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つながりを読む

「好循環のまちづくり!」~上勝町と美瑛町の取り組み

2021年08月15日
「好循環のまちづくり!」~上勝町と美瑛町の取り組み

自分が行ってきたまちづくりのお手伝いのプロセス、コツ、事例をまとめてこの春に出版した岩波新書「好循環のまちづくり!」、多くの方に読んでいただいているようで、うれしく思っています。

『好循環のまちづくり!』 枝廣淳子・著(岩波新書)

ボストンコンサルティングを経て、総務大臣補佐官として、Society5.0の戦略策定と地方の活性化に尽力され、現在は市民がテクノロジーによって社会課題を解決することを後押しするCode for Japan理事などを務められている太田直樹さんが、ご自身のフェイスブックで本書をご紹介くださいました! ご快諾を得て、ご紹介させていただきます。

https://www.facebook.com/naoki.ota.9/posts/3471596452941050


~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~

【感想】『好循環のまちづくり』枝廣淳子

多くの地域で時間切れになりつつあるまちづくりについて、絆創膏を貼ったり、外科手術的なやりかたではなく、身体の根本から変えるようなやり方であるシステム思考を中心に、実践に基づいたとてもわかりやすい「3つのステップ」で解き明かす、素晴らしい一冊だと思います。

著者が深く関わっている、海士町や下川町、南小国町のような人口数千人のまちでは、3つのステップを踏んでいくイメージが具体的に湧いてくると思います。そして、人口10万を超える市でも、合意形成の工夫をすれば道が拓けることが、富山市の森市長の事例などから見えてきます。

本書の前編と位置付けられる『地元経済を創りなおす』と合わせて読むことをお勧めしますが、前著に比べて現場に近い本書の冒頭と最後が、個人的には余韻として残りました。
・冒頭には"二極化が進みつつある"とあります。
・最後には"「民意を上げる」ことが今後のまちづくりの鍵"とあります。

これは、いわゆる有識者が知ったかぶりに言う話ではなくて、著者が前線に身を投じて経験した話です。それを思うとき、3つのステップを紐解いた第2章から第4章の次にくる、第5章の「プロセスから生まれるもの」がとても味わい深く、苦い味も含めて心に残ります。

3つのステップはとても分かりやすいので、スピード感をもって進めることも可能でしょう。ただ、本当の要諦は、プロセスから生まれる信頼関係とチームであり、多くの場合、世代交代を伴っています。少し時間はかかるかもしれませんが、「遠くまで行きたければ、みんなで行け(アフリカのことわざ)」なのだと思います


~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~


この本は、どの地域でも自分たちでまちの未来を描き、そのビジョンに向かって進んでいってほしい!という思いで書きました。

ひきつづきお手伝いをさせていただいている徳島県上勝町と北海道美瑛町のようすをご紹介したいと思います。


◎上勝町
まずは、本書の中でプロセスの途中まで紹介させてもらった上勝町、その後も、着々と進んでいます。上勝町のウェブサイトからご紹介します。それぞれのワークショップの概要をイラスト(グラフィック・レコーディング)でも見ていただけます!

<2019年度>

2030年における上勝町共有ビジョン(ありたい姿)を策定しました
http://www.kamikatsu.jp/docs/2020032700028/

(1)上勝町では、2020年度から町の最上位計画である「活性化振興計画(総合計画)」の策定を進める予定です。次期計画には、国内外の新たな社会潮流である「持続可能な開発目標(SDGs)」を取り入れ、より良いまちを築いていくための取組みをさらに進展させていく考えです。(※補足説明1:持続可能な開発目標(SDGs)と上勝町の関係性)

(2)また、計画策定に当たっては、目の前の課題解決だけの視点でまちづくりを進めるだけではなく、これから生まれてくる未来世代のことや本町を取り巻く社会情勢の変化などを予測しつつ、将来像となる本町の「ありたい姿」を描き、そこから現時点を振り返り、長期的、複眼的な視点でまちづくりを進めていく必要があります。

(3)こうした考えのもと、町では、「2030年の上勝町の共有ビジョン(ありたい姿)(以下、「共有ビジョン」という。)を描き、共有ビジョンを踏まえた、「活性化振興計画(総合計画)」などを策定し具現化のための事業を位置付け、この実現に向け、起業者との協力や企業連携による取組みを進めていく考えです。

(4)このため、上勝町SDGs推進委員会を新設し、町民委員(9人)と役場委員(6人)と外部有識者を招致し、「共有ビジョン」の策定を進めてきました。今般、意見募集(パブリックコメント)手続きを経て、共有ビジョンを取りまとめしましたので公表いたします。

2030年における上勝町共有ビジョン(ありたい姿)を策定しました[PDF:1.82MB]
http://www.kamikatsu.jp/docs/2020032700028/file_contents/vision.pdf

