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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2008年02月22日

『負けないで!―「いじめ」を生き抜く22通の手紙』刊行されました(2008.02.22)

大切なこと
 

今日はもう1本お届けします。
こちらは環境ではないテーマですので、雑談モードでどうぞ〜。

自分にとって、とても大事な本が出版されました。

「あなたはあなたのままでいい」

「いじめはあなたの価値を少しも傷つけたりしない。これだけは忘れないでほしい」

こんなメッセージを心から届けたいと思って書いた本です。


『負けないで!―「いじめ」を生き抜く22通の手紙』(PHP研究所)


「はじめに」と目次をご紹介します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

はじめに

大人の世界でも子どもの世界でも、悲しいことに「いじめ問題」があります。社会から見れば、「いじめという問題」があるのですが、本人にとっては「〜という問題」ではなくて、その状況そのものがとてもつらく、悲しく、苦しいものです。いじめが苦しいのは、「自分の存在そのもの」が否定されているように感じられることだと思います。

私も小学校のときに、いじめの対象になったことがあります。いまのいじめとは性格が違うものだったと思いますが、それでも、クラスの全員に無視されたり、悪口を言われたり、上履きを隠されたり、という経験はとてもつらいものでした。(いまでのそのときの場面やいじめっ子たちの顔や名前、泣きながら抱いていた自分の思いや感情はよーく覚えています)。

そして、大好きな母にも、そのことを言えずにいました。母には何でも話す仲のよい親子だったのですが! 大好きな母を悲しませたくない、というのもありましたが、何より、母に「いじめられるような子だと思ってほしくない」という思いが強かった――いまになって振り返ると、そう思います。子どもなりに、自分を、自分の存在価値を守ろうと一生懸命だったのだ、と。

ある日、あまりにつらくて、一瞬だけ「いっそ、この世からいなくなれば」と思ったことがあります。次の瞬間、私は大泣きしていました。残された母がどんなに悲しむだろう……と思うと、悲しくて悲しくて、絶対に『この世からいなくなる』ことなんて、考えるのはやめよう、と大泣きしながら心に決めたのでした。「この子が生きているだけでいい」という、親の無条件の愛が自分を救ってくれたのだと思っています。

私のいじめられ体験は、小学校卒業ととともに終わり、その後の数十年間は、そのときの経験も思いも、自分の心の中に封印してきました。当時のいじめっ子と再会する機会もありましたが、ごくふつうに笑って過ごせるようになっていました。

昨今、いじめを苦に命を絶つという痛ましい事件が続いています。そうした報道に触れるたびに、いじめを苦に命を絶とうかとチラと思ったことのある自分が、叫んででも伝えたい思いに心が熱くなります。

「あなたが悪いんじゃない。いじめられたって、あなたの価値も存在も、ひっかき傷ほども傷つかないんだよ。それに、そこにいつづける必要もない。世界は広いんだよ、自分を活かせる場を探すことだってできるんだよ」と。本書は、そんな私の思いを少しでも伝えることができたら、と思って、書いたものです。

いじめという「事件」は、子どもの心だけでなく、親の心も揺さぶります。親の心の持ち方や子どもへの接し方によって、つらい思いの子どもが救われることもあり、逆に、ますますつらくなることもあります。 『負けないで!』をひとつの手がかりに、いじめというつらい経験を通して、親も子も生き方を考えてもらえたら、と願っています。
 
この本は二部構成になっています。

第一部は、私からプチグマへの手紙形式の物語です。いじめにあっている子どもたちに、そして、同じくつらい思いをしている大人にも、ぜひ読んでほしいと思っています。

第二部は、親のための解説とアドバイスになっています。第一部の物語をモチーフに、状況ごとに親がかけてほしい言葉、取ってほしい態度を紹介していきます。わが子がいじめられているという現実をどう見つけ、どう自分自身の中で折り合いをつけ、どう子どもに接したらよいのか――すべてはケース・バイ・ケースですが、基本的な考え方や留意すべきことをまとめました。少しでもお役に立てば、と願っています。

