出遅れましたが、あけましておめでとうございます〜。
今年もどうぞよろしくお願いします。
1999年11月4日に思いつきで始めたこのメールニュース、相変わらず思いつきで続けておりますが、気がつけば7年目に入っています。99年には(2ヶ月しかないのに)いきなり49本配信し、そのころは数十人だった受信者の方々にびっくりされました。(現在は、約7500人の方に配信しています)
2000年には1年間に311本(毎日書いてました〜)、01年は257本、02年180本、03年146本、04年114本、去年05年は104本でした。着実に人並みになりつつあります!(ただし、かつてより長くなっているので、総量はどうなのか、よくわかりませんが・・・)
自分の活動の多くが、このメールニュースから始まったり大きくなったり、このメールニュースに書くために勉強をしたり、このメールニュースのおかげで、いろいろなことを教えてもらえたり。この媒体のおかげで得られた情報や知識、知恵、そして何よりもいろいろな方々とのつながりが、本当にありたがいなあ、と思っています。
さて、今年最初に「やろうとしたらできるってことが事実としてわかって、うれしいなぁ!」と思ったのは、「昨年の交通死者、49年ぶりに7千人を下回る6871人 ピーク時の約40%に」という記事でした。
全国の交通事故死者数は、5年連続で減少していて、戦後最悪の1万7千人近くに達し「交通戦争」といわれた1970年の約40%まで減ったのです!
すごいことだと思いませんか? 「便利さは捨てられないから、自動車事故はしかたないのさ」というあきらめムードも漂う中、約40%まで減るなんて。
いまからX年後の20XX年の新年の新聞に、こんな記事が出たらうれしいなぁ。「昨年の温室効果ガス排出量5億3560万トン ピーク時2003年度の約40%に」
2003年度の総排出量は、二酸化炭素に換算して約13億3900万トンです。これは、京都議定書の規定による基準年(1990年)の総排出量と比較して約1億200万トンも増加しています。近い将来に増加がとまり、減少に転じて、急降下していく、というカーブを、頭の中だけではなく、実際の統計上の数字でも描きたいですね。
さて、交通事故死者が減少した原因について、警察庁は「交通違反の罰則強化やシートベルト着用率の向上、救命技術の進歩などの相乗効果が背景にある」と分析していました。
もちろんそうなのでしょうけど、「減らしたいものを減らすことのできた」最大の原因は、「減らしたい!」という強い思いと、それぞれができるところで、その思いを行動に移したことなのだと思うのです。
法規制の担当者、シートベルトを定着させる新しいしくみづくりの担当者、自動車側の安全技術の担当者、いのちを救う医療技術の担当者、そして直接・間接的に「交通事故で亡くなる人を減らそう!」と活動してきた方々。
持続可能な社会にしていくために、いろいろな分野で「変化」を起こそうとしている私たちにとって、自分たちの分野やそのほかの分野での成功事例に学ぶことは、活動を効果的にしていくための鍵です。
交通事故死亡者数がこんなに減った! その背景にあるしくみや取り組み、一般の人々への伝え方、動かし方などから学ぶことで、私たちが減らしたい「二酸化炭素」でも「廃棄物」でも「有害化学物質」でも、減らしていくことができるに違いない! そう思いませんか?
年末から年始にかけて、今年自分が力を入れてやっていきたいことをいろいろと考えていました。ここ数年間のマイ・キーワードは、「変化」です。実際に変えていかなくちゃ間に合わない。でも自分や元々関心のある人たちだけが変わるだけでは足りない。「変化のドミノ」をどうやってカタカタと倒すことができるの
か? 「変化のうねり」をどうやったら作り出すことができるのか?
「自分が変わる。そして、人も変えていく」変化の担い手(チェンジ・エージェント)をどうやってサポートできるのだろう? そうと気づいていない人たちに「自分もチェンジ・エージェントなんだ」と気づいてもらうには? そうと気づいて活動している人たちに、その活動をもっと効果的にしてもらうには? 「変化を伝染」するために、何が必要なのか?