委員会では、来場者の皆様が会議の内容を共有できるよう、また、わかりやすく振り返っていただけるよう、さらに、ご来場いただけなかった方へ、会議の様子を鮮やかにお伝えできるよう、グラフィックレコーディングの手法を取り入れました。

※グラフィックレコーディングとは・・・会議や講演などでの議論を、壁などに貼り出された大きな紙に、文字やイラストを使って記録する方法のこと

SDGs推進委員会 グラフィックレコーディング[PDF:6.42MB]
http://www.kamikatsu.jp/docs/2020032700028/file_contents/graphic1.pdf

また、令和2年2月3日から2月28日の間に実施した「上勝町共有ビジョン(ありたい姿)案」への意見募集で寄せられた意見内容及び回答についても、併せて公表します。

意見募集(パブリックコメント)による意見内容及び回答[PDF:1.05MB]
http://www.kamikatsu.jp/docs/2020032700028/file_contents/public1.pdf


<2020年度>

令和2年度 上勝町SDGs推進委員会 活動報告 ~上勝町共有ビジョン(ありたい姿)における指標案及び打ち手案の策定~
http://www.kamikatsu.jp/docs/2021032400017/

令和2年度の上勝町SDGs推進委員会は、令和元年度に策定した共有ビジョンに対して、その実現のための取り組みや施策などをみんなで出し、「進捗・変化を測るための指標」と「具体的な打ち手」について検討を行いました。

推進委員会では、枝廣淳子氏(イーズ代表)をファシリテーターとして、町民(8人)・役場職員(5人)からなる13人の推進委員により、上勝町の共有ビジョン実現に向けた指標・打ち手を策定すべく、推進委員会にて6回にわたり議論を重ねました。

上勝町共有ビジョン(ありたい姿)における指標案(令和2年度策定)...指標案(各共有ビジョン)[PDF:802KB]
http://www.kamikatsu.jp/docs/2021032400017/file_contents/shihyou_an.pdf
                                       

上勝町共有ビジョン(ありたい姿)における打ち手案(令和2年度策定)...打ち手案(各共有ビジョン)[PDF:1010KB]
http://www.kamikatsu.jp/docs/2021032400017/file_contents/uchite_an.pdf

第1回~第6回のグラフィックレコーディング
推進委員会では、来場者の皆様が会議の内容を共有できるよう、また、わかりやすく振り返っていただけるよう、さらに、ご来場いただけなかった方へ、会議の様子を鮮やかにお伝えできるよう、グラフィックレコーディングの手法を取り入れました。

※グラフィックレコーディングとは・・・会議や講演などでの議論を、壁などに貼り出された大きな紙に、文字やイラストを使って記録する方法のこと

○第1回(R2年11月2日):共有ビジョン1について、指標案と打ち手案を検討しました
第1回グラフィックレコーディング...第1回SDGs推進委員会グラフィックレコーディング[JPG:3.16MB]
http://www.kamikatsu.jp/docs/2021032400017/file_contents/1SDGs_graphic.jpg

○第2回(R2年11月27日):共有ビジョン2及び3について、指標案と打ち手案を検討しました
第2回グラフィックレコーディング...第2回SDGs推進委員会グラフィックレコーディング[JPG:3.04MB]
http://www.kamikatsu.jp/docs/2021032400017/file_contents/2SDGs_graphic.jpg

○第3回(R2年年12月21日):共有ビジョン4及び5について、指標案と打ち手案を検討しました
第3回グラフィックレコーディング...第3回SDGs推進委員会グラフィックレコーディング[JPG:2.71MB]
http://www.kamikatsu.jp/docs/2021032400017/file_contents/3SDGs_graphic.jpg

○第4回(R3年1月19日):共有ビジョン6及び7について、指標案と打ち手案を検討しました
第4回グラフィックレコーディング...第4回SDGs推進委員会グラフィックレコーディング[JPG:3.01MB]
http://www.kamikatsu.jp/docs/2021032400017/file_contents/4SDGs_graphic.jpg

○第5回(R3年2月2日):第1~4回までの議論の結果を統合し、指標案と打ち手案をまとめました
第5回グラフィックレコーディング...第5回SDGs推進委員会グラフィックレコーディングA[JPG:2.18MB]、第5回SDGs推進委員会グラフィックレコーディングB[JPG:1.71MB]
http://www.kamikatsu.jp/docs/2021032400017/file_contents/5SDGs_graphicA.jpg
http://www.kamikatsu.jp/docs/2021032400017/file_contents/5SDGs_graphicB.jpg

○第6回(R3年2月25日):指標と打ち手の最終案を再度検討し、仕上げた成果を町長へ手渡しました      
第6回グラフィックレコーディング...第6回SDGs推進委員会グラフィックレコーディング[JPG:2.16MB] 
http://www.kamikatsu.jp/docs/2021032400017/file_contents/6SDGs_graphic.jpg


