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伊豆山災害復興支援 活動報告~7カ月の記録~

2022年03月01日
伊豆山災害復興支援 活動報告~7カ月の記録~

「熱海未来創造部・伊豆山災害支援チーム」 facebook グループ

https://www.facebook.com/groups/539592647069642

昨年7月3日に起こった熱海伊豆山土石流災害を受け、熱海を活動拠点としている自分として、地元の方々との支援チームでの取り組みに加え、このメールニュースをはじめ、いろいろなつながりを通じて、被災者・被災地へのご支援・ご協力をお願いさせていただきました。おかげさまで、さまざまな支援活動を続けることができています。

災害後しばらくは緊急車両が走り回っていた熱海の町も、いまは若者を中心とする観光客で賑わっています。でも、いまでも避難生活を続けておられる方、立ち入り禁止区域にあるため自宅に戻れない方もおられます。地区の生業や賑わいを取り戻すまでには、まだ年月が必要な状況で、私たちもフェーズを変えながら、支援を続けていきます。

世界に発信している幸せ研ニュースレターの2022年2月号は、「伊豆山災害復興支援 活動報告~7カ月の記録~」です。日本語の原稿をお届けします。


~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~


幸せ研ニュースレター 2022年2月号
「伊豆山災害復興支援 活動報告~7カ月の記録~」


2021年7月3日に発災した熱海伊豆山土砂災害により、お亡くなりになられました方々のご冥福をお祈りし、哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。

「伊豆山で土砂災害発生」という通知が携帯電話を振るわせ、サイレンを鳴らしながら緊急車両が行き来していたあの日から7カ月が経ちました。熱海は見たところ平穏な日常に戻ったかのようです。でも、被災地の復旧作業は今も続いています。地区のなりわいやにぎわいの復興・再生はこれからです。

熱海に拠点を置く未来創造部は、発災翌月に「伊豆山災害復興支援の会」を立ち上げ、被災地のニーズにあわせた支援を行ってきました。皆さまからお預かりした大切な支援金、募金、オンラインショップでお買い上げいただいた寄付金等すべて、「支援の会」としての専用口座で管理し、活動に使わせていただいています。心より御礼申し上げます。(2022年1月末時点、支援金残高1,687,162円)

今回はこれまで支援の会や未来創造部が行ってきた活動のご報告をさせていただきます。


○発災~フェイスブックグループの立ち上げ~情報交換会の開催

土砂災害の発災翌日、情報提供の場として「熱海未来創造部・伊豆山災害支援チーム」のフェイスブックグループを立ち上げました。熱海の現状をできる範囲で皆様に伝え、できるだけ細やかに今できる支援活動を行っていきたい。緊急支援に止まらず、中長期的に復旧・復興、地区の暮らしと経済とにぎわいを取り戻すための活動を皆様と一緒に進めていきたいという思いで運営を続けています。

発災直後は日に3回、市役所の支援物資保管庫を訪問し、物資の収集状況をこのフェイスブックグループやメルマガでお伝えしました。刻々と状況が変わる現場に対応し、支援品の提供を申し出てくださった皆様と、市役所の担当者をおつなぎしました。7月21日に市役所に民間運営の専用窓口が開設されたことに伴い、支援物資情報の発信は終了しました。

同時に、未来創造部では地域の方々と、被災地の現状やいま困っていること、支援活動について情報交換する場を設けました。災害直後は週2回、現在は相談案件があれば集まる形で会議を続けています。この情報交換会を通じて、被災した障害者の働く作業所の代替スペースの設置や、後述する応援リュックサックプロジェクトなどを実現することができました。


○伊豆山の子どもたちへの支援

発災から3週間後、夏休みに入るころ、伊豆山地区に住む約120名の子どもたちへ、全国各地から寄せられた応援グッズを詰めたリュックサックをプレゼントしました。株式会社伊豆おはなの河瀬愛実さんが発起人となり、「熱海 未来創造部・伊豆山災害支援チーム」につながりのある企業・団体様にご協力いただくことで実現したものです。

7月28日、市役所にて小中学校を統括する教育長へリュックサックを手渡し、園や学校を通じて子どもたちに届けられました。このリュックサックにはお友達と遊んだり、通常の生活を送ったりすることが難しい環境を強いられている子どもたちに少しでも元気になってほしい、見守っている大人たちがいることを知ってほしいという思いが込められています。

また、週末には、保護者が復興復旧作業に取り組まれている間、被災した子どもたちが静かに落ち着いてお友だちと過ごせる居場所を提供する活動が、認定NPO法人カタリバ様、公益社団法人シビックフォース様、NPO法人しずおか共育ネット様の支援で行われています。当初は被災者が避難していたホテルの空き室を使っていましたが、避難所閉鎖に伴い、9月からは未来創造部の運営するコワーキングスペースへと活動の場を移しました。

子どもたちは地域の方からいただいた野菜やお魚を材料に、地元のシェフが心を込めて作ってくれるおいしいお昼ご飯を食べ、ワッフル作りやピアノ教室などに参加したり、思い思いに遊んだり寝転がったり、ゆっくりのんびりした時間を過ごしています。12月にはクリスマス会も開催しました。なお、2022年1月からは、「支援の会」の支援金をもとに、軽食やクッキーづくりなどを提供しています。子どもたちがほっと一息ついて、笑顔になれる場を提供できたらと思っています。

