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「サーモン・ピンク」ってきれいな色ですよね? 先日北海道で、鮭の水揚げで有名な場所に行ったとき、「サケは白身魚なんですよ」と聞いて、びっくりしました。鮭の身はなぜあのようなきれいなピンク色なのでしょう?
サケの身のピンク色はアスタキサンチンというカロチノイド系色素によるものだそうです。これは、甲殻類などに多く含まれており、エビやカニの殻などのア赤色もこの色素の色だそうです。このアスタキサンチンは、サケのエサとなる甲殻類のプランクトン(アミ類など)にも含まれているので、サケがこのプランクトンを食べることで、アスタキサンチンがサケの体内に蓄積され、身がピンク色になるのだそうです。
その話を聞いたときに、職業病(?)でしょうか、「甲殻類プランクトンを食べてサケの身がピンクになるとしたら、マイクロプラスチックを食べたサケの身はどうなるのか?」と瞬間的に思ったのでした......。
私たちはサケを食べることで、甲殻類プランクトンに含まれているアスタキサンチンを体内に摂取しています(サケばっかり食べていたら、私たちの身もピンクになるのもしれません!)。海産物を食べることで、マイクロプラスチックが体内に入ってきていても不思議はありません。
この6月に出版された岩波ブックレット「プラスチック汚染とは何か」で紹介している英国の研究があります。
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2018年10月、衝撃的な研究結果が発表された。英国のブルネル大学とハル大学の研究者が、英国八カ所の沿岸で収集したムール貝や、それぞれ異なるチェーンに属する八軒のスーパーマーケットで購入したムール貝を調べたところ、そのすべてからマイクロプラスチックなどの破片が見つかったのだ。
ムール貝を100グラム食べるごとに、約70片のマイクロプラスチックを摂取することになるという。スーパーマーケットのムール貝については、生よりも調理済みや冷凍のものに多くのプラスチック片が見つかっている。この研究グループの研究者も「食品に関して、混入規制を設けているものがあるように、将来的にはマイクロプラスチックに対する規制も必要になってくるだろう」と述べている。
この研究で、ムール貝から見つかったプラスチック片を分析したところ、37%はレーヨン繊維などだった。研究者たちは「合成繊維も調べる必要がある」としている。
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9月1日発売の『ビッグイシュー日本版 VOL.366』では、創刊16周年記念特集として【プラスチック革命】を取り上げています。
ビッグイシューはご存じですか? ホームレスの人々がビッグイシュー販売者となってこの1冊350円の雑誌を売れば、半分以上の180円を収入とできる、というもので、ホームレスの人がビジネスパートナー、代理店主、自営業者となり、自分の生活を築いていくきっかけとすることができるという本当に大事な取り組みです。
https://www.bigissue.jp/
『ビッグイシュー日本版 VOL.366』の創刊16周年記念特集【プラスチック革命】で、私もインタビューしてもらった記事が掲載されています。
『ビッグイシュー日本版 VOL.366』の創刊16周年記念特集【プラスチック革命】の紹介ページから引用します。
https://www.bigissue.jp/backnumber/366/
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2050年、海の中のプラスチックの量は重さで魚の量を超える、との試算がある。
1950年頃からのバージンプラスチックの生産量は約83億トン、うちリサイクルされたのは1割弱。今も毎年900万トン以上が海に流れ着き、5mm以下のマイクロプラスチックとなって魚などの体内に取り込まれ、生態系の連鎖が始まっている。
ようやく各国が「使い捨てプラスチック使用禁止」に取り組み、欧州などではプラスチックごみを資源化、再循環させる「サーキュラー・エコノミー」への産業政策が加速している。
環境ジャーナリストの枝廣淳子さん(幸せ経済社会研究所)、徳島県上勝町でごみのリサイクル率8割以上を実現した「NPO法人 ゼロ・ウェイストアカデミー」の坂野晶さん、プラスチックごみを分子レベルに戻して再資源化する「日本環境設計」の岩元美智彦さんに取材した。
プラスチックごみの環境流出を防ぎ、再資源化する「サーキュラー・エコノミー」への動きに注目し、市民ができることを考えたい。
サーキュラー・エコノミーとは?
