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2月の読書会は「リジェネレーション」でした。数十枚準備して映写した読書会でのスライドから、5枚だけ、ご紹介しましょう。これだけ見ていただいても役に立つと思います!
先週出版された『答えを急がない勇気 ネガティブ・ケイパビリティのススメ』、さっそく読んでくださった方々から、「面白かった!」「本当に大事だと思う」、「いくつもトレーニング法が載っているのでやってみようと思う」、「職場の同僚たちにも薦めたい」、「アナタの集大成的な本に思える」などのコメントをいただき、うれしく思っています。よかったらぜひご一読いただけたらうれしいです。
『答えを急がない勇気 ネガティブ・ケイパビリティのススメ』(イースト・プレス社)
さて、2月の読書会は「リジェネレーション」でした。ぜひ読んでほしい本です。
「Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる」
2月の読書会では、私が特に重要だと思った部分をお伝えしました。スライドと共に、音声で聞いていただける音声講座もありますので、参加できなかった方もぜひどうぞ!
https://www.ishes.org/news/2023/inws_id003125.html
数十枚準備して映写した読書会でのスライドから、5枚だけ、ご紹介しましょう。これだけ見ていただいても役に立つと思います!
<地球上にはどのくらいの炭素があるか?>
・地上・地表付近:約1億2100万ギガトン
・約3分の2の7,800万ギガトン:石灰岩、堆積物、化石燃料の形で存在
・4,100万ギガトン:深海や海面近くにある
・3,300ギガトン:陸上
・885ギガトン:CO2という気体の形で大気中にある
<海洋>
・地表の70%を占める
・地球上で最大の炭素吸収源
・陸地の12倍、大気中の45倍の炭素を蓄えている
・大気の温室効果の増加による加熱量の93%、二酸化炭素排出量の25%を吸収
<陸域生態系>
・地中と地上合わせて3.3兆トンの炭素を保持(大気中の炭素の約4倍)
・炭素は、森林、泥炭地、湿地、草地、マングローブ、塩性湿地、農地、自然放牧地にある
・このまま地中や地上にとどめておく必要
・地球の陸域生態系の10%を失えば、その排出量により大気中の二酸化炭素が100ppmも増える可能性
<劣化した土地を回復させる-番簡単な方法>
・自然の再生を抑制するものを取り除くこと!
・家畜の過放牧をやめれば、草などの植生がまた生長を始められる。乱獲の圧力が低減されれば、海の魚類資源も改善できる
・自然界にあらかじめ組み込まれている仕組みは、「再生」
・壊れているのは、土地ではなく、私たちと土地との関係性
・自然ははるか昔から、洪水や山火事、ハリケーン、火山の噴火、さらには時折の小惑星の衝突といった撹乱から回復してきた。自然界は自ら再生する
・自然のプロセスに対して人間がどのような制約を課しているかを特定することが、土地を回復させる最も費用対効果の高い方法であることが多い
・ある主要な研究によると、あらゆる再生型の気候の解決策のうち、土壌炭素が4分の1を占める
・そのうちの40%は、既存の土壌炭素を劣化から守ること、残りの60%は、減った貯留炭素を再構築すること
<流行のオフセットに注意!>
・オフセットには役割があるが、肝心なことは明快
・温室効果ガス排出量は、近い将来でも遠い将来でもなく、いますぐに削減すべき、ということ
・削減は、現実に、大幅に、すぐに行なわれなければならない
・2019年の世界の二酸化炭素総排出量は41ギガトンで、2000年から1.3倍に増加
・10~20年先の未来に削減をもたらすと約束するオフセットは、この点でほとんど意味がない
大事なことがいっぱい詰まっている本です。ぜひ手元に置いて、関心のある項目の拾い読みだけでもお薦めします。
「Regeneration リジェネレーション 再生 気候危機を今の世代で終わらせる」
2月の読書会の音声講座
https://www.ishes.org/news/2023/inws_id003125.html
来週、著者のポール・ホーケンから直接メッセージを聞くことができる機会もあります。私も登壇させていただく予定です。
【3月11日(土)オンライン開催】『リジェネレーション』出版1周年記念:『ドローダウン』を経て、ポール・ホーケン&リジェネレーションの今 ~気候危機を今の世代で終わらせるために~(日本語通訳付)
https://onegeneration.jp/news/15386/
さて、今月の読書会は、企業がどのように気候変動に取り組んだら良いか、世界をリードしてきた元ユニリーバ社長のポール・ポールマンの書籍を取り上げます。
「Net Positive ネットポジティブ 「与える>奪う」で地球に貢献する会社」
これも本当に大事な本、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。よかったら読書会で一緒に考えてみませんか。読書会のご案内をつけておきます。
https://www.ishes.org/news/2023/inws_id003135.html
日 時:3月23日(木)18:30~20:30(開場18:15)
会 場:オンライン(申し込みされた方にURLをご案内いたします)
課題書:『ネットポジティブ』
参加費: 2,200円(税込)
先月に続き、温暖化への取り組みをテーマに、3月は元ユニリーバ社長のポール・ポルマン氏が書いた企業の取り組みに焦点を当てた書籍『Net Positive ネットポジティブ 「与える>奪う」で地球に貢献する会社』を課題書に取り上げます。
企業の取り組みとして、二酸化炭素の排出削減だけでなく、環境や社会問題の解決をして利益を得るべきという考え方のもと、ネットポジティブ経営を実践しているユニリーバや先進企業の経営や事例について、詳しく解説された1冊です。
「ネットポジティブ」とはどういうことなのでしょうか? この時代、企業のあり方とは? リーダーシップのあり方とは? 自社はどうなのだろう、自分自身はどうであるのかなど、振り返りながらネットポジティブについて考えていきましょう。
「ネットポジティブ」という考え方と取り組みが、日本にも広がり、根づいていく最初の一歩になりますように。ご参加をお待ちしております。