「グリーンピース、エレクトロニクス企業の環境責任を評価、ランク付けを発表」「WWF、持続可能なパーム油の利用に関する企業の成績表を発表」......。日本ではあまりありませんが、欧米のNGOは企業の行動を変えさせようと、「ランキングや成績表に企業名を載せる」キャンペーンを展開することがあります。
これまで、企業はいつもNGOに評価されたり、ランキングの順位をつけられる側でした。
「逆に、企業がNGOを評価したら?」
このたび、企業の環境への取り組みを支援しているグリーンビズの呼びかけで、200社(うち75%は売上10億ドル以上の大企業)の環境CSR担当者が30の大手NGOを評価し、その結果を発表しました。
http://www.greenbiz.com/research/report/2014/02/18/greenbiz-ngo-report
ゆくゆくは1位から並べたランキングを考えているとのことですが、今回は、30の大手NGOを「影響力」「活動の質の高さ」「効果性」の観点から評価し、「信頼されているパートナーとしてのNGO」「役に立つ枠組みやサービスを企業に提供してくれるNGO」「ブランドに課題のあるNGO」「招かざるNGO」の4つのグループに分類しています。
企業との長期的なパートナーシップと多くの成功事例を有する、企業に優しく、効果的に活動を展開しているNGOで、今回は3団体のみでした。
企業パートナーにとって役に立つプログラムやサービスを創り出してきた、効果的に活動を展開しているNGOで、今回は11団体がここに分類されました。
効果的に活動を行っているもののそれほど影響力のないNGOで、今回は以下の6団体でした。
あまりよく知られていない、またはパートナーというよりも批判者と見られていたのは次の10のNGOでした。
今回の調査結果は、単なるグループ分けだけではなく、企業とのコラボレーションを考える上でもとても役に立つヒントをNGOに提供してくれています。
「企業がNGOと協働したい課題」として、大企業でも中小企業でも、上位に位置づけられたのは、「気候変動」「地域社会のエンゲージメント」「エネルギー(再エネと省エネの両方)」でした。また、回答企業の多くは、「NGOと長期的なパートナーシップを組んで協働したい」と答えました。「NGOとは協働しない」と答えた企業は4%しかありませんでした。
NGOの「企業名を公表する」形のキャンペーンについては、半分近い回答者が「役にも立たず、害もない」と回答。20%は「自社が方針を変えなくてはと思う上で、非常に効果的だった」と答えています。「キャンペーンは自社にとって害があった」は5%でした。
報告書の最後に掲載されている、「企業とのコラボレーションに向けての企業からNGOへの6つのアドバイス」も、大変参考になります。
日本ではまだ、欧米のように「多くの企業がさまざまなNGOと協働して問題解決を進めている」という状況ではありませんが、企業とNGOとの協働事例も各地で増えつつあります。企業とNGOは、立場は違っても(立場が違うからこそ!)協働することで、補強し合い、刺激し合い、視野や考え方を広げ、より効果的な働きかけを行って、問題解決を進めていけるのだと思います。
「NGOはコワイ」「NGOってよくわからない」という方も多いでしょうけど、今回の「企業のNGO評価レポート」、企業からNGOへのラブレターみたいに感じるのは私だけでしょうか?