エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース
2005年11月01日
元気いっぱいの環境ビジネスウィメン(2005.04.24)
私はときどき「どうしてそんなに元気なのですか?」「そのエネルギーのモトは何ですか?」「どうしてそんなに頑張れるんですか?」と聞かれることがあります。本人はいたって静かに、やりたいことを淡々とやっているだけのつもりなので、「頑張っているつもりもないし......。うーん」とうなっています。
そんな私の何倍も元気でエネルギーいっぱいの女性たちのグループがあります。昨年4月に小池環境大臣の呼びかけで開催された「環境ビジネスウィメン 環境と経済の好循環を語る」という懇談会メンバーのグループです。
「環境か、経済か」という時代ではない、「環境も、経済も」だ、と言われるようになってきました。この懇談会には、さらに一歩進んで、「環境で経済を」という、とびっきり元気な女性事業家たちが集まり、それぞれどのように考え、活動してきたか、壁や障害をどのように乗り越えてきたか、どういう夢に向かって進んでいるのか、熱く語り合いました。
小池大臣の「女性という日本最大の未利用エネルギー」をどのように活かしていくのか、事業を立ち上げるうえで、また進めていくうえで、女性ならではの苦労やくふうなど、大変に具体的な話もたくさんでました。
3回の懇談会が終わったあとも、「もっともっと女性の力を活かすことで、持続可能な社会に近づいていける国にするために、この場を続けていきましょう」という話になり、継続的に会合を持っています。去年秋には朝日新聞社といっしょに、シンポジウムを開催しました。
そして、「元気なエネルギーよ、広がれ〜!」というような、元気いっぱいの本ができました。
『環境ビジネスウィメン――11人 成功の原点と輝く生き方』(日経BP社)
小池 百合子 (著), 環境ビジネスウィメン懇談会 (編集)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822208575/junkoedahiro-22?creative=1615&camp=243&link_code=as1
日本は元気を取り戻せるか? そのカギは新しい経済のスタイル構築と、新しい人材の活躍にある。キーワードは「環境」と「女性」。環境大臣の小池百合子が集めた女性エコ起業家たち(環境ビジネスウィメン懇談会)が、型にはまらない人生や仕事を語り、いまの日本に注文をつける"元気のヒント集"。
ここにあるチラシを見ていただくと、登場人物が載っています。
http://www.grace-e.co.jp/women0503/b_annai.html
小池大臣を含む11人がそれぞれの章で、自分の軌跡や思い、環境ビジネスでの経験やノウハウなどを語り、最後の章では座談会形式で、より話を深め、展開しています。
エコビジネスや起業を考えている方々はもちろん、自分の「思い」を自分の「やっていること」に重ねていきたい方々、元気に感染したい方々(?)、これから社会の大きな原動力になる女性パワーについて知っておきたい方々にもオススメです。
これも女性グループの編集者チームの手によって、とってもオシャレな仕上がり。写真もいっぱい載っています(私の章には、バラトン合宿の様子や7年前のレスター・ブラウン氏(と私)などの写真が出てています)
自分の章と、座談会で自分が喋っている部分から、少しだけ引用してご紹介します。ほかの方のところは、ぜひ本書で読んで下さい〜。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<これから環境ビジネスに取り組みたいという人へのメッセージをお願いします>
私もよく「環境の仕事をしたいのだが」と相談されることがあります。高校生から、いつか環境の仕事をしたいのだけれど、どういう大学に行ったらいいだろうかと聞かれることもあります。
環境の仕事というのは、いかにも「環境をやっています」というものだけではなくて、どこにでもあると思っています。隠れエコビジネス――私が"ゲリラ"とか"トロイの木馬"と言っているように、外からは別にエコビジネスには見えないけれども、実はそういう方向に世の中を変えようとやっているビジネスや、旧態依然とした会社を何とか持続可能な方向に変えていこうと社内でがんばっている人たち――も、立派なエコビジネスの担い手だと思います。
また、環境の分野は、新しい技術やサービス、考え方がどんどん出てきますから、職業名としては今はまだないような職業をつくっていける可能性もあります。自分自身、活動をしていて、とても楽しいし、いろいろなアイデアが出てきます。
基本的には、みんな自分の利益というよりも、もっと大きなもの――未来世代や、地球など――のためにがんばっている人が多いので、素敵な人たちと気持ちのいいコラボレーションができる、とても楽しい世界だと思っています。
レスター・ブラウンはよく、「環境の時代は史上最大のビジネスチャンスだ」といいますが、同じように「いまの時代は、個人にとっても、史上最大の生きがいのチャンスだ」と、エールを送ります。
<座談会>
枝廣:環境問題を考えたときに、特に、経済の仕組みや社会の仕組みを変えなきゃいけないとなったとき、「お金の流れをどうするか」が一番肝心だと思っています。
「共感マーケット」という言葉があります。飯島ツトムさんというコンセプターの方に聞きた言葉ですが、これまでの安いから売れるとかではなくて、共感することで売れる市場が生まれるという発想です。
私自身の会社で販売しているものの一つに、間伐材でつくったマウスパットがあります。間伐をして、その木を運び出して、製材所でマウスパッドに作るまで、ちゃんと人の手をかけているので、1枚1000円します。でも、100枚のマウスパッドで3メートルの間伐材1本を無駄にすることなく生かすことができます。
http://www.es-inc.jp/shop/index.html
マウスパッドとしてはちょっと高いのですが、「こういう理由でぜひ使ってほしい」言って、確実に売れています。ですから共感マーケットはあちこちに探せると思っています。私はこういうお金の流れを自分の会社でつくっていきたいと思っています。
それから、スロービジネスと言っていいのか、幸せの物質依存度を下げる、新しいビジネスを提案していきたい。最初から事業ありきとか、売り上げを上げ続けないと倒れるようなビジネスではなくて、本当にやりたいことだけをやって、しかも食べていけて、社員も養っていけて、みんなが幸せになれるというようなビジネス。物を使わずに幸せを提供する、不経済になっても幸せになれる。ビジネスを通して、そんな新しいことができないかなと。
枝廣:私はレスター・ブラウンとの出会いがあって、こういう活動をしているんですが、もともとの目的は「環境」ありきじゃなくて、やっぱり幸せに生きたいからです。
キーワードは「つながり」です。私が特に環境という切り口で取り組んでいる理由は、つながりが切れている事が一番見えやすい領域だからです。例えば鬱(うつ)や自殺の問題も、自分の心とのつながりが切れている一つの例ではないかと思っています。
環境は今、マスコミも世間も注目していますから、「つながりが切れてしまっているよ。もう一度取り戻そうよ」というメッセージを伝えるときに、取っ掛かりやすいんですね。そこを入り口に、自分の心や家族、友だちや地域とのつながりの話に広げていくことができます。
基本的にこの変化の時代の中核にあるのが環境や持続可能性の問題です。持続可能性や環境という軸で社会が変わろうとしている。経済も変わらざるを得なくなっている。やはり物事が変わっているときって一番面白いし、そこにこそたくさんチャンスがあるし、何を思いついても何でもできちゃうような気がしているんです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
昨年4月の環境ビジネスウィメン懇談会には、有限会社イーズの代表として、またNGOジャパン・フォー・サステナビリティ共同代表として出席しました。
1年後のこの4月(ってつい今週の話ですが。^^;)、もうひとつの会社をパートナーと設立しました。ミッションとビジョンを練り上げ、社名を決め、登記を済ませ、活動をはじめる体制を整えています。
どんな会社なのか? どんな思いで設立したのか? 何をやろうとしているのか?次号で詳しくご紹介したいと思っています。お楽しみに〜!