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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2007年01月25日

「不都合な真実」ゴアさんへメッセージを〜ブッシュ大統領一般教書演説より〜ツバルより(2007.01.25)

温暖化
 
本日22:00から始まるTBSラジオ「アクセス」で、温暖化をテーマに、ジャーナリストの井上トシユキさん、フリーアナウンサーの渡辺真理さんとのバトルトークに生出演します。私の登場は夜10時45分頃の予定だそうです(超深夜営業&バトルって恐そうだけど......。^^;) さて、アル・ゴア氏の映画『不都合な真実』を特別料金500円で観られるキャンペーンがあります。日本テトラパックの「エコサンデーキャンペーン」です。1月28日、2月4日、11日の各日曜日、TOHO系5劇場です。
http://www.tetrapak.co.jp/NEWS/RELEASE/061221.html ラッキーにもお近くの方、ぜひどうぞ! キャンペーンのお近くでない方も、ぜひ機会を見つけて見に行って下さいね。 「ゴアさんの映画を観て感動しました」「本を読みました」「知り合いにも勧めました」というお便りをあちこちからいただいています。広がりが感じられて、とてもうれしく心強く思っています。 先にご案内した環境NGO向け勉強会用5冊、10+1冊パックには、以下のメッセージカードを入れてお送りしています。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 『不都合な真実』をお求めいただき、ありがとうございます。特製ポストカードと本のご案内チラシともにお届けいたします。 ポストカードとチラシは1冊に2枚ずつ入れさせていただきました。どうぞ1枚は、まわりの方や大事な方に渡したり送ったりして下さい。この本のメッセージや温暖化についての関心がひとりでも多くの方に届きますよう、どうぞお力を貸して下さい。 それぞれできることしかできませんが、真実を知り、「できることを少しずつでもやっていこう!」という気持ちと取り組みがうねりのように広がっていきますように。どうぞよろしくお願いいたします。                                 枝廣淳子 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 また、ゴアさんにメッセージを届けるとともに、広がりとうねりをつくりだそう!という思いで、メッセージ・シートも作りました。 ぜひ、『不都合な真実』をお読み下さってのメッセージをお寄せ下さい。個別ではなくまとめた形にはなりますが、著者のアル・ゴア氏にもお届けしたいと思います。 また、まだこの問題をご存じない方、知っているけど関心のない方、関心はあるけど行動につながっていない方に、少しでも知り、関心を持ち、行動につなげてもらえるよう、みなさんのメッセージの力を使わせて下さい。どうぞよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜メッセージシート〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 送付先→ fax: 044-922-6130  mail: info@es-inc.jp 1.『不都合な真実』を読んで、自分の行動や生活で変えようと思うこと、変えたことがあれば、教えてください(いくつでも)。 2. 『不都合な真実』を読んで、家族や職場、身のまわりの人々に働きかけようと思うこと、働きかけたことがあれば、教えてください(いくつでも)。 3. 『不都合な真実』を読んで、社会や国に働きかけようと思うこと、働きかけたことがあれば、教えてください(いくつでも)。 4.ご感想やメッセージをお願いいたします。 ※気づきと行動のきっかけを創り出すために、いただいたコメントをお名前を出さずに、私のメールニュースやウェブサイト等でご紹介させていただければと思います。使用を許可されない場合は、こちらに印をおつけ下さい(  コメントの使用を許可しない) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 さて、先日「ブッシュ大統領は今度の一般教書演説で、温暖化に対するスタンスを大きく変える可能性が出てきた」という英国からの情報をお伝えしましたが、残念ながら、期待はずれに終わったようです。(_ _);;;; 実践和訳チームの温暖化サブチームのメンバーが、一般教書演説から、関連する部分をさっくりと訳してくれましたので、ご紹介します。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 希望と機会を拡大できるかどうかは、米国経済を持続させ、米国の環境をクリーンに保つことのできる、エネルギーの安定供給にかかっている。我が国はあまりにも長期間、外国産の石油に依存してきた。