月夜の美しいある晩、2匹のカエルが散歩に出かけました。ところが、はしゃいでとび跳ねているうち、誤ってミルク壷に落ちてしまったのです。
2匹は必死に壷から出ようとピョンピョンもがきましたが、なにせ壷が深い上、壷の内側はツルツルで、足場にもなりません。
1匹のカエルは「どんなにやったって、どうせ無駄さ」とピョンピョンするのをやめてしまいました。そして、沈んでいきました。
もう1匹は「なにくそ! 最後まであきらめないぞ」と何度も気が遠くなるなか、必死にもがきつづけていました。すると不思議なことに、気づくとカエルは固い地面の上に立っていたのでした。ミルクをあまりにかき回したので、ミルクが固まってバターになっていたのです。
そこでそのカエルは、難なくミルク壷から跳び出して、家に帰りましたとさ。
今年の夏休みは新しいテーマで本を書いてます。自分で集めたり集めてもらった300本以上の論文や書籍、論考、記事などの海の中、ぶくぶく沈んでいかないよう、ピョンピョン必死でかき回しているところです! おいしいバターができますように。