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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2008年06月09日

JFS meets the Press〜JFSの夢(2008.06.09)

コミュニケーション
 

土曜日夜のNHKの生放送番組、けっこう難しかったですー。どうしても伝えたかったことが、時間切れで発言できず、残念でした。。。でもよい勉強になりました。

さて、日本の環境情報を世界に発信することで、世界と日本を持続可能な方向にプッシュしようと活動しているNGOジャパン・フォー・サステナビリティ(JFS)では、毎月、サポートして下さっている法人会員・個人サポーター・ボランティアの方々に、お便りをメールで送っています。3月のお便りで、共同代表からの
ひと言、として(ひと言以上ありますが!)私がお送りした文章です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

みなさま

いつもありがとうございます。
首相の懇談会でも「日本の情報を世界に発信しています」とPRしてきましたよ〜。

さて、3月18日、JFS史に残る小さな取り組みを行いました。「JFS meets the Press」と銘打った、在日外国人ジャーナリストや大使館向けの英語による記者会見です。

今回は、サミットもあるので、「温暖化防止に向けた日本の政府・産業界・市民の動き」というテーマを設定し、JFSの紹介の後、小田さん、小林さん、私の3人がそれぞれプレゼンテーションし、そのあと、質疑応答、そして、コーヒーを飲みながらの意見交換や懇談、という流れでした。

なぜ記者会見をやろうと思ったか? ここしばらく、JFSや私への海外メディアからの取材依頼がとても増えており、ひとつずつ対応するのが難しくなってきていることから、「まとめてやっちゃおう! 定期的に開催することで、ネットワークを作っていこう」と思ったからです。

初めての試みだったので、どのくらい集まってくれるか不安でしたが、当日、11名が参加してくれました。ほとんどが大使館などの方で、オランダ・ノルウェー・スウェーデン・スイス・ギリシャ・シンガポール・ウガンダ・ドイツ・フィンランドなどでした。当日はいらっしゃれなかったのですが、バーレーンやイラン、セルビアの方からもお問い合わせや申込がありました。

予定時間を超えて45分も熱心な質疑応答があり、そのあとも多くの方が残って、コーヒーを飲みながら、自国の取り組みについて話してくれたり、日本の取り組みについてさらに質問が出たりと、とても有意義な時間でした。

「ぜひ続けて下さい」という声が多く、私たちも意義があると思ったので、年に3〜4回ぐらいのペースで、定期的に続けられたら、と思っています。(ご興味のあるボランティアの方にも、少しずつのぞきにきてもらえるようにしますね)

まずは新しい試みが成功裏に終わったこと、ご報告します。

そうそう、ノルウェーの方が「現実をしっかり見つめる必要がありますよね。わが国の政治家は、それよりも20年後、30年後の話ばかりしている。そのほうが簡単ですからね」と発言されたので、つい、「わが国の政治家にとっては、20年後、30年後のことを考えたり話したりするのは、難しいみたいなんですよねぇ」とコメントしてしまいました。(^^;

これからも、日本の取り組みや考えを世界に伝えていく場やチャンネルを広げていきたいと思っています。それができるのも、毎日コツコツと作業して、とだえることなく記事を作ってくださったり、さまざまに活動をいっしょに進めて下さっているみなさんのおかげです。ひきつづき、どうぞよろしくお願いします!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今日はこの JFS meets the Press の第2回を開催します。今回も10を超える大使館などからの参加が予定されており(今回初めていらっしゃるところも多い)、少しずつネットワークが広がっていく手応えを感じています。

前回は私を含めJFSのスタッフがプレゼンと質疑応答をしましたが、今回は、政府の取り組みについては環境省の方に、NGO/市民の取り組みについてはWWFジャパンの方にお願いすることができ、現場に近い意見や見通しの話を在日大使館・ジャーナリストの方々に聞いてもらえること、とてもうれしく思っています。

JFSでは4月末にボランティア・ミーティング(ボラミ)を開催しました。このときに、はじめてのぞきに来て、それからボランティア活動を始めてくれた方もたくさんいらっしゃって、うれしい機会でした。

ボラミでは、「どんな未来をつくりたいか」というカフェ方式でのディスカションや、チームごとの活動紹介など、和気あいあいと楽しく過ごした後、最後に私が少し、今後についても含め、話をしました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ほんとに短い時間で、まだまだいろいろなチーム、もう少しのぞいてみたかったという方、たくさんいらっしゃると思いますが、終わりの時間が近づいてきたので、最後に私から少し話をしようと思います。

