エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース
2005年12月25日
きのころの「つながり」〜素敵なカレンダーたち(2005.12.25)
エコプロダクツ展では、ジャパン・フォー・サステナビリティもブースを出したほか、きのころブースも出展。なかなかのにぎわいで楽しそうでした。
(「きのころ」って? → http://www.es-inc.jp/shop/kinocoro.html)
きのころブースには、去年来てくれた子どもたちも、覚えていてくれて、楽しみに訪ねてきてくれて、とてもうれしく思いました。今年はじめてきのころ体験を楽しんだ子どもたちも、また来年来てくれるかな? きのころブースの楽しそうな様子や子どもたち・おとなたちの"作品"はこちらでご覧いただけます。
http://www.opinet.jp/diary/show.do?commId=9&diaryId=193
ここに載っている「トトロ」や「イルカ」は、とても木片から削りだしたとは思えないほど、いのちと温かさを感じる作品でした。これは「きのころおじさん」が作ってくれたものです(最後に登場しています)。終わったあとに、「きのころおじさん」から、このようなメールをもらいました。許可を得てご紹介します。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私には、今回のきのころ展で嬉しい出来事がありました。
江東区の小学生の一団のリーダー格の男の子が、きのころをヤスリながら
「おじさん、"木もよろこんでいるよ"」
と、ぽつりと言いました。
わたしは一瞬耳を疑いました。
この子は何を言ったのだろうと。
その子は続けて
「おおきな木になってみんなによろこんでもらい、木もそれをよろこび、
間伐材として切られても、ほかの木の役に立てたとよろこんでいるんだ。
そして、こんなにみんなにケヅッテもらって、たのしい作品にしてもらって、
木もよろこんでいるよ!」
こんなすばらしいこどもたちがいるんだ。
口には出さないけれども、ケヅッケくれている子供たち、そっとそばで
見つめてくれている大人たち、みんなこころのどこかに
この子とおなじ気持ちがあったのだと思い知らされました。
"きのころ"を創られた枝廣さんの真意はこれだったんですね!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私は自分は「きのころおじさん」ならぬ、「つながりおばさん」みたいだと思っています。環境問題もそのほかの社会問題も、その根っこは「自分自身やまわりの人たち、地域や地球などとの大事なつながりが切れてしまったこと」で、解決策は「つながりをもう一度取り戻すこと」だと信じているからです。
今年、会社を作って日本での紹介・普及に力を入れている「システム思考」も、「つながり思考」と紹介することもあります。「いろいろな要素がつながり、影響を与えあって、ある状況なり問題なりを作り出している。目の前の問題に対する解決策に飛びつくと、それはいまは目に見えていないかもしれない要素に次々と影響を与え、他の部分に別の問題を起こしたり、長期的にまた問題が再発するかもしれない。要素のつながりをループ図というツールを使って明らかにし、どこに働きかけるのがよいのかを考えることで、真の解決策を見出す」というアプローチだからです。
「きのころ」も、忙しい毎日のなか(いまは子どもたちだって忙しいのです!)、ほんの少しの時間でも、木片を好きなように削りながら、木の香りや手触り、それを感じている自分自身、その木片の来し方・行く末に思いを馳せ、「つながる」時間になってくれたら、これ以上うれしいことはありません。
来年のエコプロ展でも、そんな「つながり空間」が創り出せたらうれしいな、といまから楽しみです。
さて、いよいよ年の瀬ですが、来年のカレンダーは用意されましたか?
本当はもっと早めにご紹介すべきだったのですが、それでもぜひ!と素敵なカレンダーの競演、3作お届けします。
最初のカレンダーは「たまおこしの会」の方からのメールでのご紹介です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私の友人(飯田さん)がメインの仕掛け人をしていて、私もちょっとだけ関わっているおもしろい活動をしている団体があります。「たまおこしの会」(http://www12.plala.or.jp/tamasato/)という会費も会則もなく、代表もいないゆるやかな集まりです。
生産者の顔や思いが見え、
それを購入する人の顔や思いも見える地域循環型の生活ができたら...、
ということからはじまった「たまおこしの会」。
そのたまおこしの会が発案した、多摩の森の間伐材をつかったカレンダーができました!!