プラスチックの再資源化で「循環型経済」へ
枝廣 淳子さん
生産者と消費者の距離を縮め、循環の大きな「輪っか」を小さくする
坂野 晶さん
プラスチックは"地上資源" 半永久再利用への道ひらく
岩元 美智彦さん
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こちらのページから、販売場所を見ていただくことができますし、近くに販売員さんがいない場合は、サイトからも申し込めます。
https://www.bigissue.jp/backnumber/366/
さて、海洋プラスチック汚染は、私たちの暮らしから出ているレジ袋やペットボトルなどのほか、あまり知られていませんが、「漁網や漁具」も大きな原因となっています。「捨てられた漁具は、海洋にある大きめのプラスチックごみの約50%を占める」という研究もあるほどです。
合成繊維が登場する前は、漁網の原料には、麻糸、木綿、絹糸、藁などの天然繊維が用いられていたそうですが、今の漁網や漁具は耐久性があり軽量で使いやすい合成繊維、つまり、プラスチック製がほとんど。海に捨てても自然に還ったかつてと違って、波にさらわれたり海に投棄したりした漁網は、いつまでも海の中に残って、海洋生物にからみつくなどして、苦しめます(幽霊漁網と呼ばれます)。
漁網や漁具への取り組みが必須だと思っていたので、漁業のまち・気仙沼市から「気仙沼市海洋プラスチック対策推進会議」を立ち上げるので参加してほしいと依頼をいただいたとき、「ぜひ」とお返事しました。
対策推進会議の委員名簿、議論の内容などは、こちらにあります。
https://www.kesennuma.miyagi.jp/li/life/020/080/040/index.html
4回の議論を経て、9月6日に「海洋プラスチックごみ対策アクション宣言」が出されました。具体的な取組については、「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」として取りまとめられています。ご紹介します。
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「海と生きる」気仙沼
海洋プラスチックごみ対策アクション宣言
~海洋プラスチックごみゼロを目指して~
プラスチック製品は,利便性や経済性に優れ,レジ袋やペットボトルだけでなく,漁具,合成繊維の衣類,化粧品などに使用されるマイクロビーズなど,私たちの生活において広く使用されています。
一方で,プラスチックは環境中で分解されにくく,意図的な投棄によって,あるいは非意図的であっても不適切な処理や不十分な管理によって,海洋に流出し,生態系を含む海洋環境に大きな影響を与えており,地球規模での問題となっています。
こうした海洋プラスチックごみによる海洋汚染の問題は,水産資源や漁業など本市の基幹産業への直接的な影響だけでなく,消費者の安心・安全の確保,観光やレジャー,海岸域の居住環境への影響,船舶航行への障害なども懸念されており,産業基盤や生活基盤を脅かす非常に重要な問題であります。
G20大阪サミットでは,海洋プラスチックごみ問題も主要テーマの1つとして取り上げられ,共通の世界ビジョンとして,「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を共有しました。
漁業とともに歩み,発展し,「海と生きる」を標榜する気仙沼市は,この問題にいち早く取り組み,海洋プラスチックごみ対策の先進地として全国に取組を広げていく責任があります。
このため,各主体が連携協働し,「アクションプラン」を定め,沿岸域でのプラスチックごみの徹底した回収と処理,陸上でのプラスチックごみの削減と流出抑制,プラスチックを利用する人の意識啓発などに責任を持って取り組むことで,海洋に流出するプラスチックごみゼロを目指すことをここに宣言します。
2019年9月4日
気仙沼市海洋プラスチック対策推進会議
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アクションプランはこちらにあります。
https://www.kesennuma.miyagi.jp/sec/s028/020/010/010/040/050/actionplan_kettei.pdf
以下、取組の一例として紹介されています。
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○海中ごみの回収
漁業者が操業中に回収したごみや意図せずに船上に引き上げたごみについて、陸上への持ち帰りを一層推進するため、市の責任において、ごみの処理を行います。
○海ごみ回収ステーション
漁業者やボランティア等による海中ごみ、漂着ごみの回収を推進するため、漁港等に海ごみ回収ステーションを設置します。
○使用済み漁具の集団回収
漁業者の方が使用して不要になった漁具については、農業分野で行われている集団回収を参考にし、漁業者が処分しやすい仕組みを構築します。
○オリジナルエコバッグ
その他、レジ袋を削減するため、機能性やデザインに優れたオリジナルのエコバッグなども作成します。
○市の会議等
市役所においては、会議等でペットボトル飲料の提供をやめ、缶やカートカンなどペットボトルに代わるもので提供する取組を先行して実施しています。
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漁業のまち・海と生きるまち・気仙沼だからこそ、使用済み漁具の集団回収や海中ごみの回収など、ほかのモデルとなるような取り組みを期待しています!