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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース
2006年07月10日
システム思考:新しいウェブサイト〜熊谷青年会議所の作ったループ図〜8月トレーニングコースのご案内(2006.07.10)
システム思考を活用することで「望ましい変化を創り出す力」を多くの方に身につけていただきたいと立ち上げたチェンジ・エージェントのウェブサイトをリニューアルしました。
http://change-agent.jp/index.html
<システム思考のツールや基本的な考え方などを紹介しています>
システム思考とは
システム思考の3つのツール
システム思考入門シリーズ アーカイブ
http://change-agent.jp/systemsthinking/index.html
<チェンジ・エージェントの提供しているサービスを紹介しています>
「変える」力を育む研修プログラム
「変える」力を引き出すファシリテーション
「変える」を形にするコンサルティング
「変える」力を社会に根づかせる教育機関向けプログラム
「変える」気づきと勇気を与える講演
「変える」ヒントを与える執筆
http://change-agent.jp/products_services/index.html
<よく寄せられる質問と答えを掲載しました。たとえば......>
http://change-agent.jp/faq/index.html
●システム思考について
「システム」とは何ですか?
「システム思考」は英語では何といいますか?
システム思考はいつごろからできましたか?
システム思考を使っているのは誰ですか?
システムというと難しく感じるのですが......。
「システム思考」と「論理的思考」(「ロジカル・シンキング」)との関係は?
「システム思考」と「システム・ダイナミクス」との違いは?
システム思考って、「システマティック」(体系的)ということと同じですか?
システム思考のツールは何がありますか?
システム原型は何種類ある?
日本にはシステム思考は存在していないのでしょうか?
参考図書はどんなものがありますか?
何歳からシステム思考の勉強ができますか?
システム思考でうまくいった事例は?
●チェンジ・エージェントについて
チェンジ・エージェントって何ですか?
私もチェンジ・エージェントになれるのですか?
チェンジ・エージェントには何が必要ですか?
●研修プログラムについて
コースの価格はいくらですか?
出張研修はできますか?
「経営戦略演習」とは?
「システム思考メルマガ」でもご報告しましたが(重複の方、ご容赦!)、「システム思考でまちづくりを考える〜熊谷青年会議所でのワークショップ続報」をお届けします。メンバーが作ったループ図もウェブサイトにありますので、ぜひご覧になって下さい。
ワークショップに参加したり数回のファシリテーションでいっしょに勉強することで、自力でこのような複雑な状況をシンプルに表す力を身につけることができます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
3月8日のメルマガで様子をご紹介した(社)熊谷青年会議所の「明るく豊かな熊谷を創る行動計画づくり」ワークショップの経過をご紹介します。熊谷青年会議所では、システム思考を身につけ、システム思考の強みを活かしてまちづくりを進めるためのワークショップをおこなっています。
前回ご報告した第1回ワークショップの後、再度チェンジ・エージェントの小田がファシリテーターとして参加したワークショップの報告です。
前回のワークショップでは、「望ましい変化を創りだすプロセス」の
ビジョン策定 → 問題診断 → 解決策 → 戦略策定 → 実行
という流れのうち、「ビジョン策定」の部分に取り組みましたが、今回は「問題診断→解決策」の部分に取り組みます。テーマは「つながりを探る」です。
今回のワークショップもまた、ラーニング・ゲームで幕開けです。システム思考の学習は、体験による気づきを促すことに特徴があります。今回は「フープ」というラーニング・ゲームで、社会や組織などの複雑なシステムがどういうものかを体感する目的で行いました。(どんな学びがあるかは、実際に体験していただく際のお楽しみに!)
