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新年おめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。
1999年11月にメールニュースを発信し始めてから、23年目に入りました。この間、環境問題をめぐる状況や位置づけは大きく変化しました。また、私たちのライフスタイルや価値観も大きく変わってきています。
メールニュースを始めたころ、環境問題に関する情報はあまりありませんでした(だから始めたのでした)が、今では、あちこちからさまざまな情報が発信され、いろいろな情報を簡単に入手することができます。また、今は「タイパ」(タイムパフォーマンス)が重視されるとのこと、かつてのように、長時間かけて書いたメールニュースを、ある程度の時間をかけて読んでいただく、ということも難しくなってきたのかな、と思っています。
ということで、今年のメールニュースは、「変えたい人を応援する」をコンセプトに、変えたい!と思っている方々、変化の担い手として動いている方々に、ぜひ知ってほしいな、と思う情報や取り組みを、原則3分程度で読めるぐらいの短いバージョンで送ろうと思っています。どうぞよろしくお願いします!
さて、今年最初のメールニュースでお伝えしたいのは、「気候変動を止めるために必要な3つのこと」です。
(1) これから出すCO2を実質ゼロまで減らす
「ゼロカーボン」、「カーボンニュートラル」、「脱炭素」などと言われているもので、二酸化炭素排出量を「実質ゼロ」にしていこう、というものです。
実質ゼロとは?
人間活動によるCO2排出量=人間活動によるCO2吸収量
ですね。
つまり、省エネ+再エネによってCO2排出量を減らしていき、植林などによるCO2吸収量を増やしていく、ということです。
こうすることで、大気中のCO2は増え続けなくなります。
私の活動では、自治体や企業のゼロカーボンへの取り組み支援などを通じて、「これから出すCO2を実質ゼロまで減らす」取り組みを行っています。
たとえば、下川町での取り組み
https://www.town.shimokawa.hokkaido.jp/section/2022/11/11253.html
さて、これから出すCO2を実質ゼロまで減らすことは必須なのですが、それだけでは十分ではありません。
なぜなら、CO2には大気寿命がない!からです。つまり、いったん大気中に排出されたCO2は、何かに吸収されるまでは大気中に存在し続け、温室効果を持ちつづけるのです。
(2) すでに大気中にあるCO2を除去する
ことが必要です。
大気中のCO2を回収する方法(CDR:carbon dioxide removal)はいま、世界でもホットなテーマです。
技術的に直接空気から回収するDAC(Direct Air Capture)という技術の開発・実用化が進められています。
また、植林などによって陸上の植物に吸収してもらう「グリーンカーボン」の取り組みも以前から行われていますね。
そして、世界で注目を集めているのが「ブルーカーボン」(海洋生態系に蓄積される炭素)です。マングローブや藻場(海草・海藻)などの再生を通じて、海の生態系が吸収するCO2を増やそうという取り組みです。私も情報発信のほか、熱海の未来創造部で取り組みを進めています。
「ブルーカーボンとは何か: 温暖化を防ぐ「海の森」」 岩波ブックレット 638円
ブルーカーボン・ネットワーク
https://bluecarbon.jp/
SDGs研修・学習・体験プログラム
ブルーカーボンを知る レクチャー&体験プログラム
https://mirai-sozo.work/program/post-5.html
そして、「気候変動を止めるために必要な3つのこと」の最後はこちらです。
(3) いったん除去・回収したCO2がふたたび大気中に戻っていかないように、固定化する
森林や海藻がCO2を吸収しても、腐ったり燃やされたりすると、ふたたびCO2が大気中に排出されてしまいます。せっかく吸収されたCO2がふたたび大気中に戻っていかないように、固定化する必要があります。
固定化の切り札が「炭化」です。
バイオマス原料を熱分解することで、炭素密度の高いほぼ結晶質の物質ができます。微生物にも分解できないため、バイオマス原料に存在する炭素の大部分を土中に何世紀も封じ込めることができるのです。
植物から炭をつくる「バイオ炭」の取り組みを未来創造部でも進めています。また、炭化ユニットの販売・レンタル・移動製炭・製炭サービスを通じて、他の地域の間伐材や竹、食物残さなどを炭にするお手伝いもしています。
https://www.mirai-biochar.net/
「気候変動を止めるために必要な3つのこと」
(1) これから出すCO2を実質ゼロまで減らす
(2) すでに大気中にあるCO2を除去する
(3) いったん除去・回収したCO2がふたたび大気中に戻っていかないように、固定化する
2023年は、これらに関連する取り組みと情報発信にも力を入れていきたいと思っています!
今年もどうぞよろしくお願いします。