私はずっと「伝える」活動をしています。考えてみれば、大学・大学院でトレーニングをしたカウンセリングも「いかに聴き、いかに伝えるか」が要(かなめ)ですし、通訳・翻訳の仕事も言うまでもなく「いかに伝えるか、どれだけ伝わるか」の勝負です。昔から好きだったんですねー。(^^;
私の場合、ただ自分の言いたいことを言う、というのではなくて、「情報や認識のギャップを見つけると、じっとしていられなくなる」のです。こちらではこんなことがわかっている。あちらではそれは知らない。でもあちらがそれを知れば、もっと幸せになるのに、と思うと、伝えたくなっちゃうのです。
温暖化についても、みんなが知っているべきだと思うことがまだ知られていない。こういう考え方を知ってくれたら、もっとラクに考えられるのに。こういう進め方を知ってくれたら、もっと正しく効果的に進めるのに......。
ということで、自分が大事だと思っていることを講演や原稿、メールニュースを通じてお伝えするほか、行政・企業・市民などの分野をつなぐ役割をしたり(みんな同じコトを話しているのに、バベルの塔みたいに、使っている言葉が違うから通じないことがよくあります。そこでの私の役割は「通訳」です。^^;)、日本と世界をつないだり(ここでは言語だけではなく、文化の違いを乗りこえる必要も出てきます)という活動をしてきました。これからも、場面や状況、対象は変わっていくかもしれませんが、「伝える、つなぐ」ことをずっとやっていくことでしょう。
伝える活動をしている中で、各地で同じように「伝える人」「伝えたい人」によくお会いします。それぞれの地域で、それぞれの組織で、伝えよう、わかってもらおう、とがんばっていらっしゃる方々がいっぱいいます。(そして、あちこちで抵抗やわからず屋さんに出会って、わかってもらえない、どうしたらよいのだろう、と困っている方もいっぱいいます。。。)
温暖化について、そんな「伝える人」や「伝える人のタマゴさん」たちのお手伝いを少しでもできないかな、伝えるときに私が気をつけていることや励みにしていること、考えていることをエールといっしょに送れないかな、と思っていました。
そうして、立ち上げたのが「日刊温暖化新聞」の「伝える人になる」コーナーです。私のプレゼンテーションファイルや、「マンガで伝える温暖化」など、だいぶコンテンツができてきたので、ご紹介しますー。ぜひ使ってください〜。
<日刊温暖化新聞 伝える人になる>
■こんな質問にはどう答える?
ここでは「伝える人」に浴びせられる(=私もよく尋ねられる)質問を取り上げ、エダヒロだったらどう答えるか、をご紹介していきます。もっとよい答え方や別の観点などあったら、ぜひお寄せください。
いま載っている質問は、このようなものです。
> 温暖化のことをいくら説明しても、「温暖化なんて起こっていない、人間のせい
> ではないと言う科学者もいるではないか」と反論されてしまいます。どう考えた
> らいいでしょう?
こういうこと、言われたことありませんか? どうお答えになりますか? 私はどう答えているでしょうか?
■伝え続けるために
ここは「伝える仲間」のひとり(=私)からの考え方やヒントを載せていきます。
現在、3つ載っています。
○自分の伝える力を高めていこう
「PDC」で、自分の「伝える力」をどんどん強くしていきましょう。
○どうしてもわかってくれない人もいる
何かを伝えようと思ったとき、わかってくれない人もいます。そんなときに精神的につらくならない考え方を紹介します。
○心を込めて あなたへ
伝え続けるためにがんばっている人へ、エダヒロがエールを送ります。
■プレゼンテーションのコツ
「伝える人になる」キットシリーズ
職場や学校など、自分のまわりの人たちに「温暖化の問題を伝えたい」と考えている方に使ってもらえたらと思い、プレゼンテーションツールを作りました。自分がいつも使っているものや、基本的な情報をパワーポイントにしてあります。スライドを見せながら話す内容も書いてあります。
簡単なアンケートにお答えの上、ダウンロードして使ってください。いま、2つアップされています。(もう1つは、近日中にアップ予定)
○プレゼンテーションツール
1.温暖化のしくみとめざすべき目標
温暖化BASICで使っているデータを使って、基本的なしくみと、世界のCO2削減目標について解説します。
プレゼン所有時間:約20分
2.私たちは何をすべきか
※近日公開予定
○オリエンテーション冊子
マンガで見る地球温暖化のしくみと望ましい変化の作り方
(原案:枝廣 淳子、作:マツモトサツキ)
エダヒロの講演内容をマンガで読むことができます。親しみやすく分かりやすい構成で、子供から大人まで楽しく学んでもらえそうです。
そして、解説映像「地球温暖化シミュレーション」へのリンクがあります。
コンピュータによって温暖化による未来の気候変化を予測する研究は世界各国で精力的に行われています。日本では、国立環境研究所、東京大学気候システム研究センター、海洋開発機構の共同研究チームが、世界最大級のスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を使い、2100年までの温暖化予測計算を行いました。
1900年から2100年までの温暖化予測シミュレーションを映像で公開しています。「あの人の温暖化論考」でも登場していただいた、江守正多さんが解説します。
解説映像「地球温暖化シミュレーション」
http://www.team-6.jp/cc-sim/
いまのところのコンテンツは以上です。これからもキットや質問、エールなど、拡充していきたいと思っています。使えそうなものがありましたら、ぜひ使ってください。温暖化について、伝えていきましょう! 伝える活動をなさっているお知り合いがいらしたらぜひお伝えくださいな。