暦に使う紙は多摩の間伐材チップと古紙から作られた「東京の木の紙」。
暦は「多摩川源流」というタイトルで、「たまおこしの会」のメンバー(食べ研の木村章二さん)が撮影した多摩の自然いっぱいの写真です。
また、ホルダーは多摩の森のスギやヒノキ。
戦後の植林政策で育った50〜60歳の木の年輪がわかります。
収益金は植林作業等に寄付されます。
このカレンダーを購入いただくことでも多摩の森を守ることに一役うけていただくかたちとなります。
ぜひ、ご家庭、職場等のご利用はいかがでしょう?
(お歳暮やクリスマスプレゼントにも!)
価格は、\1785(カレンダーと木のホルダーつき)です。
カフェスローにも少し置いていただきました。
もし、遠方の方で送付をご希望の方は、
プラス送料\300でお送りすることもできます。
ご希望の方は
山下まで、ご住所・お名前・電話番号を明記の上メールください。Eメール:y-yamashita@ce.jp.nec.com
会では、この森づくりの新しい方法を全国にも広めるつもりです。
もし、ご興味のある方もメール頂ければ、担当の者から今回のノウハウをご伝授いたします。
どうぞヨロシクお願い致します。
以下のURLの「暦のページ」から見本を見ることができます。
http://www12.plala.or.jp/tamasato/000toplink2.htm
<以下は、この「たまおこしの暦」の言い出しっぺ飯田さんの思いです>
今日は、八王子の恩方の畑で野良仕事
お隣の畑のおっちゃん、今回の「たまおこしの暦」のことが朝日新聞に載ったら即、カラーコピーして、野良仲間にばら撒いてくれました〜
そのおっちゃんに、今日会ったら
『良くぞやってくれた、俺たちの気持ちを良くぞ代弁してくれた〜』
と大感激してくれました〜!
『でもちっこい会だから大したことできないよ』と言ったら
『山仕事少しずつ少しずつやるしかないよ。そう思ってくれる人が一人でも
いることが、うれしいんだよ』と・・・。
「たまおこしの暦」をやってよかった〜!と思いました。
わたしの古里の八王子の恩方の山、『現状』の話しになりました。
・ワラビもゼンマイももう生えないよ、何もないよ
・杉も桧も立ち枯れてるよ
・山に入るにも道もないよ、枯れ木倒木を乗り越えたり
くぐったり、チャンソー持って切りながら入るしかないよ
・大雨・台風が来ると、山からどんどん土が流れ出してくるよ
・もう山に土はないよ
・台風が来ると、大の大人が抱えきれない大木が根こそぎ倒れるよ
・でっかい穴が開くよ
・そこに雨が降ると堰になって一気に流れ下るよ
・一度できた溝が、雨のたびにえぐられていくよ
・杉や桧のところばかりでなく、雑木の山でもそうだよ
・自分の山は少しずつ手入れしてるよ
・でもそんなにできないよ
・森は100年の仕事だよ
・少しずつやるしかないよ
・少しずつ切り倒してるよ、あそこの山、あそこの斜面
・切るのに短く切り捨ててるよ
・長いと堰になって一挙に流れ下って危険だから
・石ぐらいに切って置くよ
・山に食いものないからサルでもイノシシでも里に下りるしかないよ
・川の水も減った、水の温度も上がった
・昔は川で泳いでいて、震えたもんだ
・村の中まで少しずつ日が差し込むように木を切り捨てているよ
わたしが「たまおこしの暦」をやったのは奥多摩の山を守るではなく、わたしの古里 八王子の恩方の山を守るためです。恩方の山、八王子市内から車30分、高尾駅から車10分
これが現実です。
このメール読んでる人の何人は、恩方のわたしの畑に来たことがある人です。
来た人は、「ああ〜いいところだなあ〜素晴らしい〜」と言います。
山を見て言います。
でも山の中は暗く土もなくワラビも草も生えない大木が倒れる山です。
大木が立っていれないほど、もう土がないのです。
