昨日講演と、ヘレナさんへのインタビュー(学びがあり楽しかった。今後もつながりそう)の仕事を終えてオフィスに戻ったら、机の上に『もし宮中晩餐会に招かれたら-至高のマナー学』という本が載っていた。
宮中晩餐会ではないのだけど、天皇皇后両陛下をお迎えしてスペイン国王王妃両陛下が催される晩餐会にお呼ばれしているのである。
スペイン大使館から連絡をいただいたとき、どうして私にお声掛けをいただいたのかなあ?と不思議に思いつつ、「どんな世界だか見てみたいなー。何事も経験、経験」とお招きにあずかることにしたのであった。でもそのあと困ってしまった。「何を着ていけばいいんだろ???」
友達の結婚式の披露宴に着ていくようなものはあっても、第一級の正装は持っていないのはもちろん、どういうものだかも見当がつかない。うーん。(と考えても出てくるものでもないし)
私がとっても幸せなのは、いつも困った事態になる手前で、その問題を鮮やかに解決してくれる人が現れてくれることである(だから、本当に困った、ということはあまりない、というメデタイ人間なのだ)。
今回もいつもいろいろお世話になっているスタイリストさんがプロの縫製者といっしょに現れてくれたのであった。女性の第一級の正装は、床までありそうなロングドレスで、袖ナシのローブ・デコルテだとのこと(ローブ・デコルテって初めて聞いた〜)。
私に似合いそうなパターンをいくつか持ってきてくれていて、その中でもお薦めと言われたシンプルなドレスを、これもお薦めしてくれたシルバーの布で作ってもらうことにする。てきぱきと採寸してもらい、私がぼーっとしている間に(こういう場面ではまったく機能しない私、、、)、スタッフと靴やアクセサリー、バッグの相談・手配もしてくれている。当日もドレスを持って来てくれて、お知り合いの美容室で着付けをしてくれて、そのあとのメイクも手配して下さっているとのこと。私はじっとおとなしくお人形さんしていればいい。本当にありがたいことである!
数日前に、仮縫いがあった。あっという間に作って下さった素敵なドレスを試着。私じゃないみたい。(^^;
スタッフにお披露目に行ったら歓声が上がった。共布でジャケットも作って下さっていて、公爵夫人みたいである(会ったことはないけど)。
「歩くときは3割ぐらいいつもより大きな歩幅でね」と言われてびっくり。しずしず歩くのかと思ったら、ドレスは闊歩?したほうが姿勢も伸びてかっこがよいらしい。「後ろにバックしてはだめですよ。裾を踏みますからね」。「後ろに下がりたいときは回れ右をして歩くんですね」と言いつつ、思わず後ずさって裾を踏んづけて転びそうになる。(^^;
で、晩餐会のマナーも少しは知っておいたほうがよいでしょう、というスタッフのはからいで、冒頭の本が私の机に載っていたわけである。帰りの電車でざーっと読んだら「楽しむことがいちばん」と書いてあったのでほっとする。それは任せて!(^^;
そうそう、昨日ビル・クリントンさんから署名入りのお手紙が届いた(正確には、この手紙を郵送しますが、先に内容を知らせます、というpdf付きのメールだ)。クリントン前米大統領は、退任後もとても積極的に環境問題などに取り組んでいることで知られている。クリントン・グローバル・イニシアティブという取り組みを世界中で進めているのだけど、香港でそのアジア会議をするとのこと、そのパネル・ディスカションに出てくれませんか?というご招待だった。
私の個人アドレス宛に来ていたので、だれか私の活動を知っている人が推薦してくれたのだろう。とても光栄なことである。残念ながらその日程は講演の予定が入っていて、お受けすることができないのだけど、きっとまた今後何かつながりができそうな気がする。何だか最近、出会いと広がりと面白さが加速している!
そういえば、ローブ・デコルテは「借りてもいいんですけどね、それもけっこう費用がかかるので、もう1回着る機会があるとしたら作ったほうがいいでしょう」というアドバイスで作ってもらうことにした。だれかそのうち、第一級正装の晩餐会に呼んでくれませんか〜?(^^;