6月22日(水)、世田谷区の三軒茶屋にあるキャロットタワーのワークショップルームをお借りして、熊本県上益城郡・水増集落と東京都市大学環境学部の枝廣研究室、世田谷区のこども食堂実践者の3者が協働した1日限定のこども食堂を開催しました。
現在、こどもの貧困と孤食の問題解決を目的とした「こども食堂」が首都圏を中心に全国各地で開設されています。
一方、地方では人口減少と高齢化が進み、集落や農業の維持など危機的な状況を迎えています。東京都市大学枝廣研究室が2015年から研究活動を行っている熊本県上益城郡山都町島木の水増集落も、10世帯18人、平均年齢72歳という、いわゆる"限界集落"の一つです。
今回開催した「こども食堂」は、都会にはなく水増がもっているおいしいお米や新鮮な野菜、栄養満点の大豆を使った食事を、都会のこどもたちにいっぱい食べてほしいーという水増の願いをもとに、枝廣研究室が企画、イーズがお手伝いをさせていただきました。
開催にあたっては、イーズがオフィスを構える世田谷区ですでにこども食堂を実施されている「NPO法人せたがや福祉サポートセンター」のお力をお借りし、調理は同じく区内で活動する「おとこの台所」チームの男性陣にお願いしたところ、快く引き受けてくださり、1カ月前からメニューやレシピを準備。50人分の食事をつくっていただきました。
また、当日は水増からも10名の地域の方が来てくださり、水増伝統の鶏汁や煮豆、煮つけのほか、その場で水増の大豆をつかった豆乳シフォンケーキをつくってくれました!
♪♪♪ 当日のメニュー ♪♪♪
竹の子とグリーンピースの炊き込みご飯(水増の「日本の棚田百選」のお米!)
野菜たっぷりの豚肉味噌煮(水増の幻の大豆・八天狗の味噌!)
生野菜のアンチョビ・マヨネーズソース(熊本の新鮮な野菜!)
八天狗の豆乳スープ
卵焼き(水増の平飼い卵!)
ジャーマン・パンケーキ(水増のジャガイモ!)
鶏汁(水増の伝統料理)
ワラビの煮つけ
八天狗の坐禅豆
八天狗豆乳をつかったシフォンケーキと手作りブルーベリージャム
前日までお客様の参加状況が把握できず、本当に来てくださるのだろうか・・・とスタッフが不安を抱える中、保坂世田谷区長をはじめ、なんと40名を超える方々が入れ替わり訪れてくださり、会場は大にぎわい!
食事を召し上がりながらおしゃべりをするおとなやゲームに興じるこどもたちの声が響きました。枝廣研究室の学生たちもこの日のために準備した遊び道具を持参。こどもたちに囲まれる場面も見られました。
参加いただいたお母さま方からいただいた感想の一部をご紹介させていただきます。
★お料理もおいしくて、こどもも全部食べていました。納豆がスーパーに売っているのとは違い、噛みごたえがあって、本当においしかったです。
★野菜たっぷりの料理を子どもに食べさせることができてよかったです。
★お料理も大変おいしくいただきました。こどもの楽しめるゲームや遊びがあったのがとてもありがたかったです。そのおかげで普通ゆっくり食事ができない親たちも、味わってゆっくりお食事ができました。毎週開催してほしいくらい。
★今まで卵焼きを食べられなかったうちの子が初めて食べて「おいしい!!」と喜んでました。おもちゃまでいただいて本当にありがとうございます。こういう交流会がまたあったら参加させていただきたいです。山菜や煮物などうちで作れない味でどれもおいしかったです。
★食事の味が特にごぼうとお豆!!ごぼうはスーパーと全く違って、昔ながらの土くさいおいしい味がしました。ぜひとも子どもたちと一緒にお泊りに行ってみたいと心より思いました。
世田谷区内でもすでに数多くのこども食堂が展開され、さらなる開設を望む声も多く寄せられています。こども食堂がそのミッションを果たし、地域のこどもの居場所となっていくためには、今後さまざまな支援やネットワークづくりが必要になります。そのとき、今回のような都会と地域と若者のコラボレーションは大きな力になるのではないでしょうか。
いつか都会のこどもたちが水増へ訪れることができたら・・・夢はふくらみます!