昨年11月に「ブルーカーボン・ネットワーク」を立ち上げ、熱海での活動を進めつつ、全国の活動をつなぐ取り組みを行ってきました。ブルーカーボンをわかりやすく解説した岩波ブックレットが刊行されます! ぜひご一読いただけたらうれしいです。
「ブルーカーボンとは何か: 温暖化を防ぐ「海の森」」 岩波ブックレット(638円)
<amazonの紹介文>
気候危機と海洋環境の危機、私たち人類が直面するこの二つの大きな危機の進行に歯止めをかける切り札として、世界的に熱い注目が集まるブルーカーボン。藻場などの「海の森」は陸上生態系の最大一〇倍ものCO2を吸収・貯留する。そのしくみや可能性、海の豊かさを守り育てることの大切さとその身近な取り組みなどを徹底解説。
このブックレットは、ブルーカーボン・ネットワークを設立するためのクラウドファンディングの返礼品でもあります。約束どおり出版できてよかった!とほっとしています。ご支援いただいた方々には順次お送りする予定ですので、しばらくお待ち下さい。
もう1つのうれしいニュースは、「ブルーカーボン・ネットワーク」のNPO法人の認証取得!です。
https://mirai-sozo.work/topics/012241.html
内閣府NPO法人ポータルサイト|ブルーカーボン・ネットワーク
https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/detail/022001559
法人化を機に、今後より一層、ブルーカーボンを通じた海の豊かさの実現、気候変動対策、全国・世界の取り組みとのネットワークづくりを進めていきます。これからもどうぞよろしくお願いします!
よろしければ、個人サポーター会員、賛助サポーター会員になっていただいて、一緒に活動を支えて下さい!
https://bluecarbon.jp/network.html
さて、未来創造部では熱海の海域で、ブルーカーボンの取り組みを進めています。藻場の再生と、藻場の調査手法の開発の2つの活動を行っています。実際にはどんな感じなのかな? 水中ドローンを使うと、どういうことができるのかな?とご興味を持っていただいた方々に、実際に体験いただけるプログラムを行っています。
「ブルーカーボンを知る」未来創造部レクチャー&体験プログラムl
体験時期
ご希望の日時をうかがって調整の上、実施します(天候による調整もあります)
所要時間
約2時間半
【1時間半の体験(海上)+1時間のレクチャ-&質疑応答(室内)】(最終スタート時間:14時)
催行人数
1回 5名~9名
(船や機器等の使用に関わる費用から、最低催行人数は5名様となります。4名様以下でも5名様分をお支払いいただくことで対応させていただきます)
料金
5,500円(税込)/人
ブルーカーボンや藻場の再生について知って、体感していただくプログラムです。
藻場の再生に取り組みたいけれど何から始めたらいいかと悩んでいる皆さん、ブルーカーボンに興味があるんだけど、なかなか実態をつかむ場がない、現場が見たい、企業や組織として何かできないかと考えてくださっている皆さん、ぜひご活用ください。
<本プログラムの特徴>
・作業艇で海上に出て、藻場の再生現場を船から見て、水中ドローン(ROV)など使用している機器類を操作・体験いただくことができます
・未来創造部の藻場再生までの道のりや現状を確認し、質疑応答でさらに詳しく知ることができます
・少人数制のため、お持ちの課題や疑問をその場でお尋ねいただくことができます
(ご参考)未来創造部のブルーカーボンプロジェクト
世界では、ブルーカーボンも含めて、さらに広がりを持った「ブルーエコノミー」がキーワードの1つとなりつつあります。先日、取材を受けた日本ビジネスプレス(JBpress)の記事がアップされていますので、よろしければご覧下さい。
市場拡大を続ける「サステナブル・ブルーエコノミー」
海洋の生態系に秘められた未知の可能性とは?