これらのプロセスを経て、
上勝町SDGs未来都市計画(2021~2023)が策定されました
http://www.kamikatsu.jp/docs/2018082900017/

上勝町では、SDGs未来都市に選定された後、2030年の「あるべき姿」の実現に向けた優先的なゴール、ターゲット等へのブラッシュアップを行ったSDGs未来都市計画(2021~2023)を策定いたしました。(令和3年3月策定)

上勝町_SDGs未来都市計画(2021-2023)[PDF:1.62MB]
http://www.kamikatsu.jp/docs/2018082900017/file_contents/_SDGs2021-2023.pdf


<2021年度>

そして今年度はいよいよ、ビジョンの実現に向けてのスモールステップを踏んでいく年になります。

「広報かみかつ」4月号(13ページ)に出ているように、今年度のSDGs推進委員会のメンバーの募集があり、委員会がスタートしています。

http://www.kamikatsu.jp/docs/2021033100039/file_contents/kouhou202104.pdf


~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~

上勝町では、国内外の新たな社会潮流である「持続可能な開発目標(SDGs)」を町の施策にも 取り入れ、より良いまちを築いていくため、令和元年度より「SDGs推進委員会」を立ち上げました。  

令和元年度は、2030年の上勝町の「ありたい姿」として7つの共有ビジョンを策定しました。  令和2年度は、7つの共有ビジョンに対し、進捗・変化を図るための指標案および具体的な打ち手案の検討を行いました。  

今年度は、ビジョンに基づき、指標で進捗を確認しつつ、具体的な打ち手をプロジェクトとし て展開していくことに注力した「SDGs推進委員会」を開催したいと考えます。 具体的には、プロジェクトを実現していくために必要なスキル(クラウドファンディングなど)を身につ けつつ、各委員がお互いにサポートをしながら「プロジェクト」を進めていく内容としています。  


~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~


◎美瑛町

昨年度からまちのビジョンづくりのお手伝いが始まった北海道美瑛町。コロナ禍の制約で当初スケジュールよりもややゆっくりの進行となりましたが、こちらもしっかりと進んでいます。美瑛町のウェブサイトからご紹介します。

美瑛町共有ビジョン
https://town.biei.hokkaido.jp/administration/administration/sharedvision/


~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~

美瑛町共有ビジョン ~20年後の美瑛町のありたい姿を描いていきます~

皆さんは、今から20年後の2040年に美瑛町がどのようなまちになっていることを想像しますか?

美瑛町人口ビジョンでは、2040年に7,570人まで人口が減少し、さらに少子高齢化が進むと推測されています。

また、新型コロナウイルス感染症の社会への影響を踏まえ、アフターコロナ社会を見据えた新たな美瑛町のまちづくりを考えなければなりません。

令和2年11月から始まったワークショップでは、町民の皆さんと役場職員の混成チームにより、「美瑛町の好きなところ」「誇りに思うところ」「気になるところ」などを話し合いました。生まれた時から美瑛にいる方、就職を機に美瑛に定住した方、美瑛に移り住んだ方など、様々な立場の方が「美瑛の将来」について真剣に話し合っています。

本ワークショップでは、SDGsの視点や町民の意見を取り入れた専門的手法により、美瑛町のありたい姿を皆さんと描いていきます。

まちづくりワークショップ
新たなまちづくりの方向性と基本施策等を示すため「美瑛町共有ビジョン」の策定に向けたワークショップを開催しています。町民の皆さんと役場職員でチームを作り、20年後の美瑛町の未来を描いていきます。


~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~


ここには、各回の議事録、委員の皆さんがポストイットを貼ってつくられた模造紙なども載っています。

また、イーズのウェブサイトにある「共創日記」にアップされているものをご覧いただくと、ワークショップのようすや写真などを見ていただけます。
https://www.es-inc.jp/diary/index.html

美瑛町で共有ビジョンをつくるワークショップが進んでいます
https://www.es-inc.jp/diary/2021/dir_id010965.html

ビジョンに思いを~美瑛町で第5回ビジョン委員会開催~
https://www.es-inc.jp/diary/2021/dir_id011040.html

最終案を練り上げる!~美瑛町で第6回ビジョン委員会開催~
https://www.es-inc.jp/diary/2021/dir_id011068.html


コロナ禍でも、いや、これまでになかった感染症の拡大や異常気象による被害といった脅威が増大している今日だからこそ、しっかりと将来を見据え、まちの住民も事業者も行政も議会も、みんながよりどころにできる共有ビジョンをつくり、力をあわせて一歩でも二歩でも進んでいくことが大事!なのだと信じています。

 

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