それが現実、現在です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次は、大川印刷さんの「森がよろこぶカレンダー」です。大川印刷は、社員30人という規模の小さな印刷会社ですが、「エコライン」という営業活動‐用紙選択‐印刷‐製本‐配送と一貫した独自のコンセプトに基づいた環境配慮型印刷の提案を積極的・効率的に行うなど、「本業でエコ!」をさまざまに進めている会社です。このたび、グリーン購入大賞を受賞されています。
http://www.gpn.jp/event/award/index.html
森林認証紙やノンVOCインキ等の活用、針金を使用しない製本方法の導入、再使用可能な通い箱の使用、圧縮天然ガス車で納品などのほか、間伐材や森林認証材そのものを使った製品の企画・開発なども行っています。
このカレンダーは、大川印刷の地元である神奈川県産のヒノキの間伐材を使ったスタンドと、FSC認証紙にノンVOCインキで印刷したカレンダー部分がセットになった卓上カレンダーです。手にとるとヒノキのよい香りがしてきます。http://www.ohkawa-inc.co.jp/file/2_d_c_a.html
1月から12月まで12枚あるカレンダー部分は、不要になった後、絵はがきとして利用できるようになっています。2年目からは、カレンダー部分のみの販売も開始し、木製スタンドは継続して使えるように考えられています。さらに、カレンダーの売上の1%は神奈川県の「かながわ水源の森林づくり」に寄付され、森林づくりに生かされる仕組みになっています。
ほかにも、さまざまなエコカレンダーをくふうし、出しています。
「セパレートエコカレンダー」
http://www.ohkawa-inc.co.jp/file/2_d_a_a.html
止め具の部分を従来の針金やプラスティックからペーパーリングという止め具を採用。この材料を使った政界で初めてのカレンダーがこのセパレートエコカレンダー。
「FSCポストカードカレンダー」
http://www.ohkawa-inc.co.jp/file/2_d_b.html
そして、最後は、グリーン電力カレンダーです。カラフルで楽しげな写真をぜひご覧ください。 http://www.co2free.jp/index.cgi?mode=gsc2006
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
グリーン電力で過ごす日曜日。机の上と世界のどこかで、森と自然を育ててみませんか?
このペーパークラフト・カレンダーが机にある人は、グリーンな日曜日を送っている人。
その訳は、2006年の全部の日曜日に家庭で利用する電力相当の量、 310kWhのバイオマスグリーン電力を約束する請書が付いてくるからなんです。
グリーンな電力を使いながら、ペーパークラフトでスローな日曜日を過ごすなんて、究極にロハスな休日の過ごし方。
Green Sunday Calendar 2006は、紙にもこだわっています。適切に森林を守り育てながら作られた紙(FSC 認証紙)を使っています。無計画な伐採による紙は、森林を壊します。FSC認証紙は、森を「守り育てる」紙です。
このマークがついている製品は適切に管理されている森林からの木材を使っています。適切に管理された森林とは、FSCの規定に従い、独立した機関により認証された森林を指します。
<商品詳細>
12ヶ月で世界一周"木めぐりの旅"
一月の日本から始まり、最後はアフリカへ。世界遺産の熊野檜や、インドの菩提樹、ペルーの「カムカムの木」など、世界の木めぐりをお楽しみいただけます。全部作り終わったら、世界の木でできた"森"があなたの机の上に出来上がります。
作り"加減"はお好みで
Green Sunday Calender2006は、縦9cm横20cmのコンパクトサイズ。そのまま使うのもよし、少しずつ切って組み立てるのもよし、お正月に今年の抱負を考えながら一気に作るのも素敵ですね。基本の森を作ったら、象さんのために、湖や草をつくってあげましょう。 4月にはお花見も楽しめます(オプションのお花見着せ替えセット)。疲れたら、森の小道から虹をながめてみてはいかがでしょう?
