人類学や歴史の書がこんなに面白いとは! まるで推理小説のように、惹きつけられるままに、あっという間に読んでしまいました。人間とは何か。私たちはどうして、ここまで来たのか。ここからどこへ行くのか。本当にいろいろ考えさせられる本です。
「歴史は決定論では説明できない。あまりに多くの力が働いており、その相互作用はあまりに複雑なので、それらの力の強さや相互作用の仕方がほんのわずかに変化しても、結果に大きな違いが出る。キリスト教も、ローマ帝国も、金貨もない歴史を想像することが可能だ」。
だとしたら、私たち一人ひとりが今日、明日、何をどう考え、どう行動するかが、複雑に入り組んだ相互作用の膨大な網の目に対する小さな一撃となって、最終的に歴史を形作っていくのだ--その思いを強くしたのでした。