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このままでは世界の野生生物の数は2020年までに1970年から3分の2減少~「Living Planet Report 2016」より

2016年12月29日
このままでは世界の野生生物の数は2020年までに1970年から3分の2減少~「Living Planet Report 2016」より

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少し前に、グローバル・フットプリント・ネットワークから、 WWFと2年ごとにだしている「Living Planet Report」の最新版「Living Planet Report 2016」が発行されたというニュースが届きました。どんなことがわかったのでしょうか? 最新版の案内文を日本語にしてお届けします。

なお、「Living Planet Report 2014」については、WWFジャパンが要約版の日本語版を作成してくれています。

http://www.wwf.or.jp/activities/lib/lpr/WWF_LPRsm_2014j.pdf

以下、最新版の案内文を日本語にしてお届けします。

なお、世界各国の状況はこちらから見ることができます。
ここにある地図から日本をクリックすると、日本の情報もわかります。

また、こちらから、日本を選び(日本語もあります)、暮らしについての質問に答えていくと、自分のエコロジカルフットプリントがわかります。

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~

地球の能力を超えた人間の需要が続くと、世界の野生生物の数は2020年までに3分の2減少

米国 カリフォルニア州 オークランド市発:WWFが発表した「生きている地球レポート 2016」によると、人間による生態系資源の過剰利用が直接の原因で、野生の脊椎動物個体数は、1970年から2020年までの50年間で67パーセント減少するだろうと科学者は予測している。

レポートの中で種の存続に対する最大の脅威として挙げられている、野生生物の生息地の消失、劣化、過剰な利用などは人間の活動と直接結びついている。

グローバル・フットプリント・ネットワークによると、地球はたった1個であるにもかかわらず、人間は現在、物やサービスへの需要を満たすために地球が提供しうる資源の1.6倍を消費しているのである。

グローバル・フットプリント・ネットワークは、「資源消費の根本的な原動力がこのまま続くなら、地球の生態系に対する人間の需要の拡大は2020年までに生態系の再生能力を約75パーセント上回るところまでいく」と予測する。グローバル・フットプリント・ネットワークとWWFは共同で、2000年から2年毎に「生きている地球レポート」を発表している。

「このながれを変えるには、技術、社会の構造基盤、行動面での相当な方針転換が必要だ」とグローバル・フットプリント・ネットワーク共同創設者であり事務局長であるマチス・ワッカーナゲルは言う。「幸運なことに、私たちは自分たちが何をしなければならないか分かっている。そしてそのために必要な技術はすでにある。あとは、ただひとつ、この方向に進もうという社会全体の意志が必要なだけなのだ」

2020年までの世界のエコロジカル・フットプリント予想(以下からイラストをご覧下さい)
http://www.footprintnetwork.org/en/index.php/GFN/page/living_planet_report_2016

「いかに足し算しようと、帳尻は合わない。地球の限界を超えている状態を続ければ続けるほど、自分たちの未来を損なうことになる。健全な森、川、海を構成するものは生物多様性なのだ。種が減少すれば、そこから生み出される生態系サービスや、それらが提供する清浄な空気、水、食料、気候サービスが失われることになる」と国際WWFの事務局長マルコ・ランベルチーニは言う。

WWFレポートでは、ロンドン動物学協会による「生きている地球指数(LivingPlanet Index)」を用いて野生生物の個体数の変化を観測しているが、それによると、1970年から直近データのある2012年までで、魚類、鳥類、哺乳動物、両生類、爬虫類の個体数は、地球全体ですでに58パーセント減少している。このままいくと、1970年から2020年までの50年間で3分の2減少する可能性がある。

「人間の行動が世界中で野生生物の個体数を減少させつづけている。特に、淡水生物の生息地への影響が大きい」と語るのはロンドン動物協会の科学部門担当部長、ケン・ノリス教授だ。

レポートによると、人口増加による食料需要は争奪戦をもたらしつつあり、野生生物の生息地の破壊、過剰利用を招いている。現在、地球の全陸地の約3分の1が農地であり、水利用の70パーセントが農業用水である。

地球全体の自然への需要に関して、すべての国が同等に加担しているわけではない。高所得国の国民一人あたりのエコロジカル・フットプリントは中程度所得の国のそれのほぼ3倍、低所得国の約6倍なのだ。

2012年度のデータによると、高所得国、中所得国ではフットプリントの構成要因の半分以上を炭素排出が占めるが、低所得国においてはバイオマスを基本とする構成要因(耕作地、牧草地、森林、漁場への需要)が依然としてフットプリントの最大の割合を占めている。

高所得、中所得、低所得国のエコロジカル・フットプリント(以下からイラストをご覧下さい)
http://www.footprintnetwork.org/en/index.php/GFN/page/living_planet_report_2016
また、消費パターンも国によって異なっており、エコロジカル・フットプリントが比較可能な国どうしの間であってもそうである。中国とアルゼンチンを例にとってみると、国レベルでの環境への圧力は双方ほぼ同程度であるが、その消費活動は大きく異なっている。アルゼンチンでは、食肉の消費レベルが高く、食料がエコロジカル・フットプリントに占める割合は半分強だ。他方中国では、住宅関連の消費がエコロジカル・フットプリントの大きな部分を占めている。暖房を大きく化石燃料に依存しているためだ。

消費活動によるエコロジカル・フットプリントの内訳 (以下からイラストをご覧下さい)http://www.footprintnetwork.org/en/index.php/GFN/page/living_planet_report_2016

2020年に向かってとるべき道

幸いなことに、2020年は大きな前進が期待される年でもある。パリ協定のもとでの誓約内容がスタートする。そして新しい国連持続可能な開発計画の下での最初の環境行動が同じ年に予定されている。パリ協定で設定された目標を達成しようとするなら、炭素排出を2050年までにゼロになるよう段階的に減らしていく必要がある。

「カーボンフリー経済へ移行するにはこれまでとは違った新しい暮らし方をしなければならない。この新しいライフスタイルには、新しい仕事を生み出す革新的な技術を採り入れ、享受し、公正で豊かな将来を創り上げていくといった多くの恩恵が期待できる」とワッカーナゲルは書いている。

「生きている地球レポート2016」は、将来世代の持続可能性へのニーズに応えるために、世界の経済と財政システムがどのような根本的に転換すべきかに焦点を当てている。また、世界の人々が持続可能なやり方で十分に食べていけるよう、食料生産、消費のやり方をいかに変えていくべきかといった解決策についても簡明に示している。

マダガスカルでのマングローブ林の復元から米国でのダム撤去まで、世界のあちこちの実例を挙げながら、このレポートは、私たちの生産、消費、成功の測り方、自然環境お尊重の仕方を再考すべきであることを示している。

追加資料:www.footprintnetwork.org/lpr

200カ国近くのエコロジカル・フットプリント詳細データ

レポート全文 (PDF): www.footprintnetwork.org/lpr16

レポート要約 (PDF): www.footprintnetwork.org/lpr16sum

個人のフットプリント計算機: www.footprintcalculator.org

インタラクティブ・フットプリント地図: www.footprintnetwork.org/maps

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~

このままでは、魚類、鳥類、哺乳動物、両生類、爬虫類の個体数が3分の2減ってしまう......

クリスマス・イブというのに、あまりうれしいプレゼントではありませんでしたね。。。

でも、未来世代に少しでも美しい地球と自然を手渡しできるように、現実と現状をしっかり見つめなくては!ですよね。

 

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