このため我が国は、原油輸出の停止や価格引き上げによって米国経済に打撃を与えることのできる敵対政権やテロ組織に対し、より脆弱になっている。 新技術を利用して米国のエネルギー供給源の多様化を進めることは、我が国にきわめて重大な利益をもたらす。したがって引き続きクリーン・コール・テクノロジーや太陽光・風力エネルギー、クリーンで安全な原子力などの利用拡大による、発電方法の転換を進めなければならない。 また、プラグイン・ハイブリッド車用のバッテリーの研究開発をてこ入れするとともに、クリーンなディーゼル車とバイオディーゼル燃料の利用を拡大する必要がある。木材チップから草や農業廃棄物までを利用した新しいエタノール生産方法開発のための投資も続けなければならない。 我々は政府の優れた政策と市場の鋭い反応により、大きな進歩を遂げてきたが、現在ではさらに劇的な進歩が可能となっている。そこで私はより大きな目標の追求を、すなわちこれまでの実績に加え、今後10年間で米国におけるガソリン使用量を20パーセント削減することを提唱する。この目標を達成すれば、総原油輸入量から、現在の中東からの原油輸入量の4分の3相当量を削減することができるのだ。 この目標を達成するためには、2017年までに再生可能燃料と代替燃料の使用基準を現行目標の約5倍の350億ガロンに設定することによって、代替燃料の供給を拡大する必要がある。同時に、軽トラックと同様に乗用車についても燃費基準を改定し、2017年までにガソリン使用量を85億ガロン削減しなければならない。 こうした野心的な目標を達成することにより、外国産の石油への依存度は劇的に低下するだろうが、外国産の石油を排除することが目的なのではない。また、燃料供給源の多様化を続ける一方で、環境に配慮しながら国内石油生産も強化しなければならない。私はさらに、石油供給源の断絶から米国を守るために、戦略石油備蓄を現在の二倍に増やすことを提唱する。 現在、石油依存度の引き下げを可能とする技術の躍進が目前に迫っている。こうした技術の助けにより、米国は環境のより良い管理者となり、地球の気候変動にかかわる難問に取り組むことができるだろう。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 結局、自国の経済のことしか考えていないのだなあ、ということが改めてわかってがっかりですね......。 「野心的な目標」と言っていますが、米国の燃費基準は、その基準を引き上げない理由として「中国の脅威があるから」と言っている、その中国よりも低レベルであること(つまり米国製の自動車は中国では基準を満たしていないので販売できない)は、ゴアさんの書籍『不都合な真実』の272ページにグラフとともに明らかです。 そんなふうに手をこまねいている間に、世界の現状は悪化しつつあります。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 オーストラリア政府機関、ツバルで75mmの海面上昇を報告
http://tuvalu.site.ne.jp/topics/20070115/top.html 2006年11月10日、AusAIDの太平洋気候変動会議において「What the South Pacific Sea Level and Climate Monitoring Project is Telling Us」と題された報告がありました。 これは、オーストラリア政府の主導で1991年より南太平洋で開始したSPSLCMP(South Pacific Sea Level and Climate Monitoring Project)*1が、取りまとめたもので、ツバル近海の海面は、フナフチ環礁での観測をスタートした1993年5月から2006年5月までの13年の間、年間5.8mmの上昇傾向にあり、合計で75.4mm上昇したとされています。他にもキリバスで6.0mm/年、トンガで8.1mm/年、などと南太平洋で軒並み海面が上昇している様子が読み取れます。
参照:http://www.bom.gov.au/pacificsealevel/presentations/briefing_paper_spslcmp_nov_2006.pdf SPSLCMPプロジェクトマネージャーのPhilip Hall氏は、NPO Tuvalu Overviewの取材に対して、年間5.8mmの上昇トレンドに、13年の観測期間を掛け合わせるという単純計算が成り立つことを認めたうえで「10数年間SEAFRAME*2によって集められている短期的な観測データは貴重なものであるが、本来、海面上昇の傾向を知るためには、20年以上といった長期的な観測が必要といわれているため、今回発表された海面上昇も、エルニーニョや10年間の変動など短期的な海洋の変化の影響を受けた結果起こっている可能性を含んでいる。」と語りました。 2002年8月18日、オーストラリア政府の発表によると、1978年〜2001年の期間の、ハワイ大学とAustralian National Tidal Facility (NTF)の共同研究では、海面上昇の観測には長期のデータ収集が必要であるという前置きと、データの欠損もあり不確かな点も認めつつ、ツバルの首都フナフチ環礁での海面上昇は約1mm程度であり、危惧する数値ではないというスタンスを示していました。
