2005年05月01日
LCAとBWA (2000.02.22)
「LCA:ライフ・サイクル・アセスメント」はその名の示すとおり、製品の「ゆりかごから墓場まで」、つまり、設計や原材料の調達、製造、使用、廃棄、リサイクルまでの各段階で、排出される二酸化炭素やエネルギー消費量などを分析する手法です。
いろいろな目的のために使われます。たとえば、メーカーはLCAを行うことで、どこに資源を投入すればもっとも効果的に削減できるか、を知ることができます。
たとえば、全自動洗濯機の消費電力は、この20年間に50%以下に減っています。LCAに基づいた設計努力が効果を発揮しているおかげです。
また、今後大きな動きとなって来るであろう「エコラベル」にもLCA手法が不可欠です。LCAを行うことで、製品の環境負荷の比較ができるからです。
さて、LCAが誕生したのはいつでしょうか? 1969年のことでした。生みの親?は、コカコーラ社。容器として缶か、瓶か、紙か、どれがよいか、ということを研究所に依頼して、ここでLCAの概念が始めて誕生したそうです。
私は、確かにLCAは大事だけど、「BWA」も忘れちゃいけない、と思うのです。
BWA(ビジネス・ワイド・アナリシス)って聞いたことがないでしょう?私の造語ですから(^^;)。
LCAは結構、でもそれで作った消費電力低減型の製品は、その会社の売上やビジネスの何%を占めていますか?ということです。
トヨタはプリウスですっかり「環境にやさしい企業」イメージを作り上げました。でもトヨタのビジネスの中で、トヨタの生産している車の中で、プリウスはどのくらいの割合を占めているのでしょう? 環境にやさしくないといわれるSUVとどちらが多いのかな?
どの会社にもあてはまります。企業のビジネス全体を見て、その中でもっとも環境負荷の大きなところ、製品、部門、工場などで、ISO14001なり、LCAに取り組んで、環境負荷低減を進めてほしいと思います。
たとえば、主力の工場で大量の二酸化炭素を出しているのに、間接部門の本社だけで ISO14001を取得して(ゼロよりマシだろうけど)、「我が社はISO14001取得しました!」といばるのは恥ずかしいんじゃない?と思うからです。
どの会社も、どの組織も、どの人も、何らかの「本業」に携わっているはずです。
本業で勝負すべき! と強く思っています。