先日、汐留に拠点を置く企業の環境・サステナビリティのメンバーが自主的に集まって情報交換や勉強会を行う「汐留環境の会」にお招きいただき、「ナッジ」をテーマにお話をさせていただきました。
<当日参加企業>※順不同
共同通信社、資生堂、ANAホールディングス、電通、トッパン・フォームズ、日本通運、日本テレビ放送網、富士通、三井化学
計27名
テーマは、「サステナビリティ活動における社員(社外関係者)の行動変容に向けたナッジ活用について」です。
「ナッジ」とは、「nudge」という英語です。「注意や合図のために人の横腹を特にひじでやさしく押したり、軽く突いたりすること」です。社員の環境・CSR行動を変えるために、お説教してもだめ(押しつけは余計に反発されたりする)、経済的インセンティブも全員には効かない(また資金にも限りがある)、というなかで、人々の行動を変えるもう1つの方法として注目されています。
「汐留環境の会」では、環境やCSRについて社員や社外関係者の行動変容を促していくために「ナッジ」が活用できるのではないか、ということで今回のご依頼をいただきました。
※キーワード解説(幸せ経済社会研究所):ナッジとは
「ナッジ」は海外では数年前から注目されていて、すでに多くのところで使われていますし、日本の省庁や自治体でも近年ナッジを活用する動きや取り組みが出てきました。私の著書『プラスチック汚染とは何か』(岩波ブックレット)でも「ナッジ効果を活かしたプラスチック問題への取り組み事例」として紹介したことがあります。
今回は「ナッジ」の基礎をお伝えするだけでなく、内外の動向や事例、設計のプロセスもご紹介しながら、実際に「ナッジ」つくるワークもやってみました。どうやって社員や社外関係者の行動変容につなげていけばよいか、まずは事例をヒントに考えることができたのではないかと思います。
【ご参加いただいた皆さんからのフィードバックはこちらからご覧いただけます(※抜粋)】
今回の講演で一番心に残った点、もしくは、興味を持った点はどこでしたか?
- 自分が思っているよりバイアスや人間の思考の癖が多く驚きました。またそれぞれに対応するナッジがあり、それぞれ例と共に紹介していただけたのが面白かったです。
- 事例がすごくわかりやすかったです。
- 心理学がいかに論理的で体系的なものであるかナッジを通じて理解できたこと
- ナッジの事例、ナッジ設計プロセスなど。
- 事例がすごくわかりやすかったです。
参加された皆さんには、引き続き自社に持ち帰って考えていただけたらうれしいですし、この汐留環境会の皆さんでも「ナッジ」を考えて試していけば、いろいろなところでも展開できると思っています。
私たちもこうした課題を解決していくための活動の後押しをしつつ、たくさん事例も増やし伝えていければと思っています。
最後に皆さんと集合写真も撮らせていただきました!ありがとうございました。
<関連情報:幸せ経済社会研究所>