山田玲司さんのマンガ「絶望に効くクスリ」に登場させてもらった田中優さん、エモリサン、私とヤマダサンの4人は年に何回か飲み会をやっている。うち1〜2回は、ロフトのステージ上。ビール飲みながら2時間でも3時間でも話をするのを、ビールを飲みながら会場の方々が聞いて笑って考えて……という時間。
今回、これを福山でやりたい!という熱い思いのオチアイサンのおかげで実現した。オチアイサン、地元のみなさん、ありがとうございました〜! 優さんは原発事故以来、日本中を飛び回っていて超忙しいのだけど、それでも日程をあわせて一緒に1泊してくれた。
優さんは講演先から直行とのことで、東京からはエモリサン、ヤマダサン、私の3人で新幹線にて向かう。主催者の「到着前にできあがっているのではないか」という心配をよそに、3人はまじめにコーヒーやお茶を飲みながら、3時間半ほどおしゃべり。
福山駅からはレトロなボンネットバス(私と同じぐらいの年齢!)に会場まで連れて行ってもらう。雨だけど、会場には若い人たちを中心にたくさんの方がきてくれている。
最初は私が1時間ほどお話させてもらい、その後、4人のトーク。いつものようにヤマダサンがコーディネータになってくれて、4人がそれぞれの持ち味を活かしてトーク。お互い気心が知れているので、話しやすい。あっという間に1時間半を超え、閉会ぎりぎりまでトークを展開。みなさんにも楽しんでもらえたようで、よかった!
夜は宿にて懇親会。宿は坂本龍馬ゆかりの「いろは」。とっても落ち着くよい雰囲気のお宿だ。地元で活動している方々のお話を聞いたり、おいしいお料理をいただきながら、あっという間に夜は更けていった。
本当は翌朝はエモリサンと走ろうね、と約束してランの準備をしてきたのだけど、あいにくの台風で見送り。豪華な朝ごはんをいただいて、福山駅へ。優さんは私たちが起きる前に次の講演先に向かった。6月はなんと39回も講演があるんだって! 体を壊さないでね、優さん。
ここからまた3時間半ほど、500mlの缶ビールを片手に(朝っぱらからねぇ。^^;)、3人でおしゃべり。
最近やっていること、考えていること、これからやっていきたいこと、生まれて最初の記憶などなど、つまりは雑談。といっても、思索に富んだ雑談。だから楽しかったんだね。飽きなくて。哲学の小径を新幹線でぶっとばしている感じだったよ。(^^;
私たちが話すときは、だいたい「ダウンロード」モードで話す。「こう聞かれたら、こう答える」「これについてはこういう内容をこういうふうに話す」などなど、すてに自分の中にあるものを「ダウンロード」してそのまま出す。
講演はもちろん、だいたいの取材対応も、雑談も、そういうモードなのだろうと思う。相手にとっては新しい話でも、自分にとっては「すでにあるもの」を出しているだけ。だからラクだけど、自分は特に何も得るものはない。
講演後の質疑応答のうち、「想定外」の質問や、台本のないパネルディスカション、少数の取材は、ダウンロードではなく、その場で考えたり、発見したり、つなげたり、という作業を要する。これはダウンローディングでは対応できない。脳細胞の出番である。だから、パネルって好きなんだよね。
エモリサンとヤマダサンとの合計7時間もの雑談がとても心地よくて楽しかったのはなぜかな〜、と考えていて、「ダウンローディングでない雑談だったからだ」と思い至った。
「そうかー、それは面白いね-、そんなふうに考えたことなかった」「うーん、なんでだろう……?」「もしかして、こういうこと?」「今思ったんだけど」といった感じ。お客さんがいるときはお互いダウンローディングでてきぱきと答えていくけど、その必要もなく、ゆるゆると沈思したり、浮かんできたことを口に出したり、気になったところを尋ねてみたり。本当に「いま・ここ」である。
もともとの志向性が似ているから、いろいろな前提や現状も共有しているから、説明もいらず、考えたり感じたり思ったり、に浸れるんだね。そんなことを何の防御もせずに共有できる仲間って、本当に貴重でありたいことであるよ。そして「ダウンローディングでなく話せる関係性」、これからの1つのmyテーマになりそうだ。
追伸:山田玲司さんのブログにも、われらが「哲学の小径・新幹線版」の話が書いてあることを発見。ヤマダサンにとっても楽しかったんだね!(^^;