「変化を起こし、変化の担い手になるための三位一体」として、そうしたいと思う「心」、賢明にそうするための「頭」、効果的に動きつづけるための「身体」になぞらえて、「変化に必要なもの」をこのように考えています。
まずは「変化モード」。これは、「自分が変わる」ことです。
「変わる」ために必要なもの
きっかけ
↓
●心 変われる、変えられる、それはハッピーなことだ、という思い、信念
●頭 現状認識、問題の原因、変えるための方法、注意点の知識や理解
取り組み例、成功例
●身体 具体的に始めるしくみ(最初の行動計画、戦略作り)
スパイラルアップしながら続けていくしくみ(PDC)
そして、「サポート・ネットワーク」があれば、もっと効果的に強力に、たとえ、一時的にうまくいかなくて落ち込んでも、持ち直してまたがんばれる力が得られると思っています。
自分にできる範囲でしかできないのですが(あたりまえ〜。^^;)、そんな自分なりの枠組みの中で、提供できるものを考え、提供してきました。たとえば、
・「気づきのきっかけ」:100万人のキャンドルナイト、イーズメール、講演等
・「自分で変えられるし、それはハッピー!というメッセージ」:代表を務めているチェンジ・エージェントやイーズ開催のいろいろなコース、ワークショップ
・「地球環境の現状認識」:メールニュース、講演など
・「問題の原因、変えるための方法」:システム思考、講演など
・「取り組み例、成功例」:メールニュース、イーズメール、講演など
・「始めるしくみ・続けるしくみ」:イーズ開催のいろいろなコース、ワークショップ、イーズメールなど
・サポート・ネットワーク:メールニュースなど
4年前にシステム思考に出会い、特に昨年システム思考を含め、「変化を作り出していくための考え方やツールを提供する」ために立ち上げたチェンジ・エージェントを通して、考えてきたことは、個人の変化だけではない、「伝播モード」です。これは、まわりや人々を変えていく」ことです。
(人や世間を)「変えていく」ために必要なもの
●心 変えていける、変えたいという思い、信念
●頭 価値観や行動変容を起こすためのフレームワーク、ツール、
取り組み例、成功事例
●身体 デリバリーのスキル:コミュニケーション、発信力など
スパイラルアップしながら続けていくしくみ(PDC)
そして、こちらももちろんサポート・ネットワークがあるとより効果的です。なぜなら、各地域・各分野で「変化を作り出そう」とがんばっている人たちは、ひとりで独力でがんばっていることも多いからです。「自分だけじゃない!」「ああ、あのやり方は自分にも役立ちそうだ」「離れていても、いっしょにがんばろう」という連帯感やエンパワーメントがあれば、きっと続けていける、と。
今年の自分の活動計画では、特に伝播モードやサポート・ネットワークなど、上記の枠組みでまだ力を入れていないところを少しずつ埋めていく予定です。すぐにできる部分もあり、まずは勉強から始まる部分もありますが、できることを進めつつ、できることを増やしていけたらいいな、と思っています。
昨年から始め、今後数年間特に力を入れるのは、「問題の真の原因」を理解し、「目の前の解決策に走って、あとでまた問題を起こすのではなく、長期的にも全体的にも真の解決策といえるもの」を考えるためのシステム思考の普及です。昨年、自分の仕事時間の3分の1はこの活動に振り向けていましたが、今年も力を入れていきます。
システム思考のワークショップでは、「ループ図」というシンプルなツールを使って、「どうして今そうなっているのか?」「なぜいつもそうなってしまうのか?」「望む形にするにはどういう循環を作りだしたらいいのか?」を考えていきます。
4年前にシステム思考に出会ったとき、「システム思考は個人の成長にもきっと役立つはず!」と思いました。うれしかったことや小さな成功を次に活かすなど、自分で自分の「好循環」を作ることができれば、楽しくラクに進んでいくことができるからです。
そう思って、昨年秋に、一般の方々を対象に、「自分の成長に役立つシステム思考を身につけるワークショップ」を開催しました。許可を得て、参加者の方の感想から抜粋してご紹介します。
○とてもわかりやすかった。
○「システムの力」という概念が新鮮で、「利用しない手はない」と感じた。
○自己分析がしっかりでき、問題点の解決策が見つかった。
○自己分析をするといつも自分がいやになっていたが、それを感じずに分析できてよかった。
○最近つらい毎日を過ごしていましたが、問題点がわかりました。そして、今後いろいろな降りかかって来るであろう問題に対しての対応方法を学べました。自分にとって大きな大きな2日間でした。