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71402
さて、ブルーカーボン・ネットワークのウェブサイト
https://bluecarbon.jp/
には、「日本・世界の取り組み」を紹介するコーナーがあります。
https://bluecarbon.jp/initiatives/
ここから、ブルーカーボン・ネットワークの賛助サポーター会員でもある日本製鉄の取り組みを紹介しましょう。
~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~
日本製鉄株式会社:「鉄」による藻場再生とカーボンニュートラルの同時実現を!~マリンバイオマス(海藻)の可能性への期待~
近年日本各地の海で藻場が消失する「磯焼け」が急速に広がり、魚介類の生息場だけでなく、産卵場所の減少も引き起こす大きな問題となっています。「磯焼け」の原因の一つは、森林伐採や護岸整備などにより、藻類の生育に必要な栄養分である鉄分が減少していることであると言われています。
鉄鋼メーカーの日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)では、鉄の製造時に副産物として発生する鉄鋼スラグを藻場再生に生かそうと、研究開発を推進。2004年から海での実証実験を重ね、鉄鋼スラグを腐植物質と混合した鉄分供給ユニットが藻場の再生、維持に効果があることを確認しました。
日本製鉄では更に、育てたマリンバイオマス(海藻)でCO2を吸収させ、炭化することで製鉄に利用できれば、自社のカーボンニュートラルを実現できると考えました。製鉄所は臨海にあるので、いわば「バイオマスの地産地消」です。2021年日鉄ケミカル&マテリアル、金属系材料研究開発センターと共同での研究開発を始めました。
海藻をカーボンニュートラル材として生産する研究は、世界でも例がないと言われています。3社の取り組みは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム/ブルーカーボン(海洋生態系による炭素貯留)追及を目指したサプライチェーン構築に係る技術開発」に採択され、国家的プロジェクトとしても注目されています。
藻場消失を目の当たりにし、海の豊かさを取り戻すことから始まった「鉄」の研究は今も続き、加えて、育てた海藻を炭化し、製鉄利用することでカーボンニュートラル化させるという新たな展開が進んでいます。炭素循環による海の生物多様性保全とカーボンニュートラルによる気候変動対策の同時実現に期待しています。
▼日本製鉄株式会社 ニュースリリース
マリンバイオマスの多角的製鉄利用に資する技術開発に着手
https://www.nipponsteel.com/news/20210525_050.html"
~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~
そして、もう1つ、熱海の取り組みの大先輩でもあり、いろいろ教えていただいたりしている三重県鳥羽市水産研究所の開発した「鳥羽工法」と、それを活用しての地元の取り組みを紹介します。
~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~
三重県:「鳥羽工法」を採用 海っ子の森による藻場再生の取り組み
https://bluecarbon.jp/initiatives/001380.html
三重県を拠点とする一般社団法人海っ子の森は、2010年から藻場の再生を中心にさまざまな活動を行っています。活動をはじめたきっかけは、藻場の消失です。代表理事の山下達已さんが久しぶりに地元の海に潜った際、藻場がなくなっていることに気づき、大きな衝撃を受けました。
藻場の再生は、天然の石にモルタルを塗って針金を張り付け、アラメやカジメなどの苗を固定する方法を取っています。まず大きくなるまで浅瀬で中間育成し、その後、海の中に植林しています。これは三重県鳥羽市水産研究所が開発した「鳥羽工法」と呼ばれる方法です。大きなテトラポットを設置するような方法と違い、自分たちの手で行えることが特徴です。
▼鳥羽工法とは(出典:一般社団法人海っ子の森ホームページ)
http://umikko-st.sakura.ne.jp/wp/wp-content/themes/umikko/tobakouhou.pdf
苗の中間育成や、生育調査、藻場管理などの活動は、漁師さん、ダイバーさん、地元のボランティアの方々など、いろいろな人の手を借りて行っていますが、高波で石ごと流される、食害や夏場の水温上昇で枯れてしまうなど苦労も多いそうです。
コロナの影響もあり、現在は海に潜る活動は控えているそうですが、子どもたちや市民の方と一緒に、海岸に漂着した海藻の観察や、海岸を清掃する活動を少人数で続けています。
新たな発見もありました。漂着した海藻を見て参加者から「こんなにたくさんの種類の海藻があるんだ!」という声があがったのです(三重の海には100種類以上の海藻があるそうです!)。この声から、それぞれの海藻の特徴を生かした肥料づくりの取り組みが始まっています。
肥料づくりには、海岸で収集した海藻を洗浄し、天日で乾燥させた後に、機械で粉砕する方法を採用しています。また海藻だけではなく、食卓から出た牡蠣の殻も粉砕して肥料にしています。海藻から作った肥料で安納芋を栽培して、芋掘りイベントを行うなど、海と陸をつなぐ活動もスタートしています。
子どもたちなど地元の方々と一緒に行う、「海」と「陸」をつなぐ持続可能な社会に向けた取り組み、さらなる発展を応援しています!
