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2021年10月31日に行われた衆議院選挙の投票率は、55.93%と戦後3番目に低い水準でした(11月1日総務省発表)。この数字は、他の国と比べても低いのでしょうか?
米国のピュー研究所(Pew Research Center)が発表した2016年から2020年に行われた各国の国政選挙の投票率のデータ(図1)によると、有権者人口における投票率が最も高いのはトルコの88.97%、続いてスウェーデンの82.08%、オーストラリアの80.79%が続きます。
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このうち、トルコとオーストラリアは、法律によって投票に行くことが義務づけられています(グラフで国名の横に※を付したのが、法律によって投票が義務づけられている国です)。法律による義務がない国の中では、トップはスウェーデンの82.08%、2番目は韓国の77.92%、3番目はイスラエルの77.90%です。
日本の55.9%%という数字は、グラフの36カ国中では下から7番目です。G7諸国で一番低い米国の55.72%と0.21ポイント差と僅差でした。このように日本の投票率は国際的にも低いことがわかります。
投票率を上げるためには、多くの人が政治や社会問題に関心を持つことはもちろん、「社会は自分たちで変えることができる」という実感も持てる社会にすることも重要です。「投票率を上げる」ことは最終目的ではなく、多くの人の意見が反映された社会を作るための手段です。長期的な視点で、投票行動につながる働きかけを行うことが必要でしょう。
新津 尚子
参考資料
In past elections, U.S. trailed most developed countries in voter turnout
「農業が温暖化を解決するとは? リジェネラティブな農業とは?」