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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2007年11月14日

シンポジウム「エネルギーチャレンジ〜原油価格高騰の時代、温暖化問題への取り組み」のご案内(2007.11.13)

エネルギー危機
温暖化
 

ちょうど、エネルギー問題をテーマとした書籍の翻訳が終わったところです。(スピーチをいちばん真剣に聞くのは通訳者じゃないかと思いますし、本をいちばん真剣に読むのは翻訳者じゃないかなー、と思いながら。^^;)

現状にしても、見通しにしても、途上国の動向にしても、温暖化への影響にしても、私たちはかなりあやうい橋をわたっていかないと、"あちら側"の「エネルギー問題の心配もいらない、低炭素型の未来」にはいきつけないのだなあ、、、と改めて思います。

エネルギーがなくては、私たちの社会や暮らしも成り立ちません。たとえば、食べ物もそうです。

アメリカでのデータですが、まえにメールニュースでご紹介したレスター・ブラウン氏のアースポリシー研究所からの配信によると、

「米国の食料供給システムでは、年間2,520兆キロカロリー(10,551兆キロジュール)を超えるエネルギーが消費されているが、これはフランスの年間総エネルギー消費量に匹敵する」とのこと。

「食料供給システム全体でみると、農業生産にかかるエネルギーは21%で、そのほか輸送14%、加工16%、包装7%、小売4%、レストランや仕出し店7%、そして一般家庭における冷蔵と調理32%といった形でエネルギーが使用されている」

「食料生産に費やされる21%のエネルギーの28パーセントは、化学肥料の製造に、7パーセントは灌漑に使われており、植え付けから耕作、収穫に使用される農耕用作業車のディーゼルオイルやガソリンとして34パーセントが消費される。残りのエネルギーは農薬の製造、穀物の乾燥、および設備を稼動させるのに使用されている」

「第一次産業は海外に任せ、自国では工業製品を作って輸出することで、食糧を海外から輸入する」という日本のやり方も、今のように(そしてこれからもっとそうなるように)石油をはじめとするエネルギーの値段があがってきたら、成立しなくなります。輸出にも輸入にも輸送エネルギーが必要だからです。

エネルギー価格が高騰し、高止まりすると(これはかなり確率の高い将来像です)、最悪の状況として、「ここには工業製品があり、あちらには農作物があるけれど、やりとりできない」という事態にもなりかねません。(工業製品は食べられません...... (>_<)

そんな見通しが濃くなる中、私たちはひとりひとり、そして、企業や組織、地域として、(本当は国としても!)何をどう考えて、動いていくべきか--

まえにもお知らせしましたが、来週20日に、まさにそのテーマでのシンポジウムを開催します。まだお席に余裕がありますので、ぜひふるってご参加下さい。

海外からのふたりの専門家に、「エネルギー問題の構造」と「エネルギーの現状と見通し」について語ってもらったあと、パネルディスカションをおこないます。(私がコーディネータをつとめます)

パネルディスカションでは、研究者とNGOを代表して、東京大学大学院 新領域創成科学研究科准教授藤井康正氏とNPO法人環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏から、それぞれ日本についての現状と見通しを語ってもらいます。

そして、東京都環境局副参事の小原昌氏から、自治体として東京都がどのように考え、取り組んでいるかを話していただき、株式会社リコー社会環境本部環境経営企画室室長の田中健司氏と、株式会社アレフ代表取締役社長の庄司昭夫氏に、それぞれの企業での考えや取り組みについて、お聞きします。

アレフはハンバーグレストラン「びっくりドンキー」で有名な会社で、まさに食を扱う立場として、エネルギーの今後の見通しや、それに備えての取り組みなど、先に挙げたデータとも関連するお話がうかがえると思っています。

現状に凝り固まることなく、本当に何が必要なのかをまさにバックキャスティングで考えていらっしゃるパネリストの方々ですので、私も遠慮なく(?)本音をぶつけて、「いま本当に、何を考えるべきか」を議論したいと思っています。

基調講演もパネルディスカションも、とても貴重な機会だと信じていますので、どうぞお見逃しなく! お知り合いやご友人にも転送してご紹介いただければうれしいです。

ちなみに、基調講演者のプレゼンテーション資料が届きました。「大学院の授業に使えそう......」というつぶやきが出るほど、エネルギーに関する充実した資料となっています。参加者には資料をお配りしますので、どうぞお楽しみに!

