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「コロナウイルスに負けないために大事な5つのこと」の1つとして、「ポジティブな気分でいよう」と言っていますが、言うまでもなく、それは「油断する」ということではありません。
「コロナウイルスに負けないために大事な5つのこと」
(1) Stay Healthy(体力・免疫力を保とう)
(2) Stay Positive(ポジティブな気分でいよう)
(3) Stay Connected(つながりを保とう)
(4) Stay Thankful(感謝の気持ちを忘れずに)
(5) Stay Focused(大事なことは考え続けよう)
https://www.es-inc.jp/insight/2020/ist_id010284.html
しばらく前から東京の状況を大変心配しているのですが、ますます心配になってきています。「油断はしないで!」という思いで、このメールニュースを書いています。
昨日3月31日の日経新聞の記事より。
~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~
3月9~11日には6~17人だったニューヨークの感染者は、12日に43人、13日に59人と増え、14日には115人と100人を超えた。その2日後に1千人、5日後に2千人、10日後には4千人を突破する形で、爆発的に感染者が急増した。
一方の東京都。23、24日は10人台にとどまっていたが、25~27日は3日連続で40人以上となり、28日は63人、29日には68人に増加。2週間遅れでニューヨークをなぞるように曲線を描いている。
~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~
今朝、そのニューヨークの病院で働いていらっしゃるお医者さんが現場の状況を伝えてくれているメールを受け取りました。私たちが思っている以上に大変な状況が東京を襲うかもしれない......。
少しでもその可能性を減らせるように、少しでも軽度の大変さですむように、ひとりひとり気をつけましょう。絶望したり悲観したりする必要はないけれど、ポジティブであっても油断はしないこと。
私たちの行動が鍵を握っています。自分がかからないだけでなく、知らない間に他の人に広げてしまわないよう、まわりの方にも油断しないように、どうぞお伝えください。
【転送、歓迎】とあるので、ひとりでも多くの方に知っていただきたく、引用させていただきます。(メールでの読みやすさのため、改行を入れています)
~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~
米国ニューヨークの病院の現場で働くコルビン麻衣さんが3月29日にFacebookに投稿した文章を引用してお知らせします。ぜひ、一読をおすすめします。
コルビン麻衣さんは、アルバートアインシュタイン医科大学助教授、モンテフィオーレ病院集中治療専門医です。【転送、歓迎】
------------以下、引用----------
Mai Colvin
3月29日 9:30
下に日本語あります。
Edited to add: I wrote this post in Japanese but it looks like it was automatically translated to English by FB and posted in English on my English speaking friends' page... I will post an English version soon since the translation is a bit off...
中国やイタリアの病院からのリポートや映像を見るたびに、近い将来私が集中治療医として勤務するこの病院も悲惨な状況になるのではないかと頭の片隅では予測していた。そうならないでほしいと願ってはいたけどいつかはここにも来ることはわかっていた。心の準備はしていたつもりだけど、甘かった。
ニューヨークの医療現場は崩壊寸前の状態にある。うちの病院でもここ2週間でコロナの患者数があれよあれよと言う間に1人だったのから50人、200人、500人と増え、病棟のベッドもICUのベッドも全然足りなくなった。
病院のいたるところにベッドを増やしても増やしてもコロナの患者数は増え続ける一方で追いつかない。うちの病院にはもともとICUが4つあるがどれもコロナの患者で一杯だ。新しいICUも3つ作られた。それでも足りない。
ERは酸素を必要とする人や人工呼吸器を必要とする人でごった返しているが、人工呼吸器が底をつくのももう時間の問題になってきた。実際に知り合いの働くブロンクスのある病院は数日前に人工呼吸器がすでに底をついた。腎臓不全になる患者も多く、透析装置も足りなくなってきたので腹膜透析に切り替えをはじめた。病院で人工呼吸器や透析装置が底をつくというのは普段ではあり得ない状況である。
今自分の目の前に2人今すぐ人工呼吸器を必要としている患者がいるとする。でも病院にもう一つだけしか人工呼吸器が残っていなかったら?集中治療医としてその決断を迫られた時どうやってその最後の一人を選べというのか。