JFSの活動は5年半ぐらい前に始めましたが、始めた当時といまと比べてみると、ずいぶん世界の状況が変わってきたなと思います。5年半前に始めたときは、まだまだ意識啓発が必要な段階で、温暖化にしても、講演でもたとえば「温暖化は問題なんだよ」というところから、話をしていたように思います。

でもいま、日本だけではなくて、世界中で、たとえば温暖化を含め、そういうのは環境問題として大きな問題だと、人類全体で考えないといけないという意識は、非常に高まってきていますね。

なので、どういった組織もそうですが、JFSも、その時代その時代に合わせて活動を変えていかないといけない。私たちの目的は、「日本と世界を持続可能な方向に進める」ということですから、意識啓発というよりも、たぶん次のフェーズ、つまり行動にどうつなげるかというところで、JFSに何ができるかということを、いま考えています。

これは、立ち上げた当時は明らかにしなかったのですが--スタッフにもボランティアの人にも言わなかったような気がしますが--、私がJFSを立ち上げた、自分の中での大きな目的のひとつは、「アメリカを変えたい」ということでした。当時アメリカは、いまもブッシュさんはそうですが、とても後ろ向きで、京都議定書からも離脱してしまった。

アメリカを変えるためにどうしたらいいか、自分ができることでどうしたらいいかということを考えたときに、大統領のところに乗り込んでいって話をするということは、もちろんできませんし、それができたとしても、ほとんどアメリカは変わらないので、じゃあ、アメリカを変えられる可能性がある糸口はどこだろうと思ったときに、ひとつは企業だと思ったんですね。

企業は、国がどういうというよりも、自分たちの国際的な競争力を非常に気にしますね。なので、環境という側面で、日本は実はこんなに国際競争力をつけているんだ、と。ドイツだけではなくて、日本もすごく進んでいるんだ、それは、日本がこういうふうに環境に一生懸命取り組んでいるからだ、という情報がたくさん伝われば、きっと彼らは、ブッシュ政権に対して、「アメリカもちゃんとやってくれ。そうしないと、自分たちが国際競争力から取り残されてしまう」と、内側からプッシュしてくれないかなと、一縷の望みをかけて。

ですから、私は、一部、アメリカの企業の人たちを念頭に置いて、発信する情報を選んできているところがありました。

私たちの活動の成果がどれぐらいあったかどうかはともかく、アメリカの産業界はすごく変わりました。日本でも考えられないぐらいです。産業界のグループが集まって、ブッシュ政権に対して、「温暖化、ちゃんとやれ」「削減義務のある法律をつくれ」と圧力をかけているグループが出てくるぐらい、産業界は非常に意識が変わってきました。おそらくもう日本より進んでいるところがたくさん出てきています。

同じように大切なのは、やはり日本を変えることだと思っています。ヨーロッパが先に行っている。アメリカも非常に大きく変わろうとしている。そのはざまで日本は、残念ながらまだまだです。

いま首相の懇談会に出ていますから、直接そういった場で、もちろん話をしていますけれど、継続的な活動としては、世界というひとつの鏡を通して、日本をどう変えていくかということが、JFSにはできるんじゃないかと思っています。

ですから、先ほどの説明にあったように、日本の情報を発信すると、世界からフィードバックが来ます。それを日本の中に伝えることが、日本を動かすひとつの手だてになります。

首相の懇談会でも、企業のトップと話をするときにも、私はよく、JFSで得た情報や世界の声を伝えています。「世界では、日本をこう思っているんですよ」「世界の企業はこんなふうにいま、日本のことを見ているんですよ」というようなことを、使わせてもらっています。

もうひとつ、それを意識的にいまやろうとしているのが、この3月から始めたJFS meets the Pressという新しい試みです。これは年に3、4回できたらなと思っていますが、メールで情報を発信するだけではなくて、直接、日本にいる在日のジャーナリストや在日大使館の方々に、英語で日本の状況を伝える場をつくっていこうと思っています。

3月にやって、10人ぐらい、主に大使館の方が来てくださって、「こういう生の状況を聞けるのは非常に貴重だ」「続けてほしい」という声をいただいて、今度6月にもう一回やります。サミット前なので、また関心が高まって、集まってくれるんじゃないかと思いますが。

このあいだもそうでしたが、このあいだはJFSから、私たちが見ている日本の政府、企業、民間の動きというのを伝えましたが、そのうちに、その場をJFSが設定して、政府や産業界の人に登場してもらおうと思っています。そこで、海外の人たちがどういうことを疑問に思っているのか、どういうふうに見ているの
かというのを直接、質問というのは非常に大きなパワーがありますので、伝えていってもらうようなことをしようと思っています。

