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オバマ大統領、気候変動に関する新たな大統領令を発令

2013年11月26日
オバマ大統領、気候変動に関する新たな大統領令を発令

Image by Austen Hufford. Some rights reserved.

http://www.flickr.com/photos/austenhufford/7216871184/

海外の環境ニュースサイトなどで、「COP19、日本は削減目標ではなく増加目標を宣言!」などと書かれていますね。「2020年に05年比3.8%削減」=「90年比3.1%増加」なのですよね。

以前は「日本よりも取り組みの遅れている」イメージの強かった米国では、ここ数年、政府でも企業・産業界でも、積極的な取り組みが広がっています。全体的に、日本の遅れ(動かないようす)が目立ってきているような気がします。今月初めに掲載されていた記事を1つご紹介します。

~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~

オバマ大統領、気候変動に関する新たな大統領令を発令

意識の高いビジネスリーダー向けのニューメディア、トリプル・パンディット(Triple Pundit)が2013年11月4日に、米国の新たな大統領令についての記事を載せている。

ハリケーン「サンディ」の上陸からちょうど1年を迎えた日の数日後、オバマ大統領は新たな大統領令を発令した。

これは米国人に、活動や計画の中に気候変動に対する認識を組み込むよう促すためのもので、オバマ大統領はこの中で「気候変動の影響――長期にわたる極度の高温の増加やより激しい豪雨、より厳しい干ばつ、永久凍土融解、海洋の酸性化、海面上昇など――は、すでに地域社会や自然資源、生態系、経済、人々の健康に打撃を与えつつある」と明確に述べている。

これを踏まえて、オバマ大統領は地方自治体や企業、個人に「気候に対する備えとレジリアンス(回復力)を高め、自分たちの経済、社会基盤、環境、自然資源を守ることに手を貸し、政府行政機関の継続的な運営、サービス、プログラムに備える」よう呼びかけている。

大統領令には以下の行動が挙げられている。

○国防総省、米国海洋大気庁、環境保護庁をはじめとする政府機関は、資源と水域を保護する計画を作成する

○すべての機関は、気候変動のリスクとそれに対して提言できる対策を一覧表にする

○地方自治体、NGO、民間部門間の協力を広げるための、オープンデータの枠組などの資源を構築する

この大統領令の目的は、政府のあらゆる計画や活動が、気候変動を当然考慮に入れていることを徹底することだ。例えば、道路や橋、洪水管理計画はすべて、温暖化が引き起こす可能性のある、考えられうる限りの不測の事態を組み込んだものでなければならない。

この大統領令は環境団体からは温かい歓迎を受けている。グリーン・フォー・オール(Green For All)代表のフェイドラ・エリス=ラムキンスは、「一年前のサンディによって私たちは、気候変動が引き起こす異常気象の破壊性に対して自分たちがどれほど脆弱であるか思い知らされた。

そして今日、この国を導いて嵐を生き残る準備に向かわせるオバマ大統領に拍手を送る。気候変動はすべての人々を脅かすが、等しく脅かすわけではないということを今回の大統領令は認めている。社会、経済、社会基盤の面での安定性が、洪水やハリケーンに対するその地域の脆弱性を決定付ける重要な要因なのだ。そうした資源の最も少ない地域は、異常気象に対する備えにせよ、生き残りや回復にせよ最も苦労することになる」と言っている。

今回の大統領令は、迫りくる気候変動に立ち向かうためのまた一歩小さな、けれども重要な歩みである。


原文はこちらです:
http://www.triplepundit.com/2013/11/obama-issues-new-executive-order-climate-change/


~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~


日本でも、異常気象によって伊豆大島などあちこちで大きな被害が出ていますが、それを「温暖化が進行すると、こういう災害が増えてしまうから、地域や自治体レベルだけではなく、国として、どう備えをするかを長期的視野でしっかり考えよう」という教訓として受けとめているようすは伝ってきません。

今日CO2排出をゼロにしても、今後数十年は、これまでに出してしまった温室効果ガスの影響で、温暖化は進行してしまいます。これ以上進行しないよう、いかに排出量を減らしていくかという「緩和策」を進めつつ、進行してしまう温暖化への備えとしての「適応策」をもっと本気で急いで進めなくては、と思います。

 

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