さらに10月、急に気温が下がったことで、被災者から冬服が足りないとの声が寄せられました。特に子ども服の希望があったため、個別に団体様、個人支援者様からご提供いただき、週末集まる子どもたちや保護者の方にお持ち帰りいただくことができました。


○漁業支援、海の保全に向けた支援

今回の災害では漁業への被害(港のがれき、船や網の被害など)が大きく、地元の水産業界の復興にはまだまだ時間がかかる見込みです。少しでも地元の漁業再建、再開のお手伝いをしたいと、未来創造部ではオンラインショップ「海からの贈り物」のパートナー・宇田水産と協力して「伊豆山の漁業支援セット」(寄付金付き)を販売しました。限定100セットの支援セットは2週間で完売、現在は第2弾を販売しています。また、9月には伊勢海老漁が解禁され、同じく【食べて応援】プロジェクトを実施中です。
https://umikaranookurimono.stores.jp/

8月3日、熱海温泉ホテル旅館協同組合青年部 ・熱海商工会議所青年部主催で、熱海サンビーチの海岸および海面・海中のゴミ拾いが行われました。伊豆山の災害現場から流れてきた流木などを除去することで、サンビーチを観光客にも楽しんでいただける場所に戻したい、という思いからです。当初予定していた倍の100名以上が参加し、流木のほか、ザルを使って細かなゴミやプラスチックの破片などを集めました。未来創造部では作業艇に特製の網を設置し、海面および海中・海底のゴミの収集に協力しました。

9月15日には熱海温泉ホテル旅館協同組合青年部と共同で、熱海サンビーチの海底調査を実施しました。熱海・伊豆山の主要な産業は観光です。皆様に安心してビーチをお楽しみいただけるように今後も調査・整備に協力することで、地元経済を支える一助となりたいと考えています。


○イベントを通じて伝える取り組み

未来創造部1Fのマリンスクエアカフェを利用して、さまざまなチャリティイベントを開催してきました。7月に開催したチャリティ浜焼きでは募金箱を設置し、売り上げの一部を「支援の会」の活動資金とさせていただきました。緊急事態宣言が明けた10月からは有志によるチャリティライブを開催しています。演者の方へ投げ銭方式のフリーライブで音楽を楽しんでいただき、投げ銭の一部を寄付していただいています。

7月28日には発災当時の現場のようすから現在の熱海のようす、その後地元で支援の取り組みをしている方々と生まれたコラボレーション、災害を経験したからこそ皆さんに伝えたい教訓など、地元の情報交換会のメンバーにお話しいただく報告会を開催しました。

また、9月29日には「次の被災地になるまえに、準備しておくべきこと」と題し、熱海に関わってくれている支援団体の1つ、一般社団法人OPEN JAPAN の肥田浩さんをゲストにお迎えし、オンラインサロンを開催しました。発災後、どのようなタイミングで何が起こりうるのか、どのように対応するのが良いのか、そして、被災地になる前にやっておくべきことは何なのか? 自治体、事業者、住民それぞれで、そして連携して、どのように効果的に体制を整えておけばよいかなど、たくさんの質問をさせていただき、現場だからこそ見てきたことや感じることをお聞きしました。
https://mirai-sozo.work/topics/011070.html


○今後~被災地のなりわいやにぎわいづくりをめざして~

一般社団法人RCFが公募した大雨災害における復興支援団体サポートプログラム実行団体に、未来創造部の提案が採択され、2022年2月から2023年3月までの期間の活動に助成いただくことになりました。「災害を超えて、地区の生業とつながりと笑顔を取り戻す事業」と題し、伊豆山地区の漁業関係者、住民の副収入確保とコミュニティ再構築、精神サポートを実現する事業を展開していきます。
https://mirai-sozo.work/topics/011275.html

今後も引き続き、地域のニーズにきめ細かく寄り添いながら、中長期的に復旧・復興、地区の暮らしと経済とにぎわいを取り戻すための活動を、皆さまと一緒に進めてまいります。


~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~

まだまだ支援活動は続きますので、支援するよ!という方は、こちらにどうぞよろしくお願いします。ご支援いただいた由を info(@)mirai-sozo.work までお知らせいただけると助かります。※(@)を@に変更してお送り下さい。

銀行名:静岡銀行(金融機関コード:0149)
支店名:熱海支店(店番号:221)
口座種類:普通
口座番号:1035973
口座名義:伊豆山災害復興支援の会 代表 枝廣淳子


また、伊豆山支援の活動を含め、一緒に取り組んでくれるスタッフを募集中です。
https://mirai-sozo.work/topics/011240.html


最後に、関連する記事やオンデマンド配信をお伝えします。

【オンデマンド配信】9/29開催:第6回未来創造サロン 「次の被災地になるまえに、準備しておくべきこと」一般社団法人OPEN JAPAN 肥田浩さんをお迎えして 
https://mirai-sozo.work/topics/011148.html

約8割の企業が「災害支援の基準を設けていない」 ―企業の災害支援状況アンケート調査から―
https://mirai-sozo.work/topics/011139.html

 

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