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「働き方改革」は、「学び方改革」があってこそ機能する

2016年11月20日
「働き方改革」は、「学び方改革」があってこそ機能する

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少し前の新聞に「2015年度に、全国で約7万2千人の小中学生が1年で計90日以上欠席の不登校」だったという記事がありました。海外の仲間の中には、米国でもインドネシアでも他の国でも、「うちの子は、ホームスクールで勉強しているよ」という人がけっこういます。「ホームスクール」とは、学校に通学せず、家庭に拠点を置いて学習を行うことです。「教育は学校ですべきもの」と多くの人が無意識のうちに思っていますが、働き方だけでなく、学び方も改革していくべき時代ではないでしょうか。

朝日新聞の記事では、不登校の受け入れの例として、「アバター」という生徒の分身が通うインターネット上の仮想学校を紹介していました。不登校の小中学生は、教室にログインし、自分の分身を通して、"教室"での授業に参加するとのこと。

現在の日本では、そういう方法を工夫して不登校を受け入れなくてはならないという現状に悲しい思いをしました。

他方、私の参加しているバラトングループには、子どもを学校に通わせずに、親が教えたり、地域でグループを作って共同で教え合ったりしているメンバーがけっこういます。そういうメンバーが集まって「ホームスクーリング・グループ」をつくって、教材や教え方などの情報交換をしているほどです。

この「ホームスクール」は、米国では法的に問題ありません。合法ですから、たくさんの家庭が安心して、子どもを学校にやらず、家庭や地域で教育しています。その支援をする民間団体や草の根ネットワークがあちこちにあり、ホームスクール用の教科書や参考書も多数出版されており、そういったものを専門に販売する業者もたくさんあります。主な大学のほとんどがホームスクール出身者の入学を受け入れているそうです。

ホームスクールでの教育を選ぶ主な理由は、「学校から遠い」「宗教・思想的な理由で学校での学習内容に満足できない」などのほか、「そのほうが子供により良い教育を受けさせられるから」というものも多いと聞きました。

「学校教育は学校で受けるべきでしょ!」というのが、これまでの、そして多くの人の考え方でした。

たしかに、日本の文部科学省では、学校教育法の規定により、「義務教育を家庭で行うことを認めていない」としています。ですから、日本国内で「うちはホームスクールで教育しますから、学校には通学させません」というと、学校教育法に抵触することになります。

目的は何なのだろう?と思います。

目的は「子どもを学校に行かせること」ではなく、「子どもによい教育を受けさせ、次の社会を創り出し、支えられる人を育てること」ではないのでしょうか? AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などによって、働き方や人間の役割・有用性が激変する時代になっているにもかかわらず、とにかく「学校教育とは全員がそろって受けるものだ」「とにかく学校に行かなくてはならない」という、前世紀のメンタルモデル(思い込み)に縛られていては、個々人の幸せも、社会としてのレジリエンス(しなやかな強さ)もおぼつかないでしょう。

決まった就業時間に全員がそろって仕事をするのではなく、もっとしなやかでもっと多様な働き方が必要だし、そのほうが効率的・効果的だと「働き方改革」が進んでいるように、もっとしなやかでもっと多様な学び方が必要ではないでしょうか。

クルマの両輪のように、「学び方改革」も進めていかない限り、本当の意味での「働き方改革」は実現しないと思うのです。

みなさんはどう思われますか?

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~

この記事を書くにあたって、バラトングループのMLに「日本であまり知られていないホームスクールを伝えたいのだけど、米国では合法だよね? 他国ではどう?」と投稿したところ、米国のメンバーから(ヨーロッパはまだ夜中ですね。^^;)、「米国では合法だよ!」という返事と追加情報が入ってきています。

「米国では150万人の子どもがホームスクールで学んでいる、という数字があるよ」「自分の子どももホームスクールで学習させたわよ」「知り合いもホームスクールで子どもを教えていて、海外出張に連れて行っては、世界中で勉強させているよ」「一般的に、ホームスクールで学んでいる子どもたちは優秀と言われている」「州によって違うけど、ホームスクールにする場合でも、地元の学校に行って教材を受け取ることができます。ホームスクールの子どもたちも、決められた全国テストは受けることになっています」「ホームスクールをしている親は、教科によっては(物理など)、自分で教えるのではなく、チューター(家庭教師)に依頼する場合もあるよ」「ホームスクール用のオンラインコースも数え切れないほどあるから、どんどんやりやすくなっているよ」

「みんなそろって同じことを同じように学ぶ学校」というセッティングが合っている子どもだけではありません。そうではないセッティングのほうが学べる、力が発揮できる子どもたちもいます。そういう子どもたちのやる気と学力を伸ばす方法が、もっといろいろ用意されていたらいいのに!と思います。

いつの日か、日本でも「昔は、全員が学校に行って、教室に同じ向きで座って、同じ授業を受けて、興味があってもなくても、決められた同じことを、同じペースで勉強していたんだって」「へぇ~、それじゃ子どもも大変だっただろうね。創造性もやる気も育たなかっただろうね」という時代が来るのでしょうか?

 

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