それから、もう少し長期的に私が考えていることは、JFSというのはJapanfor Sustainabilityの略ですが、これはスタートであって、ゆくゆくは、Worldfor Sustainabilityにしていきたいと思っています。

日本が持続可能性のためにできること、日本のいろいろな情報を発信する。そういったことをやっていますが、いま世界でも非常に進んだ活動がたくさんあります。それはそれで、別途、日本に情報を持ってくる活動もしていますが、JFSというひとつの場ができているので、理想的には、たとえば各国のそれぞれの進んだ動きを、各国があるプラットホームに載せていく。それをみんなで、世界で見ることで、お互いに刺激をし合ったり、学び合ったりすることができる、そういう活動にしていければ、と思っています。

たとえば、再生可能エネルギーの進んでいる国と、進んでいない国とあります。そういったときに、何があったら進むのか、何があったからあなたの国は進んだんですか、というようなことを、世界中の情報を寄せてもらう。

もしくは、「大きく仕組みを変えるために」「政府を動かすために」「お金を動かすために」どこを押したら動いたんですか、どういうことをいま考えているんですか、というようなことを世界中から集めると、それはすぐに世界中で使うことができると思います。

JFSは、日本の持っているものを世界に発信する活動ですが、それをひとつ進化させて、世界中がそういうやりとりができる、その場を提供できる、そんな形に、そのうちなりたいなと思っています。

しかし、日本からの情報発信は、これからも脈々と続けていきます。ボランティアのみなさん、ぜひその流れを一緒につくってもらえたらうれしいと思います。

残念ながら、世界の状況はこれから悪化します。温暖化ひとつ取っても、排出量は全然減っていません。増えています。ですから、悪化する状況しか予測できません。残念ながら、目を覆いたくなるような惨状がこれから世界の各地で広がっていくでしょう。

そうしたときに、普通の人間の反応として、そういった悲惨な状況を何度も何度も見せられていると、絶望したり、あきらめてしまったり、またはパニックに陥ったりする人たちがたくさん出てくると思います。日本でも海外でもそうです。

あきらめたり絶望したら、何も動かなくなってしまうんですね。それを私はいちばん恐れています。

そういう絶望感を募らせてもしょうがないような時代に、JFSに何ができるだろうと思ったときに、私は「希望の泉」になりたいと思っています。

どんなに状況が悪化しても、毎日ひとつずつ、日本からは何かしら前向きの、「ひとつ進んだ」「ふたつ進んだ」という情報が届く。そのことが、人々にきっと力と励ましと勇気を与えてくれるのではないだろうか、と。

ですから、JFSが発信する情報はポジティブな情報です。それは、それをお手本にしたり、刺激にしてほしいという意味もありますが、これからの、残念ながら厳しい時代を、その中でも立ち向かっていく勇気を持ちたいと思っている人たちの背中を押せるような活動をしていきたいと思っているのです。

そのためにはやはり、脈々と、こんこんと、この希望の泉がわき出る必要があります。これが枯れてしまっては、世界の希望が枯れてしまう。それでは困るのです。

そのためには、私たちの活動を支えてくれる人たちもこんこんと――ときどき卒業したり、ほかの活動に移ってやめていかれる方はもちろんいるので、こんこんと新しい方々が入っていって、新しい仕組みを一緒につくりながら進めていく。

私たちのJFSって、常に進化形です。ひとつも決まっているものはない。先ほど言ったミッション(使命)、つまり、やりたいことだけは決まっていますが、それをどういうふうに実現するかは、各チームの自律的な
発展に委ねられています。各チームがそれぞれでマニュアルをつくり、それぞれで工夫をし、毎回毎回改善して進歩しています。その集合体がJFSなのです。

常に進化する形として、会の最初に言ったように、日本と世界をできるだけ、1ミリでも2ミリでも、持続可能な方向に動かすための活動をやっていきたいし、そのために皆さんと一緒に続けることができたらと思っています。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

こんなJFSの活動を支援しよう、と思って下さったら、ぜひ法人会員・個人サポーターになって下さいな。スタッフの人件費や事務所代などが払えてはじめて、持続可能な活動ができますので〜。
http://www.japanfs.org/ja/member/

ボランティアの活動やチームはこちらに紹介があります。
http://www.japanfs.org/ja/jfs/volunteer.html

ご興味のある方、お問い合わせをいただけば事務局から「ボランティアチームのメニュー」をお送りしますので、ご関心のあるチームを選んでぜひごいっしょに。
JFS事務局:info@japanfs.org

サポーターやボランティアとして、これからの日本と世界を創っていく夢をいっしょに見ませんか。

 

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