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https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Windmills_in_northern_Uruguay_2.jpg
世界的な脱炭素の流れの中、ロシアとウクライナをめぐる状況がエネルギー情勢をさらに厳しいものにしています。
私たちは海外からの輸入に頼る化石エネルギーから、地消地産が可能な再生可能エネルギーへのシフトを加速していくしかありません。日本の再エネの取り組みはどうなのでしょうか? 世界では?
「データを読む」コーナーにアップされている「日本の再生可能エネルギーの取り組みは世界と比べて進んでいる?」をお届けします。
https://www.es-inc.jp/graphs/2022/grh_id011285.html
(図やグラフは上記ウェブサイトからご覧下さい)
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日本の再生可能エネルギーの取り組みは世界と比べて進んでいる?
○日本の再生可能エネルギーの取り組みは世界と比べて進んでいる?
日本の再生可能エネルギーの取り組みは、世界と比べると進んでいないという話を耳にします。「再生可能エネルギー先進国」と呼ばれる国々や、英国・米国と比べると、どのような状況なのか、データを見てみましょう。
図は、各国のエネルギー総消費量に対する再生可能エネルギーによる発電量を示したものです。100%を超えている国もありますが、これは発電量には輸出分や送電時のロスも含まれるためです。
(図)https://www.es-inc.jp/graphs/2022/grh_id011285.html
ウルグアイの電力消費量に対する再生可能エネルギーの発電量が134%と最も高いことがわかります。コスタリカ、ノルウェー、アイルランドも100%を上回っています。自国で消費する以上の電力を再生可能エネルギーで発電しているのですね! それに対して、日本は19.2%でした。
再生可能エネルギーの発電量の内訳はどうでしょう。
100%を上回る国は水力発電の割合が高い傾向があります。中でも、ノルウェーは水力発電の割合が99.5%を占めています。ウルグアイとデンマークなどでは風力発電に、アイスランドとコスタリカは地熱発電に力を入れていることがわかります。バイオマスに力を入れている国もありますね。日本では再生可能エネルギーというと、太陽光発電のイメージが強いですが、データを見ると、それぞれ国の特徴を生かしながら取り組んでいることがわかります。
また、各国の電力消費量には大きな違いがあります。人口や経済規模などが違うためです。表は、各国の2020年の総電力消費量と、1990年と比較した電力消費量の増減を表しています。この中で最も電力消費量が多い米国の4055.51Twhに対して、最も少ないコスタリカでは10.55Twhですから、国によって大きな差があることがわかります。
(グラフ) https://www.es-inc.jp/graphs/2022/grh_id011285.html
さらに、1990年に対しての2020年の消費電力量の増減をみると、英国は、1990年と比較して-0.88%、ドイツは+1.56%と、1990年のレベルに近い数字です。英国もドイツも2000年過ぎくらいまでは電力消費量は増えていましたが、近年は大きく減少しています。
電力消費量が大きい先進国では、再生可能エネルギーの導入を進めるとともに、全体として使う電力を減らしていくことが、再生可能エネルギーの割合を高める鍵となりそうです。日本も電力消費量は減りつつありますが、1990年と比較するとまだ+18.92%です。
それに対して、ウルグアイとコスタリカの電力消費量は1990年と比較して+200%程度、アイスランドでは+360%と、大きく増えています。人口と経済規模の拡大などがその背景にありますが、自国の再生可能エネルギーでまかなえる範囲での伸びになることを願っています。
こうしてデータをみていくと、一言で再生可能エネルギーと言っても、それぞれの国により状況はさまざまです。地域の特徴や強みをしっかりと活かした取り組みが必要であることがわかります。
(幸せ経済社会研究所 研究員 新津 尚子)
参考資料
IEA Countries and regions
https://www.iea.org/countries
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最後に1つ、お知らせです。
4月18日(月)18:30~20:30に開催される「幸せ研読書会」は、第120回となります。
https://www.ishes.org/news/2022/inws_id003032.html
プレイディみかこさんの『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』を読む
(書籍) https://www.ishes.org/links/2022/bks_id003025.html
2022年1月に『Humankind 希望の歴史』を課題書として取り上げた際に、「共感は良いこととされているが、逆に人の見方を狭くしてしまうという悪い面もある」という話から、「共感」についてディスカッションをしました。その際、「共感」と訳されることの多い「エンパシー」について詳しく書かれた本として、参加者の方から紹介いただいた本です。
世界的にも「共感経済」について語られることが増えており、コロナ禍で人と人との関係性が不安定になっている中、「共感」の重要性についてもよく言及されます。
しかし、そもそも「共感」とはどういうことなのか? 「同情」とどう違うのか?
日本語では「共感」と訳される「エンパシー」には少なくとも4種類ある? 「共感は能力だから訓練できる」ってどういうこと?
多様性の時代だからこそ、他者を理解することについてじっくりと考えてみたいと思います。その中で、本書の副題にある「アナーキック」の重要性がわかってきます。これが本書を読んで、私がいちばん勉強になったことです!
4月は出会いの季節。いろいろな方と出会う機会の多いこの時期だからこそ、「共感」や「他者を理解すること」、「自分が自分であること」について、ぜひ一緒に考えてみませんか。
詳細・お申し込みはこちらからご覧下さい。
https://www.ishes.org/links/2022/bks_id003025.html
(関連情報のご案内)
本書に出てくる映画「プリズン・サークル」、特別に4月1日から1週間限定でオンライン試聴できるそうです!
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