エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース
2008年07月02日
自転車で通勤・通学を~ピーユーケーセーバー・プログラム(2008.7.2)
前々号でご紹介したデンマークのファクトシートに、コペンハーゲンの目標や取り組みについての説明もあり、とても興味深く読みました。「世界一のサイクリング都市になる」という目標について、以下のように書いてあります。
http://www.ambtokyo.um.dk/ja/menu/Symposium2008/
~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~
通学や通勤に自転車を利用するコペンハーゲン住民を、現在の36パーセントから、2015年までに50パーセントにする。
コペンハーゲンの自転車専用道における負傷者数を半分に減らす。
現在58パーセントの自転車利用者が交通面で安全だと感じているが、その数を80パーセントに伸ばす。
~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~
すでに市民の3分の1は、通学や通勤に自転車を使っているのですね! それをもっと増やすための施策を進めているのですね。
「青い緑の首都になる」というテーマでは、「2015年までに、コペンハーゲン住民の90パーセントが公園やベンチ、自然の美しい場所、港、水泳のできる施設へ徒歩15分以内に行けるようにする。さらに、2007年と比較し、住民たちがこれらの場所に50パーセント以上の頻度で訪れることを目指す」という目標が設定されています。これもステキですね。
日刊温暖化新聞には、英国の「自転車都市」の話題も載っていました。「将来的な自転車人口を2倍にする」という意欲的で明確なビジョンを掲げるグレーター・ブリストルという都市をモデル都市として進めていこう、という内容です。
http://daily-ondanka.com/news/2008/20080627_1.html
日本でも、「自転車モデル都市」が、「通勤や通学の自転車利用の割合」に関する目標を定めて、そのために必要な施策を打っていく、という事例があちこちに出てくるとよいですね。(もしご存じでしたらぜひ教えてくださいな!)
さて、今度は自転車ではありませんが、「これもいいなー。日本でもできるのかな~? 日本でも何かできないのかな?」と思う情報がありましたので、ご紹介します。実践和訳チームの温暖化サブチームメンバーが訳してくれました。
カナダの電力会社の「Peaksaver」(ピークセーバー)というプログラムです。
米国にも同様のプログラムがあると聞いています。
~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~
トロント・ハイドロエレクトリック・システム社(カナダ最大の市営電力供給会社であるトロント・ハイドロ社の子会社)は、家庭や企業の空調機に取り付けたスイッチを通じて電力ピーク時の電力供給を調節する、ピークセーバー・プログラムを導入しました。
これは、プログラムに参加する家庭・企業(持家、自社ビル所有の場合のみ)のエアコンや給湯器に無線で作動する「ピークセーバー・スイッチ」を設置し、電力消費のピーク時にトロント・ハイドロ社が信号を送って、一時的に機器を停止させるという仕組みです(セントラル空調・給湯システムのみ)。
エアコンの場合は30分間に15分間程度、断続的に停止させ、給湯器やプールのポンプの場合は一定期間(4時間未満)停止させます。小規模な小売店舗など、サーモスタットを2度程度上げる場合もあります。エアコンが停止しても、室温はわずかに(1度程度)上昇するだけです。
契約者は申し込みをするだけでプログラムに参加でき、導入費用やメインテナンス費用は一切かかりません。トロント・ハイドロ社は「熱波が来ても、ほとんど室内で不快を感じることなく、ピーク時の電力使用を減らせるシステム」とうたい、トロント市のピーク時の電力消費量を総計7メガワット(1,600家庭以上の電力需要に相当)を削減できると見込んでいます。
~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~
エアコンが切れても、ファンは回っているので、ほとんど切れていることに気づかないとか。
こんなふうに「じょうずに間引き」するくふうや技術は、人々の幸せや満足を損なうことなく、エネルギー消費量やCO2排出量を減らすことができますよね。
みなさんのまわりや仕事、会社でも、そんなくふうや技術、考えられませんか?