続けて、各カテゴリーグループの発表です。熊谷青年会議所のメンバーは「自然環境」「人間環境」「地域環境」「教育環境」の4つのカテゴリーグループに分かれて活動しています。前回のワークショップでは、各グループがいくつかの指標を選び、システム思考のツールの1つである時系列変化パターングラフを描きました。
その後、宿題でそれぞれの指標について、変化を起こす要素となるものを考えてもらいましたので、今回はまず、各グループの考えた要素、つまりキーワードを発表してもらいました。
たとえば、自然環境グループの場合、「CO2濃度」、「里山」、「ダイオキシン濃度」、「ムサシトミヨ」という4つの指標を決め、それぞれについていくつかのキーワードを選んで発表してくれました。
ムサシトミヨというのは、冷たくきれいな湧き水を水源とする小川に生息するトゲウオ科の魚で、今では熊谷市にだけ生息し、埼玉県の天然記念物に指定されています。このムサシトミヨという指標を例にとってみます。「ムサシトミヨが地域の10%の河川に生息するようにしたい」がこのグループのビジョンであり、それにかかわる要素としては、「市民の意識」、「PR活動」、「生態系」、「水質」、「水量」などが挙げられました。
他のグループも、それぞれ指標を選び、その変化の実現にかかわってくる要素を発表してくれました。教育環境にしても、地域環境にしても、そのグループの扱う問題だけを切り離して考えていると本質的な解決にはつながりません。教育環境を考えるなら、経済や社会全体とのつながりを考えていくと、どこに働きかければよいかが見えてくるのでは、とアドバイスしました。
次に、よくある問題解決のアプローチの問題点についてお話しました。ある問題にはさまざまな原因があり、1つひとつの原因について、数多くの要素がたくさん関係して影響を与え合っているのですが、私たちはそのうちの1つの原因だけをとらえて、それにだけ対処する対策を立ててしまいがちです。
でも、このような線形のアプローチでは、根本的な問題解決はできません。全体を見て、さまざまな要素をつなぐ関係をみつける必要があるのです。だからこそ、システム思考が有効なのです。
いよいよシステム思考の重要なツールである「ループ図」の説明です。ループ図を描くのに必要となる5つの要素について勉強してもらいます。メンバーは事前にシステム思考ワークショップや勉強会に参加していましたので、ここではおさらいとなりました。
次に、「システムの抵抗を予見する」ということについてお話しました。システムに働きかけるとき、システムの複雑な構造は変化に対して「抵抗」します。そんなときは、今やっていることを「もっと早く」とか、「もっとたくさん」がんばってもうまくいかないのです(問題を悪化させることもあります)。そういうときには、立ち止まって一歩下がり、大局を見て考える必要があります。
・ 今、進めていることがうまくいっていないとしたら、何が足を引っぱっているのだろうか。
・ 目標の指標が望ましい方向へ動き出したとき、どんなことがブレーキになる可能性があるか。
このように抵抗を予見することによって、適切に対処し、広がりのある働きかけを意識して解決策をデザインすることができます。
ここまでお話したところで、グループごとに以下の流れでループ図を描いてもらうグループワークに入りました。
1. ループ図の変数となる要素を書き出す。
2. 各要素間のつながりを見つけて、「自己強化型ループ」を作る。
3. 「バランス型ループ」をみつける。
メンバーが4つのカテゴリーグループに分かれて、模造紙を前に座り、まず付箋紙に変数を次々に書き出す作業に取りかかりました。こちらは各グループを回りながら、変数を書き表す際のポイントを指摘したり、「現実にこの問題を引き起こしている、あるいは悪化させているものは何でしょうか」という質問を投げかけたりして、変数をどんどん書き出してもらいます。変数が出そろったところで、その変数どうしのつながりを考えて付箋紙を並べ換え、ループ図を作っていきます。
重要な要素には、たくさんのつながりがあります。そのつながりが連鎖して元の要素に戻ってくる場合、「ループ」(「フィードバック・ループ」)になるといいます。ループはつながりのパターンによって、「自己強化型」と「バランス型」の2種類に分類されます。世の中にはループは2種類しかありません。
複雑なシステムは、この2種類のループがさまざまな組み合わせで構成されていることが多いのです。図を描くことで、さまざまな要素のつながりが作り出す構造を見ることができます。
ワークショップの最後に、各グループにループ図の発表をしてもらいました。
・ アイディアや活動を広げるのに役立つ「望ましいループ」は何か
・ その「望ましいループ」に対して起こりうる「抵抗」となる要因は何か
ループ図① 地域環境:街の安全
ループ図② 人的環境:コミュニケーション
ループ図③ 教育環境:教育
ループ図④ 自然環境:ムサシトミヨの生息数