親のための本ですが、いじめに悩む子ども自身が、そっと手にとって、少しでも自分を楽にするために役立ててくれたら--。

いじめの有無とは関係なく、「すぐに他人のことを気にしてしまう」大人や子どもが、自分にしかない自分の価値を自分で認め、受け入れ、小さな自信を持つきっかけになったら--。著者として、心からうれしく思います。

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負けないで! 目次


はじめに 1

第一部
負けないで! 〜「いじめ」を生き抜くための手紙

*「自分は自分」でいられたらいいね。 12
*人生は、いじめなんかで傷つかない。 16
*人の「気まぐれ」は変えられない。 18
*いじめは、あなたのせいじゃない。 20
*イヤなことから目をそらしてみよう。 22
*一瞬、遠くを見てみよう。 24
*未来の自分の目で「いま」を見よう。 26
*「楽しい時間」を見つけよう。 28
*「友だち関係図」をつくってみよう。 30
*「最悪のパターン」を予測しておこう。 32
*「言葉のニュアンス」に注意しよう。 34
*誤解されたら、気持ちを伝えよう。 36
*全部のアドバイスを聞かなくてもいいよ。 38
*「自分を活かせる場」を探してみよう。 40
*いじめられても、いじめる人にならないで。 42
*「距離を取る」練習をしよう。 44
*ものごとの「楽しい部分」を見よう。 46
*「学校以外の居場所」を探してみよう。 48
*「大丈夫な部分」もきっとある。 50
*「話せる相手」を見つけよう。 52
*あなたはちっとも悪くない。 54
*あなたの中にも「もったい」はある。 56


第二部
大丈夫! 〜親として、子どものためにできること

*アンテナを張り、「おかしい」と思ったら立ち止まりましょう。 60
・子どものサインを見逃さない「きっかけづくりの言葉」 62

*自分の気持ちより子どもの気持ちを優先しましょう。 66
・いじめを知ったとき「言ってはいけない言葉」 67

*何があっても、親は絶対に味方だと伝えましょう。 70

*子どもが自分のペースで話せるように聞きましょう。 74
・いじめの実態を知るための「気持ちを引き出す言葉」 76

*第三者に「聞き役」になってもらうことも考えましょう。 81
・聞いてくれる相手を紹介する「さりげない言葉」 82

*励ましの言葉は慎重に選びましょう。 85
・子どもの心に寄り添うための「共感の言葉」 86

*「人間と人間」として子どもと対等に向き合いましょう。 88
・子どもと向き合うための「わかち合いの言葉」 89

*言いたくないことを無理に聞き出してはいけません。 92
・問いかけに返事がないときの「思いやる言葉」 94

*登校するのは三十分だけでもいいのです。 96
・少しだけでも登校させるための「誘いの言葉」 97

*「学校以外の場所」に一緒に出かけましょう。 100
・外に連れ出すための「呼びかける言葉」 101

*いじめの人間関係図を親子で書いてみましょう。 104
・人間関係を図にするための「問いかける言葉」 106

*親が子どもの人間関係に介入するのはやめましょう。 109
・子どもを追いつめない「思いを軽くする言葉」 110

*先生に相談するかどうかは子どもに相談しましょう。 113
・先生と子どもの関係を知る「相談の言葉」 114

*他人のおせっかいから子どもを守りましょう。 117
・他人のおせっかいから「子どもを守る言葉」 118

*いじめ問題の解決には時間がかかると心得ておきましょう。 120
・なかなか解決しないときの「フォローする言葉」 121

*「転校」という選択肢もあると覚悟を決めておきましょう。 123
・転校という選択肢を考えるための「発想を変える言葉」 124

*子どもを「いじめる側」にさせない注意も必要です。 127
・いじめる側にさせないための「理性の言葉」 128

*つらい経験を「これから生きていく知恵」に変えましょう。 131
・つらさを知恵に変える「考える言葉」 132


おわりに 135

付録:予防と対応 140


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ひとりでも、気持ちや生きることがラクになってくれる人がいてくれたら、、、
そんな願いが届きますように。

 

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