ホテルからバスで2時間弱、ハイキングの入口に到着。はるか彼方に見える山の上の方に小さく白く見えているのが、今から訪れる僧院です。15世紀の終わりに建てられたそうで、伝説により Tiger' Nest と呼ばれています。
けっこうな急斜面を上っていきます。トレイルはよく整備されているので歩きやすく、ときどき看板も立っています。
「日焼け止めがいりますよ」とガイドさんから注意されただけあって、日差しは強く、暑いほどです。朝は寒かったので着込んできており、玉ねぎのように(?)フリース、セーターと脱ぎながら上っていきます。
旅行客はあまり見かけませんでしたが、ブータンの人々も子ども連れでたくさん上っていました。みなさん、にっこりととても柔らかな恥ずかしそうな笑顔を向けてくれます。あまりに素敵だったので、お願いして写真を撮らせてもらいました。
登り始めて2時間弱、こちら側の山の高台まで来ました。あちら側の断崖絶壁に張りつくように建っているのが目的地の僧院ですが、その間は深ーい谷が。
まずは下っていきます。かなり急です。800段の階段を経て、到着とのこと。
僧院内は撮影禁止だったので、写真はありませんが、この断崖絶壁に9つも僧院が建っていて、多くの僧が修行をされているそうです。伝説の主が瞑想をしたという洞窟も見せてもらいましたが、想像を絶する精神力の厳しさを感じました。
そのあと、また800段の階段を下って上って、こちら側の山に戻り、対岸に僧院が見えるすばらしい眺望の休憩所でお昼ご飯をいただきました。
こちらのご飯は赤米が多く、日本のお漬け物のように毎食必ず出てくるエマ・ダツィ(唐辛子をチーズで煮込んだものでこの上なく辛い)を添えて食べるようです(が、私にはとても食べられる辛さではないので、遠慮しています~)。
すばらしい眺望と、ぽかぽかと背中を温めてくれるお日様、あちこちに平和そうな犬たちがごろごろと横になっていて、目の前の木では何種類ものかわいい小鳥たちが飛び回っています。リスも枝を走っています。「まるで天国のランチだねー」と。
一休みした後、ふもとまではひたすら下り坂です。登りでは息が切れてしまうので、「瞑想ウォークだね」と無言で歩いていましたが、下りはおしゃべりも弾みます。
歩くペースもおしゃべりも気があって、一緒に上り下りした"旅の連れ"は、米国で気候変動とエネルギーに関わるさまざまなコミュニケーションキャンペーンや企業との連携などを進めてきた人で、私のやっていることや考えともとても重なるので、話が弾みました。彼女がいま提案中のプロジェクトが実現したら、私も日本から一緒にやるから、と戦略会議?も。またブータンに来る機会ができるかもしれません。
夕方5時半すぎにホテルに戻り、汗とホコリを流してさっぱりしたところで、14人で町に食べに出ました。こちらで人気の「モモ」(チベット風餃子)です。牛肉入りとチーズ入りがあって、蒸し餃子か揚げ餃子で出てきます。そしてもちろんブータンのビールも!
とっても辛いチリソースか、お子様用?のケチャップで食べます。お醤油を持ってくればよかった~!(^^;
とてもおいしく、オーダーを繰り返しながら、賑やかな夜となりました。ハイキングやこういう席で、ざっくばらんに話ができ、議論の土台としての互いへの信頼感が築けるので、本会議前にこういう時間をとることはとても大切なんだなあ、と思いました。