ホーム > データを読む > GDPが大きくなっても、貧困問題は解決していない

データを読む

25

GDPが大きくなっても、貧困問題は解決していない

社会
2014年09月28日 作成
GDPが大きくなっても、貧困問題は解決していない
このコーナーの07では、「先進国30ヶ国中、貧困率が4番目に高い日本」という情報をお届けしました。「日本は豊かな国だから貧困とは無縁」と思っている方にはショックなデータだったのではないでしょうか。

07で使われている貧困率は、先進国の貧困を論じる際によく使われる「相対的貧困率」です。これは、国民の所得の中央値(所得の低い額から順番に並べたときにちょうど真ん中の額)の半分未満の所得しかない人々の割合を示します。

参考)キーワード解説:貧困率
http://ishes.org/keywords/2013/kwd_id001080.html

さて今回は、この相対的貧困率とGDPの推移をグラフに表しました。1985年と2009年とを比べると、相対的貧困率は12%から16%へと上昇していることが分かります。GDPは1985年から1991年にかけて拡大し、その後は停滞しています

両者の関係はどうでしょうか? まず全体的な傾向を把握するために、グラフの始まりと終わり、つまり1985年と2009年の数値だけを比較すると、相対的貧困率もGDPも上昇しています。ただし、その間の期間については「GDPも相対的貧困率も上昇している」時期もあれば、「GDPは増えていないけれども、相対的貧困率は上昇している」時期、また短いですが「GDPも相対的貧困率も減っている」時期もあることがわかります。

このように、相対的貧困率とGDPとの関係は少し複雑です。ただ、よく考えられているような「GDPが成長すれば、貧困は減少する」という関係になっていないことは明らかです。

メールマガジン(不定期・無料)環境メールニュース 登録/解除はこちら
 

このページの先頭へ

このページの先頭へ