ピークオイル(産油量がピークに達し、減少局面に入るタイミング)がすでに来たのか、これからなのか、議論があるようですが、いずれにしても、石油をはじめとする化石燃料の価格は上昇基調が続くことになります。
(都度の価格は市場をめぐる状況や投資の動きなどで変動しますが、化石燃料は枯渇エネルギーです。需要が増え続ける世界では、需給のバランスから長期的に価格は上がっていくでしょう)
すでにその影響は、日本の「エネルギーのための対外支払い」が大きく増えていることにも現れています。
そして、国全体だけの話ではありません。
この表からわかるように、人口約2500人の村ですら、年に7億円ものお金がエネルギー代金として、地域の外へ(日本の外へ)と出ていきます。先ほどのグラフとあわせて、もし化石燃料の価格が上昇を続けるとしたら? 今のままのエネルギー構造では、どれほどのお金が必要になるのでしょうか? 人口も税収も減っていく地域で、そのお金をまかなうことができるのでしょうか? その過程で、どのような犠牲を払う必要があるのでしょうか?
この2つのデータは、JST社会技術研究開発センター・領域統括で東京農工大学名誉教授、龍谷大学政策学部教授の堀尾正靱先生からお借りしました。
この村の近くでは、ユーラスエナジーが風力発電を行っており、固定価格買取制度が導入されたので、そこの風車は7億円ぐらい稼ぎ出す予定だそうです。
同じ7億円ですが、2つの未来の分岐点に立っているように思いませんか?