(ループ図はこちらでご覧になれます: http://change-agent.jp/news/000031.html )
ループ図を描くことは、目の前の解決策に飛びつくのではなく、全体像を考えることに役立ちます。要素のつながりを経て、最初は思ってもいなかったようなつながりもたくさん見えてきました。街の安全を考えるとき、街並みが重要な役割をしていたり、ムサシトミヨの生息は、川の上流や下流の人たちとの暮らしともつながっている、などです。
また、グループ別の作業を進めていたのですが、ほかのグループの課題とのつながりも多く見つかりました。このつながりに着目することで、どのようにすれば各グループの行動が全体として相乗作用を生み出せるかを考えることができます。
次のステップは、システムの構造への働きかけの介入ポイントを考えることです。ループ図に描きき出された要素のつながりは、発想を広げ、より多くの解決策を考えるのに役立ちます。
「望ましいループ」をどのように創り出し、また強くすることができるか、そして「望ましくないループ」をどのようにすれば弱めることができるか、さまざまなアイディアを出していきます。
出されたさまざまなアイディアを評価し、絞り込んで具体化すると行動計画となります。次回熊谷に伺う7月にどんな行動計画の発表が聞けるのか、とても楽しみです。
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システム思考のことを、「つながり思考」と言い換えたりしています。今日、多くの都市や郊外ではつながりが希薄になってきています。しかし、一見関係ないように見えても、私たちの社会や自然は、さまざまなつながりがあります。ふだん意識していなかったり、忙しさにとりまぎれて見失ってしまっていることもありますが、こういったつながりは、私たちの暮らしや街を紡いでいる大事なものです。
地域コミュニティの中で、ご近所の人たちや川や里山などの身近な自然、地域の特徴ある文化などとの「つながり」を見つめなおし、もう一度目に見える形にしてつなげなおすことで、さまざまな好循環を生み出すことに成功している街が世界にはたくさんあります。
システム思考は、そういったつながりを見つめなおし、課題の構造的原因や、改善の機会がどこにあるかをグループで話し合う上でとても有効なアプローチです。
あなたの街でも是非、システム思考をひとつの共通言語として、自分たちの街作りや将来の地域について話し合うワークショップを検討してみませんか?
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●システム思考メルマガへの登録希望の方は、ご利用になるメールアドレスから下記アドレスにメールを送信してください。(自動処理)
systems_thinking_byCA-subscribe@yahoogroups.jp
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
システム思考メルマガでは、先日出張して参加したボストンで開催された教育者と研究者・実務者のネットワークによるシステム思考の会議のようすを5回シリーズでお届け中です。ご興味のある方、ぜひどうぞ。ウェブサイトでも読めます。
6月に開催したシステム思考トレーニングコース(ビジネス向け)に参加いただいた皆さんの声をいくつかご紹介します。経営戦略演習を軸に、システム思考の上級ツールである「システム原型」を含む3つのシステム思考のツールを半日で習得するワークショップに、「半日で何日分も勉強した」との声が寄せられるほど濃い内容ですが、今回も皆さんから高い評価をいただくことができました。
● 色々な事象をパターングラフとループ図でわかりやすくする。正解は無く、色々皆が考えながら表現していく中で本質少しずつ見えてくる事が重要と感じました。とても勉強になりました。
● 日頃、漠然と考えていることを、時系列パターングラフやループ図を書くことによって、浮かび上がってくるものが、数多くあることを理解しました。おそらく、企業活動は、まさにそういう現象の塊なんだということが実感できました。何となく行き詰ってしまっている日常の課題に、是非この手法を用いてトライしてみます。
● 出来ごとに対する見方が変わった。表面だけでなく、いろんな力が作用し合っていることに気付きを強くした。
● いくつか実際で起こっている状況を整理するツールとして、役に立つと思います。早速やってみたいと思います。
● 実際のロールプレイを通じて、システム思考のしくみが判ったので、判りやすかったと思います。
混沌とした変化の時代に「一歩先取りができる」システム思考トレーニングを8月28日、10月20日にも実施します。複雑な問題に取り組むために、問題解決力や戦略的思考を強化したい方はもちろん、コミュニケーション力をアップしたい方、組織の英知を集めたい方、ぜひどうぞ!
