納品前日は17時間労働。そして、徹夜は好きではないので(私の場合効率が悪いので)、4時間だけ寝る。朝1時起床。納品予定時刻の13時までちょうど12時間である。最後の見直しを始める。
1時間にどのくらいのページを進むか、計る。最初の1時間は10ページだった。180ページぐらい残っているのだ。これでは間に合わない……。
次の1時間は13ページ、次は15ページ……という具合に、何だか動き始めた電車に乗っているみたいだな~、と思っているうちに、あっという間に新幹線である。(^^;
ということで、13:30終了。30分遅れたけど、納品。
14時からJFSの打ち合わせだったので、ご飯を食べて、髪を洗って、久しぶりにちゃんとした洋服を着て、外に出る。
うー、お日様がまぶしい! 考えてみると、1月10日にJFSの会合に出て以来、外に出ていなかった。洗濯を干しに、ベランダに出た以外は、10日ぶりの「外出」である。なんだか、重力が重い……。(^^;
特に最後の数日は、集中度が高かったので、「ヒトは言語脳ばかり使っていると、こうなるのか」というぐらい、とても人前に出せない状態だった。まともに喋れなくなるのだ。
特に朝から仕事を始めて、夕食の頃には、本当に言葉が不自由で困った。言いたいことが言葉にならない。でも口からは勝手な言葉(というより音?)がポンポン出てきちゃうのだ。ハムスターのプチも心得たもので(大きな翻訳の締め切り間際になると、よくそうなるので)、まるて象形文字か、くさび形文字みたいな私の音から、連想ゲーム形式で、コミュニケーションしてくれる。「えっと、うっとら」「はいはい、ビールね」みたいに。(^^;
こういう状態で、果たして打ち合わせができるのだろうか、と高速で走っている新幹線から飛び降りた気分で、事務局へ向かう。やっぱり言葉が出てこない(ので、まずはじーっと聞いているふりをする)。
この午後は、「納品が終わるまで待って~」と延ばしてもらっていた打ち合わせが4件、夜まで。考えようと思っても、思考がキレギレになるし、話しているうちに何が言いたかったのか自分でわからなくなるし(私にとっては珍しいことなのだ)、表情は能面化しているし、我がコトながら、観察していて、本当に面白かった。あまり偏った脳の使い方はよろしくないことがよくわかる。最後に、スタッフから「話しづらそうですね」と言われてしまった。あは。脳内障害者の気分であることよ。
翻訳というのは、納品しても残務作業みたいなのがけっこうあって、なかなか「終わった!」というすっきりした達成感が得られない。今回もまだいくつか、注とかキャプションの翻訳が残っているし、「訳者まえがき」を書かせてもらうことにしたし、そのうち、校正の作業があるし、とうてい終わった!気分ではないのだけど、それでもメインの大きな部分を出し終えて、ほっとする。
そしてこの本の翻訳は、これからいちばん力を入れていくつもりの大きなプロジェクトの幕開けなのだ。とってもわくわくしている!