一般社団法人海っ子の森ウェブサイト
http://www.umikko.jp/
関連記事
三重県鳥羽市:鳥羽市水産研究所の「鳥羽工法」によるアラメ再生
https://bluecarbon.jp/initiatives/001281.html
~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~
これからも、リアルの現場での藻場再生・調査手法の開発と、情報収集・発信、ネットワークづくりを進めていきますので、よろしくお願いします。
最後にいくつかご案内です。お役に立てそうなものがあったらぜひご一緒に。
【幸せ研読書会】 9月27日(火) オンライン
『多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』
https://www.ishes.org/news/2022/inws_id003090.html
2021年6月に刊行された書籍で、さまざまな媒体で取り上げられて話題となっている1冊です。「多様な考え方を受け入れる認知的多様性(コグニティブ・ダイバーシティ)を手に入れて、思考を開放することで、失敗を未然に発見して、生産性を高める」——素敵ですね! どういうことか一緒に学び、考えてみませんか。
本書では、CIAからグローバル企業、登山家やダイエットなど、さまざまなテーマで、
多様性の必要性を掘り下げており、興味深く、いろいろなヒントが見つかることと思います。企業や団体の組織改革など仕事だけではなく、日常に多様性を取り入れることについても紹介されており、いろいろと考えさせられます。
全国各地で多様な活動をされている方が集まるこの読書会で、ぜひ「多様性」についてともに学び、深く議論しませんか。みなさんのご参加をお待ちしております。
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【TOC(変化の理論)ワークショップ】10月29日(土)~30日(日)@熱海
変化の担い手のためのスキルアップ講座「システム思考をベースに変化の理論をつくる」
https://mirai-sozo.work/topics/012231.html
社会を変えたい、組織を変えたい、地域や地球環境をなんとか変えたい、という思いに答えてくれる方法が「変化の理論(Theory of Change: TOC)」です。
「こうなったらいいな」「こういう組織や社会にしていきたい」という思いを抱いているだけでは何も変わりません。その思いやビジョンを、どうやって現実の変化につなげていったらいいのか。もちろん、このツールだけで変化が生まれ、ハッピーエンドとはなりません。でも、変化を生み出すための方法や道筋を計画し、ステークホルダーとともに考えていくためには、非常に役に立つ強力なツールです。
この「変化の理論」を学び、ご自身のプロジェクトにまで結びつける1.5日のワークショップを熱海で開催します。ぜひこの機会に「変えたい!」という思いをご自身の組織やプロジェクトを通じて、社会にとって価値のある変化を実際に創りだせるよう「変化の理論」を一緒に学びませんか。お待ちしています。
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【孟子とリーダーシップ】 2022年10月19日(水) オンライン
変革リーダーセミナー
「東洋思想からの学び:リーダーとしての自分を磨く」(「孟子」編)
私は20年以上にわたって環境問題に取り組む中で、「西洋近代思想の行き詰まりが環境や社会の問題の根底にあるのではないか。その打開のヒントは東洋思想にあるのではないか」と考えるようになり、10年ほど前から、東洋思想の第一人者である田口佳史先生に弟子入りして、東洋思想を学んできました。
環境・社会問題の根本への働きかけを考えるうえでも、またひとりひとりの人生にとっても、東洋思想の教えは非常に有益だと実感しています。そして、組織のリーダーシップ育成にも、中国古典を中心とする東洋思想は、他からは得られない重要な教えと実践を提供してくれると痛感しています。今回は今回は「孟子」を取り上げます。
「孟母三遷の教え」で、その母の教育論と共に知られている孟子。「儒教で孔子に次ぐ重要人物」と目されている人でもあります。孟子が一生の間にあちこちで行った遊説や論争、問答、語録の集成である『孟子』は、「論語」、「大学」、「中庸」とともに、四書五経の四書に数えられ、多くの人々に時代を超えて読み継がれてきました。
・「孔子の正統な後継者」が唱えた理想的なリーダーとは?
・孟子は「性善説」を提唱したことで知られていますが、その中身とは?
・「仁者無敵」とはどういうことでしょうか?
・国の治め方や自分の修め方についての孟子の教えとは?
7篇からなる『孟子』には、広く読まれている『論語』とはまた角度や深みの異なる箴言や洞察がいっぱい。この『孟子』の中から、選りすぐりの部分を丁寧に読みながら、その教えを「鏡」として自らを振り返り、リーダーとして、人としての成長につなげていくセミナーです。
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【自分合宿】 2023年1月7日(土)@熱海&オンライン
「自分合宿 2023新春 ~ビジョンを描き、レジリエンスを高める"自分マネジメント"の実践にむけて~」
先週、熱海とオンラインとのハイブリッドで「自分合宿」を開催しました。
「私はどこに向かっているのだろう......?」ーー最初のチェックインで何度も聞かれた言葉です。それぞれ、1日じっくり自分との対話を深めていきました。
終了後のアンケートの満足度も高く、人生100年時代の今、折り返し地点で改めて、自分は何をしたかったのか、何をしたいのか、人生後半のあり方をじっくり考える時間になったとのこと、うれしく思いました。次回は来年1月7日に開催、「一年の計、一生の計」をたてる時間になれば、と思っています。
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【翻訳道場】 2023年1月22日(日) オンライン
昨日は年に2回の、翻訳の神様に捧げる日(^^;)、夏の翻訳道場でした。9:40から17時まで、各地・海外からオンラインで参加のみなさんと、骨のある課題に取り組み、自動翻訳をうまく活用して翻訳の質とスピードをアップするやり方も指南しました。初参加の方も学びが多かったとのこと、よかったです! 次回は来年1月22日に開催します。初めての方も大歓迎! 少人数で和気あいあいと進めます。