ホーム > エダヒロの本棚 > あなたにもすぐにできる ダイエットCO2 ~もっと快適に!エコライフ22の方法

エダヒロの本棚

あなたにもすぐにできる ダイエットCO2 ~もっと快適に!エコライフ22の方法
翻訳書
 

デービッド・ガーション(著)、枝廣淳子 (翻訳)
PHP研究所

amazonで見る
 

米国で広く環境プログラムを実施し、大きな成果を上げてきた著者が、私たちが温暖化を防止するためにできること・すべきことをわかりやすく伝えてくれます。
日々の生活の工夫から、家族を、仲間を、地域を巻き込んでの実践方法まで。
CO2を減らすためには、少人数が大きく暮らしを変えるより、多数の人が少しずつでも暮らしを変えるほうが、大きな効果があります。本書がその役に立ちますように!

訳者まえがき

 地球温暖化の問題が大きく迫りつつあります。新聞やテレビなどでも、温暖化に関する報道がない日はないといってもよいほど、日本でも世界でも、温暖化問題への関心が高まっています。
 「温暖化のせいで、北極の氷が溶けてしまい、ホッキョクグマが溺れ死んでいる」「温暖化の影響で山が乾燥し、山火事が増えている」「温暖化によって、日本でも、マラリアなどの熱帯性の病気が蔓延する可能性がある」などという情報を見聞きするにつれ、「どうしたらいいのだろう?」「本当に何とかなるのだろうか」と、焦る気持ちを抱く人も増えているのではないでしょうか。
 そういうときこそ、地に足を着けて、一歩ずつ、心配な気持ちや懸念を「行動に移していく」必要があります。いくら心配しても、いくら情報を得ても、温暖化の進行は止まりません。私たちが毎日の生活のなかで「何をするか」「何をしないか」――それが二酸化炭素(CO2)の排出量を増やしたり減らしたりして、温暖化を進めもすれば、抑えもするのです。「地に足を着けて、一歩ずつ」何をしたらよいのか?――そのアイディアやヒントを大いに提供してくれるのが本書です。
 この本は、米国で広く環境プログラムを実施し、大きな成果を上げてきた著者が、私たちが温暖化を防止するためにできること・すべきことをわかりやすく伝えるために書いたものです。
「二酸化炭素を大きく削減すること」は単なるキャッチフレーズではなく、実際に実行できるのです。
主に米国の人々向けにおこなわれてきた環境プログラムをベースにしているため、挙げられている数字などは米国向けのものが多いですし、数字の換算上、丸めてある数字もあります。そういった細かな数字を気にするよりも、「何をやれば大きな効果があるのか」「自分の暮らしのなかで何ができそうか」といったヒントやきっかけを得るために、本書を活用していただければ、著者も喜ぶことでしょう。
なお、日本の家庭の二酸化炭素排出量を計算するには自治体やインターネットで「環境家計簿」を調べてみると、自分の地域向けの計算式が得られるでしょう(NPOローハスクラブ)。
日本の家庭における二酸化炭素排出量の内訳を見ると、「電気から」がいちばん多く、40%近く。そして「ガソリンから」が30%近く、「ガスから」が13%ほどです。つまり、家庭から排出される二酸化炭素を減らすには、「電気、ガス、ガソリンの使用量を減らせばよい!」のです。本書には、そのためのヒントが満載されています。
 世界の二酸化炭素排出量のうち、米国は22%を占めています。日本は、人口こそ世界の2%弱にすぎませんが、二酸化炭素の排出量は世界全体の4.8%にものぼっています。1人当たりの排出量は、世界平均に比べても多く、私たちの暮らしのなかから出ている二酸化炭素を少しずつでも減らしていかなくてはなりません。
 ちなみに、国民1人当たりの排出量(二酸化炭素換算)は、米国が20トンで、日本は10トンです。でも、米国の半分だと喜んでいてはいけません。中国は人口が多いので、国全体としては世界の排出量の18%を占めていますが、1人当たりはわずか3.7トン。インドやアフリカの平均は1人当たり1.1トン、日本の10分の1なのです。
 温暖化を本当に止めるためには、世界の二酸化炭素排出量を70%減らさなくてはなりません(京都議定書で約束した6%削減は、ほんの「最初の一歩」なのです!)。そのためには、私たち一人ひとりが、自分の暮らしのなかから排出される二酸化炭素をできるだけ減らしていくこと、そして「減らせばトクする!」ように社会や経済のしくみを変えていく必要があります。
 温暖化の問題は、「時間との戦い」でもあります。温暖化が手に負えない状況になる前に、二酸化炭素の排出量を大きく減らす必要があります。「だれが、何を、先にやるか?」を議論している時間はありません。できる限りのことをすべて、できるだけ急いで進めていきましょう。効果の実証された本書のプログラムを参考に、ぜひご自身の年間排出量を減らす目標値を定め、そのための手段を工夫しながら進めていってください。
 二酸化炭素を減らすためには、少数の人が大きく暮らしを変えるより、多数の人が少しずつでも暮らし方を変えるほうが大きな効果があります。「温暖化は問題だ」「何とかしなくては」と、多くの人々よりも先に気がついたみなさんは、自分ができることをやっていくだけではなく、それを広く伝え、多くの人を行動に巻き込んでいく役割もぜひ果たしてください。本書の後半は、そのためにきっと役に立つことでしょう。
本書の翻訳にあたっては、翻訳者の小野寺春香さんに大いにお世話になりました。本書を世に送り出してくれたPHP研究所の編集者・木南勇二さんにも心からの感謝の意を伝えたいと思います。
 だれだってできることしかできません。でも、できることをできるだけやっていきたい――そう思いませんか? 本書がそのためにお役に立つことを心から願っています。

枝廣淳子

 

このページの先頭へ

このページの先頭へ