と、コンテンツを拡充しつつある「日刊温暖化新聞」ですが、これからも持続可能な運営をしていくため、先日は企業・団体パートナーになってください、というご案内を差し上げました。
「個人ですが、サポートできませんか?」というお声もいただいており、とてもうれしく心強く思っています。毎日の世界からのニュースを発信するにも、上記のさまざまなキットや資料の作成にも、ウェブサイトの管理そのものにも、経費が発生します。(私自身の作業はボランティアとしても)ほかの経費をまかなってはじめて、活動を続けることができます。
ということで、活動に賛同してサポートしていただく「日刊温暖化新聞 個人サポーター」になっていただけたらうれしいです。
●対象
日刊 温暖化新聞の趣旨に賛同し、その運営を支援したいと考えてくださる個人の方
●寄付額
一口5,000円/10,000円(何口でも)
※「日刊 温暖化新聞 個人サポーターの会」(任意団体)にご寄付をいただき、その資金を「日刊 温暖化新聞」ウェブサイトの運営にあてさせていただきます。
なおご寄付いただいた個人サポーターの方々には、いただいたご寄付をどのような活動に使わせていただいたかをご報告(年1回)いたします。
●特典
日刊 温暖化新聞からのお知らせを配信(年数回・不定期)
日刊 温暖化新聞またはイーズが主催・共催するイベントへのご招待(年に1回程度)
日刊 温暖化新聞ウェブサイトの個人サポーターのページにお名前を掲載
※ご希望される場合のみ。
●お問い合わせ
「日刊 温暖化新聞」個人サポーター担当:飯田
E-mail:info@daily-ondanka.com
TEL:03-5426-1128/FAX:03-6413-3762
よろしかったらぜひご支援ください。
よろしくお願いいたします〜。m(_ _)m
ウェブサイトにもありますが、坂本龍一さんや小林武史さん、池上彰さんなどから、日刊温暖化新聞にうれしい応援メッセージもいただいていますので、ご紹介させていただきます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
●僕の物差しのひとつにさせてもらっています●
説明するのは難しいんですが、直感も含めて、僕は枝廣淳子という人をかなり信用しているし、最近では「彼女ならどう考え、感じるのか」ということを僕の物差しの一つにさせてもらっています。
同じ時代に生きている我々は、個々にいろいろ違いはあるにせよ、僕らが何を模索し、どう未来に立ち向かっていくのかが重要であることには違いありません。
そのことに関して、彼女は、あまりぶれることなく淡々と前に進んで行きます(少なくとも僕にはそう見えます)。そんな彼女がやっている「日刊 温暖化新聞」。本当に、枝廣さんらしい取り組みだなと思っています。僕も、毎日見るような習慣をつけます、必ず。
音楽プロデューサー、キーボーディスト 小林武史さん
●私たちができることを考えるための、貴重な手がかりです●
地球温暖化というけれど、どこで何が起きているのか。それに対して、人類は、国際機関は、各国政府は、何をしているのか。あるいは、何をしていないのか。まずは、それを知り、そこから、私たちができることを考える。この「日刊 温暖化新聞」は、そのための貴重な手がかりです。
ジャーナリスト 池上彰さん
●ぼくもほぼ毎日「日刊温暖化新聞」をチェックしています●
情報や知識が簡潔に、見やすくまとめられているので、とても役に立っています。これからも、貴重な情報をぼくたちに提供してください。
音楽家 坂本龍一さん
●ジャーナリストにとって、貴重な情報源となっています●
環境問題の報道に携わるジャーナリストにとって、この「日刊 温暖化新聞」は、とても貴重な情報源となっています。
特に海外の動きをこれだけ迅速に日本語で伝えてくれるメディアは他にありません。原文サイトをリンクしてくれているので、詳しい情報にすぐアクセスできます。
また、新技術の導入や製品開発の情報など、日々ダイナミックに動きつつある経済の動向もキャッチすることができ、番組取材の参考にさせていただいています。これからも、「日刊 温暖化新聞」のさらなる発展を応援します。
NHK「SAVE THE FUTURE」プロジェクト担当
専任ディレクター 西川美和子さん
●温暖化を本気で伝えるためのウェブサイトです●
温暖化という問題が大変らしいということは多くの人が知っている時代になりました。しかし、そのうちのほとんどの人たちは、ではどうしたらよいのかがわからず、結局のところ何もしていないだろうと思います。
温暖化を本気で心配している一部の人にとって、「わかってない人がたくさんいる」「なかなか伝わらない」「なぜみんな何もしないのか」と憂えたり嘆いたり世間を責めたりするのは簡単ですが、もちろんそれでは温暖化は解決に向かいません。
ではどうやって伝えたらよいか、それを本気で考えている人が枝廣淳子さんなのだと思います。そして枝廣さんが本気で伝えるアイデアが結晶したものが「日刊 温暖化新聞」です。その内容は主に情報提供と視点の提供であり、決して押しつけがましくないところが、また枝廣さんらしくてよいですね。
このサイトを活用する人が少しずつ増えることで、やがては「なかなか伝わらない」と嘆いていた時代が過去のものになることを祈っています。
国立環境研究所 地球環境研究センター 温暖化リスク評価研究室長
江守正多さん
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
江守さんが書いてくださったように、「なかなか伝わらない」と嘆いていた時代が過去のものになることを祈って、今日もメールニュースを書いちゃってる私ですー(原稿の〆切日なのに!^^;)。
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