○やりたいこと、やらなければと思うことがあっても、一歩踏み出せないことが多かったが、システム的に考えることで、自分の考えているやりたいこと、やらなければならないことは本当にそうなのか、なぜできないでいるかを客観的に理解できるように思う。
○二人の講師の説明や進め方はとてもわかりやすく、長時間にもかかわらず、集中して聞き、理解することができた。貴重な時間を持つことができ、これからの成長に役立つと思う。
○ゲームは、体感でシステムの大切さ、ループの力がわかり、楽しかった。
○個別にヒントをもらえる対応で、よかった。「感覚」や「直感」で動いているところに、ループ図を組み込んでみようと思います。
○今回は、自分の仕事面に特化して問題を出したが、何にでも当てはめることができるので良い。大勢の人と一緒に作業して、発表し、また聞くというやり方は、一人で本を読んでいたのでは得られない効果がある。
○システム思考って何だろう・・・とずっと考えていたのですが、今回の学びで、ああ、これだったんだな、とわかりました。
ワークショップ後も、参加者のみなさんは、ご自分に対して、または職場で、学んだシステム思考の考え方やツールをどんどん使って、新しい変化を起こしていらっしゃる様子が、参加者メーリングリストから伝わってきて、とてもうれしく思っています。
秋にはキャンセル待ちで参加いただけなかった方もいらしたため、3月に第2回を開催することになりました。ご参考まで、ご案内です。ご興味のある方がいらしたら、ぜひごいっしょに。
※ビジネス向けの半日ワークショップは1月17日に開催します。こちら、若干の残席がありますので、よろしければぜひどうぞ! 詳細・お申し込みは
こちらへ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここからご案内〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<自分の成長に役立つシステム思考を身につける>ワークショップを開催します。
「わかってはいるけど、なかなか変えられない」「せっかくがんばったのに、リバウンド(揺り戻し)が来て、元の木阿弥になってしまった」「これでいいはずなのに、一生懸命やってもどうも進まない」......。自分の勉強や仕事、生き方で、こんなことを思うことはありませんか?
または、「これをなんとかしなきゃ」「このままではいけない」と思うと、すぐになんとかしたいと解決策を探し求め、何かそれらしきものが見つかると、走り出しては、あとで後悔したり、進まなくなってがっかりしたりしていませんか?
「どうもうまくいかない」状況には、単一の原因があるのではなく、いろいろな要素が組みあわさってできている「構造」があります。その構造を変えない限り、いくら気持ちを新たにしても、教材を変えても、自分を叱咤激励しても、問題状況は繰り返し起こってしまいます。構造が問題を起こしているのであって、あなたの人格や根性のせいではないのです!
私の小さな例をひとつ、お話ししましょう。私はほぼすべての仕事をメールでやりとりしながら進めています。したがって、いつでもメールを受信し、送信できる体制で、仕事をしています。
メールというのは便利ですが、一方で、仕事の能率を落としてしまう危険性も持っています。私の場合よくあるのは、こんなことです。仕事をしていて、「あ、あの返事がまだだった」とふと思い出すと、メールの画面に切り替え、返事すべきメールを探そうとします。
ところが、目的のメールを探しているあいだに、いろいろなメールが目にはいることになるのですが、そうすると「あ、これも返事していなかった」「あ、この件、調べなくちゃいけないんだった」と芋づる式に(?)対応すべきメールが出てきてしまい、次から次へと一生懸命対応することになります。
そのうち、「あれ、私って何やっているんだっけ?」と我に返って、仕事に戻るのですが、気が散ってしまったあとに、もう一度仕事を再スタートするのに、時間やエネルギーがかかってしまい、能率が落ちてしまいます。
これを「あなたの集中力が足りないのよ」「気合いが足りない」「根性がない」等々批判・非難することは容易なのですが、それでは問題解決にはなりません。そのうえ、私は自分に大変に甘い性格なので(自分を叱ったり非難したりしない)、「いつもこうなってしまうのは、そうなってしまう構造があるからに違いない。その構造を直せば、自分の性格や根性を直さなくても問題は解決するに違いない」と考えました。
