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それぞれの20年後に向けて!~上勝町SDGsツアーのご案内

2024年01月14日
それぞれの20年後に向けて!~上勝町SDGsツアーのご案内

Photo by Yuki Shimazu Some Rights Reserved.

https://www.flickr.com/photos/shimazu/5283801013/

「トム:ソーヤの冒険」の作家でもあるマーク・トウェインがこのような言葉を残しています。

「今から20年後、あなたはやったことよりも、やらなかったことに失望するだろう。
ゆえに、もや

いを解き放て。 安全な港から船を出せ。 貿易風を帆にとらえよ。 探検せよ。 夢を見よ。」

Twenty years from now you will be more disappointed by the things you didn't do than by the ones you did. So throw off the bowlines, sail away from the safe harbor. Catch the trade winds in your sails. Explore. Dream.

新年にふさわしい、勇気を与えてくれる言葉ですね!

そして、「今から20年後、あなたはやったことよりも、やらなかったことに失望するだろう」というのは、個人の人生だけではなく、企業や組織も、まちづくりも、まったく同じだと思うのです。

大学院大学至善館(人間性と社会性を兼ね備え、イノベーションと変革を牽引する経営リーダーを輩出する、全人格経営リーダーシップ教育機関)で、ちょうどいま「システム思考と持続可能性への挑戦」という授業を行っています。

ちなみに至善館は、企業などからの派遣生のほか、自分でしっかり学びたいという社会人、起業家、NGO・NPOで働く方など、やる気のある多様な背景の学生が20カ国ぐらいから参加、切磋琢磨しながら、2年間で大きく成長していく場です。ご興味のある方、ぜひこちらをどうぞ。
https://shizenkan.ac.jp/

さて、前回の授業で、小さな力で大きく動かす「レバレッジ・ポイント」の例の1つとして、ブラジル・クリチバ市の事例を少しだけ紹介しました。

1950年には、15万人だった人口が、2000年には150万人になるという見通しだったクリチバ市が、1965年に都市計画に着手したときの話です。

当時の市長レーナー氏は、「その人口で自動車中心の社会になっては大変だ」と、市内をクモの巣のようにバス路線で覆い、1~2回乗り換えれば、どこからどこへでもバスで移動できる交通網を整備しました。日本とは違って(!)、バス・レーンは分離帯で自動車道から独立していますから、クルマが混んでいてもバスはスイスイ走れます。

このビジョンと取り組みのおかげで、そうしなかった場合に比べて、自動車の台数も走行量も大きく減らすことができた、という事例です。当然ながら、CO2排出量も大きく減らすことができていますよね。

まさに、「やったことによって、20年後を大きく変えた」好例だと思います。授業後の学生からの感想レポートに、「日本でも、20年後・30 年後を見据えて町の設計を行ったという事例はあるのでしょうか?」という質問がありました。紹介しようと思っているのは、私が関わっている2つの地域です。

1つは、北海道の下川町です。
下川町では、1953年に、町の基本財産を造成し、雇用を確保しようと、当時の町の財政が1億円規模だった時代に、8800万円をかけて1221ヘクタールの国有林を取得しました。1960年には、「毎年40~50ヘクタールを伐採しては植林する」という経営計画が作られ、現在に至るまで継続されています。

この計画を実現するために、1994年から2003年にかけて、さらに1902ヘクタールの国有林を取得しました。そうして、2014年からは、先人が植えた木を伐採し、そこに植林をする「循環型森林経営」ができるようになり、持続可能な森林経営が実現しました。

詳細はこちらをどうぞ。
JFSニュースレターNo.183
https://www.japanfs.org/sp/ja/news/archives/news_id035952.html

こういった下川町の長期視点の取り組みが、環境モデル都市、SDGs未来都市としての下川町につながっていること、現在の課題や取り組みなどについて、これまで2回の「SDGsスタディツアー」を開催し、詳しく学んでいただきました。

もう1つの長期視点のまちづくりの好事例は、徳島県の上勝町です。

1996年にオーストラリアの首都キャンベラが世界で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を出し、その後、欧州、北米などの都市にも広がっていきました。2003年、日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言をしたのが上勝町だったのです。
http://www.kamikatsu.jp/zerowaste/sengen.html

~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~

未来の子どもたちにきれいな空気やおいしい水、豊かな大地を継承するため、2020年までに上勝町のごみをゼロにすることを決意し、上勝町ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)を宣言します。

1 地球を汚さない人づくりに努めます。

2 ごみの再利用・再資源化を進め、2020年までに焼却・埋め立て処分をなくす最善の努力をします。

3 地球環境をよくするため世界中に多くの仲間をつくります!

平成15年9月19日
徳島県勝浦郡上勝町

~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~

この宣言で約束した姿をめざしてまちづくりを進めてきた上勝町には、ごみ収集車はありません。町民がそれぞれ生ゴミは自宅でコンポスト、ほかのゴミはごみステーションに持ち込み、「45分別」します!
 
こうして、上勝町では町民一人一人がごみ削減に努め、リサイクル率 80%以上を達成しています。
そして、2020年12月18日には、議会全会一致で新たな「ゼロウェイスト宣言」が出されました。
https://zwtk.jp/

この上勝町の長期視点のまちづくりと、ごみゼロへの取り組み、課題、次の展開などと、上勝町を有名にした「葉っぱビジネス」についても学ぶ、「上勝町SDGsツアー」も昨年開催し、おかげさまで好評を博しました。

そのときは1泊2日のツアーだったため、「もう少しゆっくりまちを見たい」「町で取り組んでいる方々との意見交換をもっとしたかった」「各地からの参加者との交流の時間ももっとほしかった」というリクエストをいただいていました。そこで、今回、2泊3日にバージョンアップして、「上勝町SDGsツアー」を開催することにしました! 
https://www.guardiantour.com/kamikatsuchoutour

2月26~28日、ふらりと寄っただけではなかなかわからない・聞けないこれまでの取り組みや学び、今後の話などをたっぷり聞くことができるツアーです。また今回は、隣町の勝浦町にもお邪魔して、6次産業化、コワーキングスペース、サテライトオフィスなどへの取り組みについても学びます。葉っぱビジネスについては、株式会社いろどりの横石社長から直接お話を聞くことができます。このようないろいろなインプットと刺激を得ながら、私がファシリテータを務めるセッションも何度か持って、参加者の学びと気づき、交流を深めていく3日間です。

集合場所である徳島空港に到着してから解散場所である徳島空港に戻るまでの旅行行程における温室効果ガス排出量を、カーボン・クレジット購入によってオフセットする「カーボンオフセット・ツアー」として開催します。

詳細とお申し込みはこちらをご覧下さい。
https://www.guardiantour.com/kamikatsuchoutour

定員20名の限定ツアーです。ぜひこの機会をお見逃しなく、ご参加いただけたらと思います。1月31日までは早割料金、ぜひお早めにどうぞ。

楽しみにお待ちしています。

 

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