PCのハードディスクがどうも故障してしまったようなので、町田のヨドバシカメラに持っていった。
店先では軽いノリでにぎやかな売り子さんたちが大声を出している。故障したハードディスクを抱えてきたお客にはちょっとツライ軽さである。
パソコン売り場に行っても、状況は同じ。明るく元気な若者たちが陽気に迎えてくれる。「ハードディスクの故障を見てほしいんですけど」というと、「はーい、修理はこちらでーす」と元気よく隅っこの一角に連れていくと、「ヨロシク!」とそのコーナーの担当者に高らかに声をかけて、明るく売り場に戻っていった。
修理コーナーの担当者も同じ年代の若い人だったけど、落ち着いた雰囲気を身にまとった人だった。彼のまわりには厳粛な空気が流れ、お店のガーガーうるさい宣伝の音量も消えてしまうほどだった。
「どうなさいましたか?」と彼。「こういうメッセージが出て、アクセスできないんです」と渡したハードディスクを、チェック用のノートPCにつないで、私のような超素人にも脅威を与えない、丁寧でわかりやすい説明をしてくれながら、いろいろと試してくれる。
が、どうも無理そうなのである。ときどきファイル名が見えるのに、アクセスができないのだ。そのお兄さんはずっと落ち着いたようすで、さまざまに試してくれる。
「これだけやってもらっても駄目だとしたら、駄目ですよね……」と私が言うと、「万一と思うのでしたら、こういうところに修理を依頼してみることもできます。ただ、通常のやり方では無理そうなので、特殊なソフトを使うなどして、かなり高くつくと思います。それでも、回復できるかどうか、やってみないとわからないと思います」。
私は丁重にお礼をいうと、壊れたハードディスクを受け取った。これだけ丁寧に見てもらえたら、これまでがんばってきたこのハードディスクも報われる、成仏できる、と思った。
売り場に戻って、新しいハードディスクを買い、陽気な売り子さんに送られて、店を出た。不思議な世界だなー、あそこは。でもあの隅っこの修理コーナーにあのお兄さんがいる、と思うと、また何か起こったらここに来ちゃうだろうな、と思うのだった。
以前に、やはりPCトラブルで、そのとき翻訳中だったファイルを失って、とーってもタイヘンな思いをした学習効果から、1週間ごとにバックアップをとっていたので、今回は1週間分のロスですんだ。大きなファイル作業もしていなかったし、やれやれ。
翌朝、新しいハードディスクにバックアップデータのコピーを始めた。ありゃ、160分もかかるって。
もちろん、並行して作業もできるけど、そうするとコピー速度がガクンと落ちてしまうので、あきらめて、その間、走りに出かけた。幸い、雨も降っていないし、日も照っていないし。
多摩川まで3キロ、多摩川沿いを10キロ、帰りは2.5キロ走る。なぜ帰り500メートル少ないかというと、最後はずーっと上り坂で、さすがにきつくて歩いたからだ。
歩いて坂を上がっていたら、向こうから坂を下りてくる人がいる。見たことあるような気がする、、、とよーく見たら、実家の母だった。
愛想良くニコニコと近づいていったのに、母ときたら、全然気がつかない。ぶつかるぐらい近くなって、やっと「あら、アンタだったの」。そしてひと言、「大学生かと思った」。たしかにTシャツにハーフパンツって格好だったけどさ、実の娘にゴマすってどうすんねん!(^^;
コピーは終わっていた。メールも使えるようになった。でもまだ不安定なんだよなー、何か不安だな〜。