(なお、会場の国連大学ホールは現金の授受を厳しく禁じられていますので、当日の受付ができません。ご面倒でも必ず、下記の案内をご覧になって、お申し込み・参加費のお振り込みをお願いいたします〜)

●日時
2007年11月20日(火) 13:00〜17:00 (12:30開場)

●場所
国連大学ウ・タント国際会議場
(最寄駅:地下鉄表参道駅徒歩5分;JR 渋谷駅徒歩8分)

●プログラム概要
13:00 司会あいさつ/演者紹介

13:10 基調講演(1) 
     デニス・メドウズ氏(インタラクティブ・ラーニング研究所所長)
『成長の限界―ピークオイルと温暖化危機』

14:10 基調講演(2) 
  デイビッド・ヒューズ氏(カナダ地質調査所上級地質学研究員) 
『エネルギーチャレンジ―需給の現況、見通しと私たちの選択肢』

15:10 休憩

15:20 パネル・ディスカッション
『エネルギーチャレンジの時代にどう取り組むべきか』

パネリスト(五十音順)
飯田哲也氏(NPO法人環境エネルギー政策研究所所長)
小原昌氏(東京都環境局副参事)
庄司昭夫氏(株式会社アレフ代表取締役社長)
田中健司氏(株式会社リコー社会環境本部環境経営企画室室長)
藤井康正氏(東京大学大学院 新領域創成科学研究科准教授) 
 
コーディネーター:枝廣淳子(環境ジャーナリスト)

16:50 司会あいさつ

17:00 閉会


●基調講演演者プロフィール

○デニス・メドウズ氏 (インタラクティブ・ラーニング研究所所長)
デニス・メドウズ氏は、長期的な視点からものごとの全体像と根源を見るシステム思考の大家であり、人口、経済と地球環境に関するローマクラブへのレポートとしてまとめられた『成長の限界』は世界中で注目を集めた。MITで経営学博士号を取得後、MIT、ダートマス大学、ニューハンプシャー大学などで経営学、工学、社会科学などを教え、プログラムディレクター、学部長などを歴任した。システム思考、未来学、体験学習など10の著書を持つ。世界の企業のボードメンバー、政府・業界・NPOなどへのコンサルティングの実績多数。地球温暖化問題、ピークオイル問題における世界の第一人者でもある。

○デイビッド・ヒューズ氏 (カナダ地質調査所上級地質学研究員)
地質学者であるデイビッド・ヒューズは、カナダ地質調査所の研究者としてエネルギー資源の研究調査に30年以上携わってきた。カナダの石炭インベントリーのリーダーを務め、石炭に関するデジタル情報を使い、石炭の従来の利用法とコールベッド・メタン生産や二酸化炭素の固定化など新しい利用法にどの程度適用可能であるかを検討している。また、カナダ・ガス・ポテンシャル委員会における非従来型天然ガスのチームリーダーでもある。近年の関心は、エネルギーに関する「ビッグピクチャー」を描くことにある。エネルギー供給の継続性の長期的予測診断とエネルギー利用に関する政治および環境への影響に大きな関心を寄せている。ヒューズ氏のグローバル及び北米でのエネルギー分析は、アメリカ及びカナダの連邦政府、州政府、自治体、エネルギー供給業界団体及びエネルギーを消費するさまざまな業界団体で利用されている。


●参加費・資料代
3,000円
(基調講演のスライド資料抜粋を資料として配布いたします)

●定員
300名 (定員になり次第、締め切らせていただきます)

●主催
有限会社イーズ http://es-inc.jp
有限会社チェンジ・エージェント http://change-agent.jp

●協賛
レオス・キャピタルワークス株式会社
セイコーエプソン株式会社、エプソン販売株式会社

●お申し込み
以下申込書フォーマットにご記入のうえ、申込専用e-mailアドレス:energy1120@es-inc.jp までお送りください。折り返し、お支払い方法のご案内を自動返信メールにて送付いたします。

++++++++++++申込書++++++++++++++

シンポジウム「エネルギーチャレンジ」(11月20日)

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※複数名お申込される場合は、全員の参加者のお名前・ご所属をご記入下さい。

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※領収書をご希望の場合は、会場にてお渡しいたしますので、当日受付時にお申し出ください。


●お問い合わせ
有限会社イーズ
e-mail: info@es-inc.jp
Tel:03-5426-1128 Fax:03-6413-3762
担当:星野、足田

※申込専用e-mailアドレスはenergy1120@es-inc.jpとなります。お間違いないようお願いします。


※有限会社イーズは、2017年12月25日に移転いたしました。
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