という星に人間として生まれてきた」こと、不思議な気がしませんか? 地球以外の星だったかもしれない。大昔か、遠い未来だったかもしれない。犬かツクシかミジンコだったかもしれない。たまたまこの時代に地球に人間として生きていることを、私はうれしいなぁと思います。
 地球には、私たちの町や国以外の人々も、人間以外の生き物もたくさん生きています。みんなそれぞれ、私たちと同じように大事ないのちです。そして、これからも、数え切れないほどの人間や生き物がこの地球に生まれ、生きていくことでしょう。地球は、すべての人間や生き物を生かしてくれています。地球は、私たちの、そして過去・現在・未来のあらゆる生き物のいのちなのです。
 その地球が今、「危ない」状態にあります。新聞やテレビは毎日のように、地球環境の悪化を伝えます。状況は確かに悪化していますが、しかし、悲観的になる必要はありません。状況やその原因、「どうすればよいか」はかなりの部分がわかっているのです。想像力と創造力を働かせれば、地球環境を悪化させている現在の社会とは違う「別の社会」を創り出すことができます。まだ間に合います。
 しかし、ゆっくり様子を見ている時間はありません。一人ひとりが自分の頭で考えること。自分で行動を選ぶこと。これは今日からすぐに始めましょう。大人も子どもも。
 この本には、現状と原因、解決のための取り組みが書いてあります。書いてあることをヒントに、自分で考え、行動をしてみてください。どんなにちっちゃなことでも「やらないよりはいい」のです。お友だちや先生、家族とも、気がついたことや考えたことを話してみましょう。もっといろいろなことがわかり、アイディアが出てくることでしょう。
そして自分で考えて行動することが、どんなに楽しくてやりがいのあることかをぜひ知ってほしいな、と願っています。

二〇〇四年春
枝廣淳子

 

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