(今回はスタッフの寄稿です)
イーズの幸せ経済社会研究所(通称「幸せ研」)では毎月、本当に持続可能で幸せな社会を創っていくにはどうしたらよいのかを考え、世界にも役に立つと考える日本と東洋の知恵や考え方、取り組みなどを英語版ニュースレター記事で紹介しています。幸せ研の英語名は「Institute for Studies in Happiness, Economy and Society」。長いのでこちらも頭文字をとってISHESと呼んでいます。
2020年6月号では、夏至に行われた「キャンドルナイト in 熱海」を中心に、キャンドルナイトの記事を取り上げて翻訳しました。この前の記事と合わせて、ご一読いただけるとうれしいです!
Candle Night' Special Solstice Event in Midst of COVID-19 Pandemic
https://www.ishes.org/cgi-bin/acmailer3/backnumber.cgi?id=20200625
さて、今回の記事に限らず、日本の取組みを英語に訳すときには、選んだ表現が別のニュアンスを伝えてしまっていないかどうかを特に気をつけます。2003年のスタートの時のキャンドルナイト呼びかけ文では、「世界中にくらやみのウエーブを広げよう」という表現がありました。漢字の「暗闇」ではなく「くらやみ」とひらがなになっているのは、人工的な明かりのない、静寂な夜が地球上に次々に広がっていくというイメージで書かれたものです。
ですが、英語の呼びかけ文ではその部分を直接訳しませんでした。短いコピーの中で日本語の「くらやみ」が持つイメージは伝えきれず、辞書的に訳した"darkness"という表現には、単に「明かりのない状態(when there is no light)」だけでなく「邪悪な(evil or the devil)」という意味もあり、そのまま訳すと誤解を招くのではないかと考えたからです。その部分は、「a gentle wave of candlelight(やさしいろうそくの光)」と置き換えました。
団体名などの固有名詞の翻訳も、難しい部分の一つです。すでに使っている英語名がある場合はそれに従いますが、日本の、特に地域の取組みを翻訳するときには、英語名を持たない団体も多く、検討に時間を使います。紹介程度であれば日本語名をそのままローマ字表記にして、英語で説明を補足するだけにしますが、活動の内容を詳細に説明したり、何度も出てくる場合は英語名が必要です。
今回の「キャンドルナイト in 熱海」では、「未来創造部」というプロジェクト名をどう説明するかについて悩みました。新しい取組みのため、これまで英語になったものはありません。今回の記事では、団体の活動内容については詳細に触れていなかったため、「"Miraisozobu," a creative community group」とローマ字表記にして、活動の内容を補足して発信しました。その後未来創造部のミッションにある「未来の子どもたちにきれいで楽しい地球を残す」というニュアンスも出せないか、検討しています。例えば、
a community group working to create a positive future,
a future-oriented creative community group
などがありますが、「未来」という表現をどうするかについてもう少し検討したいと思っています。今後の記事をぜひ楽しみにお待ちください。
英語版の記事は、幸せ研の英語ページの他、SNS(Facebook、Linkedin、Twitter)でも更新や紹介をしています。
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