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■「システム思考トレーニングコース: 望ましい変化を創り出す力をつける」
(2006年8月28日、10月20日開催)ご案内
アメリカやヨーロッパの教育者たちは、子どもたちが、ますます複雑化する社会を生き残っていくためには、目の前のことだけでなく、複眼的、長期的な視野でものごとを見て、考える力をつけることが重要と考え、システム思考を教育することに情熱を燃やしています。
複雑な問題に直面する私たちにも、システム思考は必要となっていきます。デュポン、BP、フォードなどの欧米の企業では、従来のように目の前の顧客や自社の事業所の中だけを見て意思決定をしていたのでは、これからの時代を勝ち残れないという危機感を強め、マネジメントレベルから現場レベルまで、システム思考をトレーニングプログラムに取り入れ、活用することで、「強い組織づくり」に役立てています。
「複雑な問題構造のツボを見抜く力をつけたい」
「複雑性を増す時代に必須のビジネススキルを身につけたい」
「グローバルな場面で、活躍したい」
システム思考にご興味のある方、社員研修の一環としてお考えの方、システム思考の基本ツールを現場で用いて本質的な問題解決を進めたい方、トレーニングコースにぜひご参加下さい。
=>詳細は以下のウェブページをご覧ください。
■日時
2006年8月28日(月) 13:00-17:30(12:45開場)
http://change-agent.jp/news/000026.html
2006年10月20日(金) 13:15-17:45(13:00開場)
http://change-agent.jp/news/000027.html
(各回とも内容は同じです)
■場所 都内会場(東京都渋谷区または中野区)
■コース概要
●システム思考とは
●経営戦略演習
●時系列変化パターングラフ―できごとではなくパターンを見る
●ループ図―システムの構造を描き出す
●システム原型―ビジネスシーンによく見られる構造
●システムへの介入―効果的な変化を創り出す介入ポイント
■募集人員 約25名
■料金 39,000円/人・回
■お申し込み・お問い合わせ
(有)チェンジ・エージェント 担当 関・増田・小田
info@change-agent.jp
TEL: 044-930-0012 FAX: 044-930-0013
お申し込みは、下記申し込み票を電子メールでお送りください。
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申し込み票
2006年_月_日システム思考トレーニングコースに参加します。
(日付をご記入下さい)
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ご所属 [ ]
メールアドレス [ ]
連絡先電話番号 [ ]
※この研修コースのことをどこでお知りになったか教えていただけると幸いです。
( ) a. 以前受講した人からのご紹介 ご紹介者名( )
( ) b. 職場・知人・友人からのご紹介
( ) c. システム思考メールマガジン.
( ) d. チェンジ・エージェントのウェブサイト
( ) e. チェンジ・エージェントからのメールによるお誘い
( ) f. 他のメールマガジンによるご案内 ( )
( ) g. その他 ( )
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※受付確認後、振り込み口座をお知らせいたします。入金確認を持ちまして正式な受付となります。その後、受講票と詳しいご案内を電子メールでお送りいたします。