14日(土)の午後に、丸善でアル・ゴア氏のサイン会があった。私は整理券をもらっていなかったのだけど、「会えたらいいなー」と思って、丸善へ。
顔見知りのランダムハウス講談社の人が「もしかしたら会わせてあげられるかもしれない」と言ってくれるので、どきどき。サイン会に並ぶ人の行列が長くなってきて、もうじき始まるのかなー、というころ、「枝廣さん、いまだったらだいじょうぶかも!」と奥まった控え室へ連れていってくれる。
こじんまりした控え室でランダムハウス講談社の社長と談笑していたゴアさんは、社長さんが「この人が、あなたの本の訳者ですよ」と紹介してくれた私を、立ち上がってにっこりと迎えてくれた。「大変だったでしょう、3週間で訳してくれたと聞きました。ほんとうにありがとう!」とゴアさん。
「やらせていただけてほんとうに光栄でした。私だけではなく、支えてくれるチームがいたからできたんです。とても楽しくやりがいのある仕事でした。私は、レスター・ブラウンの仲間でもあって、自分でもいろいろな情報発信をしたり活動をしています。いつもどうやったら伝わるか、どうやったら変化を創り出せるか、と考えているので、この本の翻訳はほんとうに勉強になりました」と私。
レスターの名を聞いて、ゴアさんはまたにっこり。同志、なんだよね、ゴアさんもレスターも、そして私も。
「伝える」とテーマでちょっとおしゃべりしたあと、「サインをしてもらってもいいですか?」と本を出したら、「もちろん! どう書こうか?」と言いながら、ゆっくり丁寧に書いてくださった。
「もう1つ、支えてくれた事務所のスタッフやリサーチなどをいっしょにやってくれたチームにも、お言葉をいただけますか?」とお願いしたら、それも快く色紙に書いてくださった。
最後に、ツーショットで写真を撮ってもらった(ミーハー ^^;)。ゴアさんって、すべてを包み込むような温かさのある素敵な方である。ひとりひとりに丁寧に向き合って「いま・ここ」にいるようすに、さすがだなぁ!と思ったのだった。
サイン会の冒頭、ゴアさんは挨拶の中で、こういってくれた。
「日本語版の翻訳をしてくれた枝廣淳子さんと、彼女のチームに感謝します。私の日本人の友人たちが口を揃えて、すばらしい翻訳だと言っています。残念ながら私は日本語が読めないので、自分では日本語の文章の質というのがわからないのですが、友人たちが皆、すばらしい翻訳だというので、きっとその通りなのだと思います。ありがとうございました」
とてもありがたい言葉である。
ところで、サイン会には事務所からも3人行っていた。ほかの方々と同じように列に並んで、自分たちの順番がきたときに、「翻訳チームのメンバーです」と言うと、ゴアさんは椅子から立ち上がって、「ありがとう!」と言って下さったそう。とても喜んでいた。温かいゴアさんの人柄が伝わってくるエピソードであった。