森とグリーン電力を育てながら、机の上に世界の森を育ててゆく。そんなGreenSunday Calender 2006はいかがですか?忙しそうなあの人へ、"癒し"のプレゼントとしても、素敵です。
イラスト/デザイン: MASAE NAGAO
総ページ数: 22頁
サイズ: 縦9cm x 横20cm
特徴: 2006年1月〜2006年12月、個人が日曜日に家庭で使用する消費電力に対応する310kWhを、バイオマスにより発電する発電請書が付属しています。カレンダーに添付される発電請書には、それぞれ固有のシリアル番号、パスワードが記述されており、これらを当サイトへご登録いただくことで、発電完了時(2007年2月10日を予定)にグリーン電力証書を電子的に発行いたします。また、素材として、適切に森林を守り育てながら作られた紙(FSC 認証紙)を使っています。無計画 な伐採による紙は、森林を壊します。FSC認証紙は、森を「守り育てる」紙です。
価格: \2,900(税込)+送料,手数料
*ご注文はこちらにて承っております。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この「グリーン電力カレンダー」はC、株式会社Governance Design Laboratory、日本自然エネルギー株式会社が共同で運営している「O2free.jpプロジェクト」の商品の1つです。ほかに、グリーン電力証書Tシャツや、来年2006年の家庭の電力をグリーン電力に換えられる証書も販売しています。
以前から、日本自然エネルギーが企業向けに、グリーン電力証書の購入によって、電力を自然エネルギーの電力に換えられる選択肢を提供していました。「早く個人でも電力を選べるようにならないかなあ!」と思っていたので、とてもうれしく、さっそく申し込みをしました。ウェブサイトから、そのしくみをご紹介しま
しょう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
http://www.co2free.jp/index.cgi?mode=gp2006
個人の電気を選ぶ時代が始まりました
「自然エネルギーいいなぁ。」でも、どうやったら、使っている電気を自然エネルギー(グリーン電力)にかえることができるの?
家のコンセントから使う電気は、電力会社さんから買っているので、 電力会社さん「ブレンド」になっています。東京電力さんだったら、天然ガス43%、原子力28%、 石油14%、水力13%、石炭2%という「東電ブレンド」になります。
じゃぁ、うちに太陽光パネルを設置して、その電気を使おう!ということもできます。 でも、この場合は、パネルが標準的な3kWで150万円くらいしてしまいます。
そんなお金がなかったら、自然エネルギー(グリーン電力)を使うことはあきらめなくてはいけないの?
そこで作られたのが、グリーン電力証書です。
グリーン電力の発電会社さんは、石油や石炭の発電会社さんより、コストがかかってしまいます。 その差額って、よーく考えると、「エコ価値」だよね!ということで、その
エコ価値=グリーン電力コスト-普通の発電コスト
と考えるのです。 そのエコ価値分を、グリーン電力証書として取引できるようにしたのです。
これまでは、大きな会社が、自然エネルギーを自前でやるより、専門の人たちにやってもらい、 そのエコ価値を買うことで、「環境報告書」に載せたり、顧客へのアピールのツールとして使ってきました。 ソニーやアサヒビール、ライブハウスのZeppなど(「グリーン電力証書システム」 ご契約団体リスト)は、かな
りの量の証書を買って、自然エネルギーの導入に貢献し、同時に環境に配慮した企業として認知されています。
今度は、みなさんが、自分のエネルギーを「グリーン」にして、それを家族やお友達にアピールしてみてください。
そう、2006年はグリーン電力で過ごしませんか?
CO2free.jp Projectは、純粋にグリーン電力を購入したいあなたへ、2つの新しい選択肢を提供いたします。
2006年を完全にグリーン電力化-2,000kWh
個人が一年間、家庭において使用する電力は全国平均で約2,000kWh*です。 この全てをグリーン電力で過ごす。電気に関して、完全にグリーンな生活を提案します。
半分くらいはグリーンに-1,000kWh
一年間のうち、個人が家庭で使用する電力の半分、1,000kWhのグリーン電力証書をお届けします。
* 日本の2003年度家庭用電力消費量約2,700億kWhを人口で割った一人当たり消費量は、約2,000kWhとなります(出所: エネルギー経済研究所「EDMCエネルギー・経済統計要覧2005年版」)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
詳細やお申し込みはぜひウェブサイトへ。
これからの時代は「取り戻す時代」だと、私はよく言います。そしてそれが環境問題の解決にも大きな力になる、と。時間を取り戻す。お金を取り戻す。つながりを取り戻す。そして、「選ぶ力」を取り戻す。
取り戻すきっかけや、選ぶ力を発揮できるオプションがたくさん出てきて、心強いです。私たちひとりひとりが、できることから、腑に落ちるところから、自分で考え、自分で選んでいくこと。来年も楽しみだなぁ!と思っています。