ERや病棟で10人も20人もの患者がICUのベッドが空くのを待っている状態において一つだけICUのベッドが空いた時どうやってその1人の患者を選べばいいのか。
大袈裟な話でもなんでもなく数日後には直面するであろうシナリオだ。
実際に昨日ミーティングが開かれてこの問題を同僚と話し合った。
自分達の経験や患者の状態を元に、また海外からのリポートを元に一番生き残る可能性が高い人を選ぶことになるのだが、年齢と基礎疾患だけで片付けられる簡単な決断ではない。
コロナ、コロナでないに関係なく集中治療医として死を目の当たりにすることは日常茶飯事である。 ICUに入っても当然助かる患者ばかりではないので、患者さんの家族と患者さんの意思を尊重した終末期ケアや緩和ケアの話をすることも慣れている。でも普段なら人工呼吸器さえあれば助けられるであろう患者を助けられないこの状況において医師として家族になんて言葉をかければいいのか。
もう今となっては街中の誰が感染していてもおかしくない状態なのでこの近辺ではどこの病院も家族との面会も見舞客も許可していない。唯一1人との面会が許されるのは患者が"actively dying"の時のみ。患者が数時間で確実に亡くなるであろうと医師が判断した時のみ家族1人との面会が許可される。それも5分のみ。病院で患者は孤独にこのウイルスとたたかっている。
私の同僚や看護師も何人もコロナにかかった。私の担当するICUにもうちの病院の医師と看護師が人工呼吸器を装着されて生き延びようとたたかっている。ニュースではお年寄りや基礎疾患のある人のリスクが報道されているが、若くして基礎疾患がなくて亡くなる人をここ2週間で何人もみた。病棟に入院して突然死する患者もいる。
中国やイタリアの医師とカンファレンスコールをして意見交換したりしているが、まだこのウイルスについてわかってないことも山ほどあるのが現状だ。
毎日休み返上で働いてもコロナの患者は増える一方でもう終わりなき戦いに思えきて白旗をあげたくなる。まだニューヨークでピークに達するまで2-3週間かかるといわれているが、その頃にはこの病院がどうなっているか想像するだけで恐ろしい。自分がかからない保証などどこにもなく自分がウイルスを病院から家に持ち込んで家族にうつしてしまうことが正直一番怖い。
ニューヨークで今月の頭にはほんの数人だった感染者数がいまでは52000人以上になった。ニューヨークの今後も心配だが日本の様子をニュースで見るたびに日本のことも心配になる。
ニューヨーカーの多くもここまでひどくなることを予測してなかったと思う。コロナにかかって亡くなった人の中で"自分は大丈夫だろう"と思っていた人も多いと思う。中国やイタリアの様子をテレビで見ても遠く離れた場所のことに感じていたいた人もいると思う。
自分または自分の家族や友達が重症化してから、今更人混みにでたことを、自分の行動を変えなかったことを後悔してももう手遅れだ。自分は無症状かもしれない。でも自分の知らないうちに、自分よりハイリスクの大勢の人にうつしている可能性は十分ある。
日本には先月、今月で海外から帰ってきた人も大勢いる。日本にすごい2回目の波がきても、全然不思議じゃないしむしろ来ない方が不思議だ。
ニューヨークもつい2週間前まではみんなリラックスムードだった。1週間前に外出禁止令がでてもまだ沢山の人が外出していた。今となってはさすがにみんな家にこもっているが、手のつけなれない状況になってしまってからそうしてももう遅い。
病院は地獄絵のようで、他の街がこんな悲惨な経験をしなくていいように心から願うが、気を抜いたら東京もこうなりかねない。外出自粛で家にばかりいて暇なことも、特に子供達にストレスがたまることもよくわかる。でももうしばらく辛抱してほしい。
振り返って大袈裟だったね、と笑える日が来たらそんな幸せなことはない。今この状況になったからこそ気づかされることが沢山ある。家族や友達と会ってお喋りしたりハグしたり街に買い物に行ったり公園に行ったり、気軽にそうできることって幸せなこと。生きているってそれだけで本当に幸せなこと。
早く子供達にいつもみたいにハグやキスできる日が来ることを祈って.....
(Please feel free to share)
~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~
ずいぶん前になりますが、『カサンドラのジレンマ―地球の危機、希望の歌―』という本を翻訳出版しました。
ギリシャ神話でトロイの滅亡を予言した王女カサンドラ。カサンドラは未来を予言する力を授かっていましたが、同時に、「その予言を誰も信じない」という呪いもかけられていました。滅亡を予言して注意を喚起しようとしたのに、だれにも聞いてもらえず、予言通りトロイは滅亡してしまったのでした......。
「カサンドラのジレンマ」とは、いくら警告してもみんなにわかってもらえない。そして、思ったとおりの悲劇を目の当たりにして、救えなかった自分に忸怩たる思いを抱くことになるか、あるいは警告が聞き入れられ、対策がとられた結果、「おまえの予言ははずれたじゃないか」と責められ、信用を失うか、というジレンマです。
「あとから考えると、心配しすぎでしたね」と怒られたり、笑えたりする日が来ることを、心の底から祈っています。
そして、私たちが今日からどういう行動をとるかが未来を変えることを忘れずに。
Stay safe!