これがシステム思考の考え方です。システム思考では、ひとつひとつの出来事ではなく、行動パターンに注目します。そして、なぜその行動や問題が繰り返されるのか?というシステム構造を考えてみます。構造が変わらない限り、いくら応急処置をしても、同じ行動パターンが繰り返されるからです。自分や他人を責めるのではなく、システムの構造にこそ問題があると考えるアプローチです。
そして、システム思考のツールと考え方を用いて、私はこの「メール地獄」という小さな(でも私にとっては大きな)問題をほぼ解決することができました。種明かしをすれば「な〜んだ」というようなことです。
でも、表面的な問題ではなく、その行動パターンに注目し(行動パターンを表すためのツールがあります)、構造に注目する(構造を描くためのツールもあります)ことで、このような小さな問題から、「現在の仕事以外の勉強の時間を取りたいのだけど、どうしても目の前のことに流されて時間が取れない」という数年越しの問題まで、よい方向に向かって動かすことができるようになりました。
今回、このシステム思考を、自分の成長を考えていらっしゃる方々に身につけていただけるワークショップができました。海外で企業向け・NGO向けに開発され、各国で長年にわたって実績を重ねてきたワークショップをもとに、自己成長を求める日本人向けに開発したものです。個人の成長のみながず、関わっていらっしゃる組織や地域、社会や世界の問題解決を考えるアプローチとしても大変有効です。
秋の日に、自分の目標や先に進むための課題を振り返りつつ、システム思考の新しいアプローチやツールを身につけませんか。ゆっくりと振り返りをしつつ、ツールを身につけていただけるよう、2日間のプログラムになっています。(宿泊もできます)
ごいっしょできますことを楽しみにしております。
●日程:3月4日(土)、5日(日)
●場所:ホテルマリナーズコート東京(東京都中央区晴海)
http://www.hotel-mariners.co.jp/
(最寄駅:地下鉄大江戸線、勝どき駅より徒歩約10分)
レインボーブリッジが見渡せる、小さいながらも落ち着いたホテルです。
●スケジュール:
3月4日(土) 13:00-18:00 ワークショップ(1)
1.なぜシステム思考が必要なのか
2.自分のビジョンを考える
3.システム思考のツール(1)時系列パターングラフ
4.システム思考のツール(2)ループ図
18:30-20:30 懇親夕食会
3月5日(日) 9:00-13:00 ワークショップ(2)
5.システム思考の演習〜自らの課題をループ図で書いてみる
6.システム思考の実践
●対象:
システム思考をはじめて学ぶ方、ご自分のクセや目標を新しい視点で考えることで、先へ進みたい方。
●定員:15名ほど
●参加費:60,000円(税込み)
●講師:チェンジ・エージェント 枝廣淳子・小田理一郎
なお、1日目のワークショップの振り返りや宿題をじっくりしていただけるよう、また、遠方の方も参加していただけるよう、宿泊もできます(講師も泊まります)。お部屋はおひとり一部屋となりますが、部屋の指定はできませんのでご了承ください。宿泊代は、朝食(バイキング形式)付きで、10,500円となります。(参加費といっしょに、合計70,500円をお振り込みいただくことになります)
<お申し込み・お問い合わせ>
(有)イーズ 担当 関
info@es-inc.jp
お申し込みは、下記申し込み票を電子メールでお送りください。
※受付確認後、振り込み口座をお知らせいたします。入金確認を持ちまして正式な受付となります。その後、受講票と詳しいご案内を電子メールでお送りいたします。
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申し込み票
3月4・5日 ワークショップに参加します。
宿泊<する・しない>(どちらかをお選び下さい)
ご氏名
以前受講したコース名
メールアドレス
連絡先電話番号
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ご案内ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今年やる予定のこと・やりたいことを書き出したら、「盛りだくさんですね〜!」とまわりの人に呆れられるぐらい、たくさん並びました。自分を進める好循環のコツが少しずつわかってきた気がしています。システム思考をまずは自分に活用しながら、今年も少しずつ進んでいきます〜。
さて、昨年のメールニュースの本数は、ピーク時の約33%でした(交通事故死亡者数より減っている〜。^^;)。続けているあいだは、ゼロにしたいものでもないので、維持レベルあたりをめざして、今年もゆるゆると続けていくつもりです。
今年もどうぞよろしくお願いします。m(_ _)m