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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2006年05月11日

ココロジー経営研究所立山祐二さんからのメール(2006.5.11)

 
すこし前に出した、[No. 1188] 「あちら立てればこちらが立たぬ」かも?~日常生活でもつながりを考えよう(2006.04.13)」に対して、ココロジー経営研究所の代表、立山裕二さんからメールをいただきました。ぜひ多くの方に読んでもらえたら、考えてみてもらえたらと思い、ご快諾をいただいてご紹介します。 ~~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~ こんにちは。立山です。いつもありがとうございます。 今日のお話しを拝読して、私の尊敬していたある経営者のことを思い出しました。 以下に、一昨年の11月9日に楽天ブログに書いたものを引用いたします。長文失礼いたします。 ・・・・・・・ここから引用 その人は、合成化粧品の問題に氣づき、天然ヤシ油を使った化粧品を開発しました。 しかしあるとき、洗顔によって日本で1日に海に流れ出る化粧品中の油が10万トン以上に達することを知りました。 ヤシ油は天然ですが、油であることには変わりありません。 ヤシの栽培で、森林が破壊されていることも知りました。 ショックで、仕事を辞めようかと思ったそうです。 しかし、努力の結果、油を使わない完全自然化粧品が完成したのです。 従来品と新製品。 さて、どのように販売したでしょうか? 一般には、どちらも並行販売するでしょう。 しかし、その人のとった方法は・・・・ 何と、自腹をはたいて(財産まで処分して)、従来品の在庫を全部回収したのです。 「従来品もそれなりに良いから、買ってくださいとはどうしても言えなかった」 そうです。 一方、「きれいごとでは商売ができない」と合成品を売って売って売りまくった経営者がいます。 彼らは、成功者と呼ばれています。 さて、本物の経営者はどちらでしょうか? ・・・・・これ以上、私は何も言いません。 残念ながら、私の尊敬していたその人は、数年前に亡くなられました。 かわいがって(指導して)いただいたことをとても光栄に思っています。 その人は、今でも私の心の師です。 ・・・・・引用ここまで ここでは数年前に亡くなったと書きましたが、実際は平成9年です。 今更ながら、素晴らしいシステム思考を持った経営者だったんだなあと思います。 実はパーム油ではありませんが、私も学生の頃に同様の経験があります。 以下も楽天ブログからの引用です。 ・・・・ここから引用 ◆学生時代の思い出 学生時代、今で言う「使い捨てカイロ」を作って遊んでいました。 鉄粉と触媒さえあれば、簡単にできます。 Aくんが提案しました。 「これって作って売ったら儲かるんじゃないか?」 ビジネスプランは? 価格は? デザインは? 大いに、盛り上がりました。 そのとき、Bくんがぼそっとつぶやきました。 「あのう、使い終わったらどこに捨てるの?」 一同、シ~~ン・・・・そしてガ~~ン! 「ホンマや、みんなが使うたら捨てる場所があらへん!」 その瞬間にこのプランはパーになりました。 しかしその後、誰かが考え、大量に出回りました。 世間ではこの人たちを「アイデアマン」「やり手」「勝ち組」と賞賛します。 そして、私たちのことを「ビジネスセンスのないヤツ」「負け組」と誹ります。 でも、私たちは今確信しています。 「27年前(実際は1978年)の決断は間違っていなかった」と。 もしみんなが 自動車に乗ったら? ゴミを捨てたら? 食べ残しをしたら? 空調を使ったら? 武器を持ったら? 土地を所有したら? 自分ひとりくらいと思ったら? 自分さえ良ければと思ったら? 怒ったら? けなし合ったら? 悪口を言い合ったら? 悪いこと探しをしたら? 環境よりも経済優先だと思ったら? もしみんなが 歩いたら? ゴミを拾ったら? ものを大切にしたら? 優しくしたら? 笑ったら? 許したら? 自然を大切にしたら? 自分ひとりからと思ったら? みんなの幸せを願ったら? 讃え合ったら? ありがとうと言い合ったら? いいこと探しをしたら? 経済よりも環境優先だと思ったら? では、 もしみんなが○○をしなかったら、どんなことになるだろうか? たくさん挙げてみよう。 ・・・・引用ここまで 近年、環境経営度調査をはじめ、環境の視点を経営に取り入れている企業がクローズアップされてきています。これはこれで良い傾向とは思うのですが、ランキング結果を見ていて「やっぱり変だ」と思ってしまうのです。 以下に2つの事例をあげます。 さて、どちらが「環境経営度が高い企業」でしょうか。 例1) a)ある商品を世に出そうとしたが、環境に対する悪影響が予想されたので、販売を断念した。 b)ある商品の環境への悪影響が予想されたが、あえて販売に踏み切った。 しかし、やはり環境への負荷が大きかったので、毎年継続的改善を図り、当初の環境負荷の10分の1にまで低下させた。 例2) a)創業時から全商品にレンタルシステムを導入していた。 b)環境負荷を低減するために数年前からレンタル制を導入し、その割合を増やしつつある。 普通に考えると、いずれもa)の方が「環境にやさしい企業」ですが、環境経営度ランキングでは、b)が評価されるでしょう。 これで、ランキング上位の企業は、環境負荷も多い理由が納得できるのではないでしょうか。 a)は、いわゆる「足るを知る経営」「宗教心のある経営」を実践してきた企業に多く見られます。いわば日本的(東洋的)経営です。「環境経営」は、「足るを知る経営」のほんの一部の概念に過ぎません。 今話題の、「CSR経営」にしても同様です。 しかし、「環境経営」「CSR経営」の中に「足るを知る経営」を無理に押し込もうとしているのが現状です。 b)のような企業を評価するのも改善という点でメリットはありますが、 同時にa)のような企業を評価できる「足るを知る経営度調査」も必要ではないかと思います。 今後は、企業を格付けするのはいいのですが、「格付けする側」もその資質が問われることになるでしょう。 これができて始めて、ISO14000シリーズなどの欧米スタンダードが、真のグローバルスタンダードへと進化するのではないでしょうか。 長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。 ココロジー経営研究所 代表 立山裕二 ホームページ:http://www.kokorogy.com ブログ:http://plaza.rakuten.co.jp/iikototanken/diary/ ~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~ 転載させていただいたもとは、こちらです。 http://plaza.rakuten.co.jp/iikototanken/ 化粧品について(2004年11月9日)。 http://plaza.rakuten.co.jp/iikototanken/diary/200411090000/ 学生時代について(2006年1月22日)。 http://plaza.rakuten.co.jp/iikototanken/diary/200601220000/
 

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