エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース
2005年06月20日
「環境とエネルギーの授業」(4)-三田小からのたより(2000.12.05)
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先日はわざわざご来校いただき、また大変貴重なご意見をたくさんいただき、ありがとうございました。それだけでなく、授業の様子をホームページに載せていただけるとのこと、重ね重ねありがとうございます。
授業当日の子どもの様子はもとより、単元計画なども載せていただけるなんてびっくりしています。こんなことになるなら、もう少し慎重に検討すればよかったと、授業者の一人として、少し恥ずかしい気がしています。
原稿のコピーをとらしてもらい、早速教室に急ぎました。「今日はみんなに読んであげたいものがあるんだ。」子どもたちに投げかけました。
「この前の総合の授業に、5年生のお母さんじゃない方が来てらしたんだ。覚えてる? 先生もはじめて会った方だから、知らなかったんだけど、『環境』のことにとても詳しい人なんだよ。」
子どもたちはまだポカンとしています。
「みんなの発表をメモを取って聞いていた人なんだ。みんなの言葉に一つ一つ丁ねいにうなずいていた人だよ・・・。」
「分かった!覚えてる!!」子どもたちは一斉に叫びました。枝広さんのことが深く印象に残っていたようです。あんなに熱心に聞いていてくださったからですね。
「人の話を聞くときは、目を見てああやってうなずいたりするといいよね。話している人がとてもいい気持ちになるよね。」教員根性丸出しの指導に入ります。それを聞きながら早速うなずく子どもたち。やっぱりかわいいですね。
「さて当日・・・。」読みはじめると、シーンとなりました。担任にお説教されている以外ではあまりない光景です。「原子力の研究の少年二人組は・・・。」「あっ!おれのことだ!」顔を真っ赤にしながらつぶやく当人たち。教室の視線が一斉にそちらに向かいます。
「フィルムケースの風力発電」でも同じようなリアクション。一人でがんばった「太陽光発電」の子は、長く扱われているので、本当に誇らしげでした。担任の「ひとほめ」の数万倍の効果でした。
プリウスの女の子たちは、枝広さんの質問を覚えていました。「うん、確かに聞かれたよ。」そして「今度観察してみよっと。」がとてもうれしかったようです。
「レモン電池」「紙芝居」「アンケート」・・・。自分のことが取り上げられるたびに満足そうな表情を浮かべる子どもたち。中でも「チラシ」のおみやげを「うれしいな。」と表現してもらい、「ためしてください。」と結んでくださったのには、本当に感激したようです。
子どもたちにしてみれば、自分たちが発表したことに素直に反応してもらい、そしてそのことを多くの人に紹介してもらえる・・・。こんなことは生まれてはじめての経験なのではないでしょうか。手紙を読んであげた日、子どもたちも担任も、とても幸せな気分でいっぱいになりました。
子どもたちのありのままを認め、そして良いところをしっかりと見て、価値付けしてあげて・・・。そんな一連の評価活動が大きな教育の効果を生む・・・。日々の忙しさにかまけながら、なかなかそんな場を作ってあげることができない私です。そんなことが自然にできる枝広さんは、きっと「ぬくもり」や「優しさ」にあふれている方なのだと思います。授業研究会ばかりでなく、また深く学ばせていただきました。ありがとうございました。
今年度の5年生の総合的な学習は、もう時数がなくなってしまいました。(新学習指導要領がまだ完全実施ではないので、40時間ほどしかないのです。)来年は子どもたちは最上級生。「個人でテーマを考え、個人で課題を決める」という学習に挑戦してくれたらと思っています。(担任は未確定ですが・・・)
そんな学習を広げたら、多くの子ども達が「『環境・エネルギー』の学習を深めたいな。」と反応してくれそうな気がしてなりません。また、ご指導を仰ぐ機会がぜひあればと思っています。(ご迷惑ではありませんか?)
本当にありがとうございました。
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先生方にも子どもたちにも、こんなに温かく対応してもらって、本当に嬉しい出会いでした。
その学年の保護者でもないのに突然授業参観にやって来た人間を歓迎して下さっただけではなく、その後の先生方の研究会にも招いて下さり、背景も何も知らずに思ったまま述べたことを受けとめて下さり、子どもたちにも伝えて下さって・・・。スゴイなぁ、普通なかなかできないよなぁ、と感動しています。
授業研究会でメモを取る私の隣にいらした校長先生が、最後に「何を書かれているのかはわからなかったが、裏紙をメモ用紙にしていらっしゃった」と他の先生方にお伝えになったのですが、そのあと、1年生の朝自習のプリントをさっそく裏紙に印刷するようにされた先生もいらっしゃるとお聞ききしました。
先日、水俣市役所の吉本さんのお話をうかがったときのことを思い出しました。吉本さんは、「地元に学ぶ」という「地元学」を進められている方ですが、まず「変化は外から来るのです」とおっしゃいました。
「日本人が外国へ行くと、3種類のパターンがある。かぶれる、拒絶する、適切な距離でよいつきあいをして自分にないものを学ぶ、である。
最初のふたつは、自分というものがしっかりしていないから、丸ごと影響されたり、そうされないように丸ごと拒否したりする、というパターンだ。
自分がしっかり確立されていれば、丸ごと影響されるのではなく、良いところを学ぶことができる。自分の中にはなかった新しい変化を取り入れることができる」。
そして「地域も同じです」として、「まず自分の地域がどのような地域かわかっていなければ、もしくは自覚されていなければ、行き過ぎた受け入れ方になり、無秩序でちぐはぐな文化になってしまう。
変化を適正に受けとめるためには、地域の風土と暮らし(=地理)のつくりだした文脈(=歴史)に馴染んでいることが必要となってくる」とお話しになり、そのための活動例として「あるもの探し」や「地域資源マップ作成」などをご紹介下さいました。(地元学については、『風に聞け、土に着け【風と土の地元学】』
吉本哲朗著 地元学協会事務局発行 1000円 Tel:0966-67-1659 をぜひ!)
「地域」を、「学校」とか「教師としての自分」と読み替えれば、外部からの異質なモノも排除しない、三田小の温かい受け止め方がよくわかる気がしました。
先生方からいただいたお手紙、大切な宝物になりました。