いつもそうなのだけど、バラトン合宿は始まると同時に加速して、あっという間に終わってしまうんだよねぇ。
昨日は4日目。3日目の「温暖化への緩和策、適応策」につづいて、4日目のテーマは「国レベル・地域レベルでの行動戦略」。今日は私が議長。そういえば、いつも欧米人が議長をしているから(唯一の例外は20年前から参加しているベテランのロシア人)、アジア人の議長は初めて?珍しいことは間違いない。
セッションの冒頭、議長から15分ほどその日のテーマについて枠組みをプレゼンする時間がある。ので、昨日の朝は、早く起きたあと、その準備に専念。
私にとって初めての議長役なので、アランもジリアンもデニスもあれこれ気を遣ってくれて、PCのセットアップなど準備を手伝ってくれたり、声をかけてくれたり、優しい人たちなんだなぁ、本当に。
8:30にセッション開始。鎌倉の竹林の写真をバックにしたパワーポイントで、15分のプレゼンテーション。そのあと、ふたりの発表・ディスカションとつづき、なかなか熱い議論が展開した。
12:30、無事終了。ハーマン、ヨーゲンほか何人もが、「よかったよ」「よい形で議論のトーンを設定してくれたから、いい議論になったね」「プレゼンのファイルをちょうだい」「いつもと違う感じでのセッションで、とても新鮮だったよ」など声をかけてくれる。ほんとうにいい人たちなんだなぁ。
バラトンのすばらしいところは(参加者全員にとって)、ふだんの役職や肩書き、果たしている(果たさなくてはならない)役割をいったん脇に置いて、あるがままの自分で考えたり、意見を言ったりできることなんだよね。4日目の議論でも、「自分は自国に帰ったら、こういう言い方は決してしないけど、ここだから言わせてもらうと、自分が本当に思っているのは……」という、率直な発言が相次いだ。
また、今回初めて参加したゲストスピーカーの変容ぶりも興味深かった。なかにひとり、とても切れる人がいて、1日目には(きっとふだんの)対決モードでズバズバ切って捨てていたのだけど、2日目、3日目、4日目と進むうちに、とってもやわらかい感じに変わっていったのだ。表情もやわらかくなり、周りの人たちにも気軽に声をかけるようになり、いることを楽しむモードに変わっていった。バラトンって、竜宮城なもかも。(^^;
4日目の夜は、バンケット(晩餐会)。ふだんはTシャツにGパンのみんなも、このときばかりはネクタイやドレスを着て、ちょっぴりおしゃれに登場する。私はゆかたで登場。私を目にしたメンバーたちが、「おやまあ!」という表情でにっこり笑うと、合掌しながら頭を下げるので、おかしかった。つとめて観音様のマネをして穏やかな表情でにっこり笑い返す私。(^^;
アランやハンターといっしょに食べながら、「ねぇ、バラトン合宿を1週間じゃなくて、1年にしたらどうだろう? みんなそれぞれの国で一生懸命やっていて、ここへ来て、新しい情報や刺激、サポートを得て、また元気になって帰って行くのだけど、それはそれでいいけど、でも、本当に世界の各レベル、各国で、何どうやっていったら、望んでいる変化を作り出せるか、じっくり考え抜いているグループって、ないんじゃない? 日本も含め、世界中でよい事例や動きがあるのは事実だけど、でも全体としては、解決より悪化に向かっているとしたら、やっぱり何か足りないのだと思う」と私。「うーん、それはとても刺激的な考えだねー」とアランは考え込んでいた。
バンケットはアランの歌を交えながら、アワードセレモニーと進み、私は、エネルギーの世界的な専門家でバラトン・ベテランのヨーゲン・ノルガードから、「とてもよいプレゼンだった。来てよかった、と思った」というお褒めの言葉と一緒に、詩集をいただく。あ、そうだ、サインをしてもらえばよかった。。。
アワードの最後は、恒例のBalaton Group Member Of The Year。その1年にもっとも顕著な貢献・活動をしたメンバーに、デニスから特別の盾が贈られるのだけど、びっくりしたことに、今年の受賞者は私だった。いやー、そんなに貢献していないんだけどなー、と思いつつ、ありがたくいただく。光栄なことである。
夜の7時に始まったバンケットは11時ごろお開きとなったけど、あと2時間ぐらいおしゃべり・歌・ビールの夜であった。(^^;
今日はがんばって朝早く起きて、翻訳のつづきをやる。ほぼ予定通り進んだ。朝食後、後発のバスで移動するメンバーにバイバイして、空港へ。もうじきフランクフルトへ出発。そのあと、つづいて成田へ。
いつもながら学んだことももちろんたくさんあるけど、アランやジリアンたちと、いろいろなおしゃべりをしている中で、自分の活動について考え直したり、新しいアイディアが浮かんだりする時間が何よりも貴重。
今年が26年目のバラトングループも、世の中の変化とグループメンバーの変化に伴い、移行期に入っている。いまのままの合宿は、資金的にももう続けられないという状況で、合宿の間にも、何度も公式にまた非公式にどうしていくべきかの話をしていた。自分の慣れ親しんだ(私にとっては6回だけど)カタチでなくなっていくとしても、その変化自体を楽しもう、それに値する仲間たちだもの。