参照:http://staff.acecrc.org.au/~johunter/tuvalu.pdf しかし、今年の1月3日、オーストラリア気象庁から発行された年次報告書によると、過去約100年間におけるオーストラリアの平均気温も、世界全体と同様に、上昇傾向にあるという記述を読むことができます。
年次報告書:http://www.bom.gov.au/announcements/media_releases/climate/change/20070103.shtml 昨年のAusAIDの太平洋気候変動会議で、それまでの姿勢を一転して海面上昇を認めるかのような発表をした背景に、政治的な思惑がないのか?という問いにPhilipHall氏は「オーストラリア政府の政治的スタンスには変わりはない。海面上昇の傾向をみるには、最低20年の観測データが必要で、2002年の段階では10年程度のデータしかなく、科学的にはっきりとしたことが発表できなかった。2006年のデータは、2002年にくらべてデータの蓄積があり、より長期的な傾向がみえつつある。しかし、これらもエルニーニョなどの影響による短期的な海面の変化を理解するには十分だが、気候変動による海面上昇の傾向を科学的に分析するにはまだ十分ではない。」としています。観測開始から13年を経て長期的な傾向は見えているが、海面上昇が起きていると断定はできないという見解です。同時に、あと7年観測すれば科学的な分析が可能であるということのようです。 あと7年、このままの上昇トレンドが続くとすると、観測から20年目の2013年には海面が11.6cm上昇することになり、100年後には58cm上昇するということも考え得るのです。平均海面が58cmも上昇してしまっては、ツバルだけではなく、日本での甚大な被害も想像できます。私たちはすでに「Point of no return」にいるかもしれないという話しを聞くことがあります。そうではないことを祈りつつ、最大の行動を素早く効果的に実行していく必要があります。 文責 NPO Tuvalu Overview 代表理事 遠藤 秀一
取材担当 NPO Tuvalu Overview コーディネーター 川阪 京子 1 The South Pacific Sea Level and Climate Monitoring Project (SPSLCMP)とはオーストラリア政府が、South Pacific Forumに参加する南太平洋諸国が示した地球温暖化の気候や海面に対する影響への懸念に対応するために、1991年に始まったプロジェクト。 2 SEAFRAMEとは
SEAFRAMEステーションは、空気、水温、風速、風向き、気圧など多くの変動する関連要素も観測している。また、地球の重心を不動点とし、GPSと組み合わせて、潮位計測の基準点の位置を国際地球基準座標で継続的に測定することで、海面上昇に大きく影響を与えてしまう地殻変動に伴う観測点の動きを把握している。 2001年12月に動き出したミクロネシア連邦のポンペイのもの以外は、1994年10月から動いている。SEAFRAMEは、South Pacific Forumに参加する12の南太平洋諸国(クック諸島、ミクロネシア連邦、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ナウル、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツ)に設置されており、それぞれのSEAFRAMEを結ぶ海面上昇と気候のモニタリングネットワークがある。 ================================ この記事はWeb Siteにも掲載しました。
http://tuvalu.site.ne.jp/topics/20070115/top.html 記事の転載、配布はご自由にお願いいたします。
お問い合せはhttp://tuvalu.site.ne.jp/contact.htmlよりお願いします。 特定非営利活動法人 Tuvalu Overview 代表:遠藤 秀一
〒110-0001 台東区谷中7-5-5-201 TEL 03-5834-1456 FAX 03-3821-7898
http://tuvalu-overview.tv/ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ツバルは9つの島からなる島国だそうです。こちらのサイトには、首都があるフナフチ島(フナフチ環礁)の様子を伝えるすばらしい写真コーナーがあります。
http://tuvalu.site.ne.jp/album/index.html でも、美しい風景だけではなく、「海面上昇による被害」の数枚の写真もぜひ見ていただければ、と思います。(ブッシュさんにも見てほしいですねぇ)

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