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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2009年02月22日

世界各国の二酸化炭素排出量のデータと分析 (2009.02.22)

エネルギー危機
温暖化
 

前号でお知らせしました「温暖化を防ぐために、自然エネルギーを増やす政策に関するアンケート」調査結果、「日刊 温暖化新聞」の「REPORT」コーナーに掲載してもらいました。円グラフなども見やすいです。
http://daily-ondanka.com/report/ondanka_04.html

プレスリリースをpdfでダウンロードできますので、よろしかったらあちこちにお知らせ下さい。(この固定価格買取制度そのものを知らなかった、という方が大多数だと思います。少しずつ認知度を上げていきましょう〜!)

さて、「日刊 温暖化新聞」の「温暖化BASIC」というコーナーには、温暖化の仕組みの説明と、いくつかの基本データが載っています。
http://daily-ondanka.com/basic/index.html

「基本データ」は、

地球のCO2濃度の変化
地球の平均気温の変化
今後の地球の気温の予測
日本の平均気温の変化

のほか、

世界と日本のCO2排出量
日本が排出する温室効果ガスの種類別割合
日本のCO2排出量の推移
日本の部門別CO2排出量の割合
日本の家庭からのCO2排出量

といった排出量に関するデータもあります。

ここにあるのは主に日本とグローバルのデータですが、「各国の排出量はどうなっているのだろう?」と思われたら、英語サイトですが、ぜひこちらへどうぞ。

Carbon Dioxide Information Analysis Center (CDIAC) のサイトです。
http://cdiac.esd.ornl.gov/trends/emis/overview.html

これは、米国エネルギー省の「二酸化炭素情報分析センター」で、オークリッジ国立研究所にあります。

Global, Regional, and National Fossil-Fuel CO2 Emissions

ということで、グローバル/地域別/国別の排出量データや分析が載っています。ほとんどすべての国のデータをグラフで表示したり、デジタルデータで入手できるものもあり、とても便利です。

国名リストはここにあります。
http://cdiac.esd.ornl.gov/trends/emis/tre_coun.html#J.

日本についてのページには、日本のCO2排出量のグラフがあります。残念ながら、まだどんどん増えています。
http://cdiac.esd.ornl.gov/trends/emis/jap.html

一方、すでに減らし始めている国もあります。たとえば、
ドイツのグラフ: http://cdiac.esd.ornl.gov/trends/emis/ger.html
スウェーデンのグラフ: http://cdiac.esd.ornl.gov/trends/emis/swe.html

世界中の国では多すぎる〜という方は、2005年の「排出量の上位20ヶ国」のデータやグラフをどうぞ。20ヶ国のCO2排出量の推移が見られます。
http://cdiac.esd.ornl.gov/trends/emis/tre_tp20.html

このサイトから、グローバルと日本についての分析コメントを実践和訳チームの温暖化グループメンバーに訳してもらいましたので、お届けします。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

●世界の化石燃料に由来する二酸化炭素排出量

○傾向

1751年以降に、化石燃料の消費とセメント生産によって約3,210億トンの炭素が大気中に排出された。排出量の半分は、1970年代半ば以降に発生したものである。

2005年の世界の化石燃料による炭素排出量は推計79億8,500万炭素トンとなり、2004年から3.8%増加の過去最高値となった。


世界全体では、液体および固形燃料が、2005年の化石燃料燃焼およびセメント生産による排出量の76.7%を占めている。

2005年にはガス燃料(天然ガスなど)の燃焼が、化石燃料に由来する総排出量の18.6%(14億8,400万炭素トン)を占めており、世界中で天然ガスの利用が徐々に増えていることがわかる。

セメント生産による排出量(2005年には3億1,500万炭素トン)は1970年代半ばから倍以上に増加し、現在では化石燃料燃焼とセメント生産による世界の二酸化炭素排出の3.9%を占めている。

1970年代の世界の排出量の約2%を占めていたガス・フレアリングは、現在では世界の化石燃料由来の排出量の1%未満に減少している。

●日本の化石燃料による二酸化炭素排出量

○傾向

日本のこれまでの化石燃料による二酸化炭素排出を振り返ると、1973年に突然の変化が起きていることが目立つ。戦後1950年から1973年までに年間9.6%増加していた総排出量は、1974年から1987年はほとんど横ばいに推移している。

1987年から1997年の間に排出量は30%増加し、3億1,900万炭素トンに達した。この時期の排出量増加の特徴は、1970年代後半の液化石油製品の消費水準に戻ったことと、石炭と天然ガスの消費量が増加したことである。

1977年以降、日本の化石燃料による二酸化炭素排出量は微増し、2004年には3億4,200万炭素トンに、2005年には3億3,600万炭素トンに達した。

2005年の国連エネルギー貿易データによると、日本は世界最大の石炭輸入国(1億7,500万トン)および液化石油ガス輸入国(1,410万トン)であり、世界第二位の原油輸入国(2億700万トン)、第三位の天然ガス輸入国(32億テラジュール)である。

2005年の日本の国民一人当たり化石燃料による二酸化炭素排出量は、2.69炭素トンである。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

日本のCO2排出量を減らすには、早く「脱化石燃料」を進めなくてはならないことがわかります。そして、「脱化石燃料」は、CO2削減だけではなく、国としてのエネルギー安全保障や、日本の経済や社会のためにも(不況で輸出が減っても、国を動かすためのエネルギーを海外から買い続けなくてはならない)大事です。

「脱化石燃料」のためには、
(1) 使う燃料を減らしていく(=省エネ)
(2) 使う燃料を替えていく(=自然エネルギーへの転換)
を進めていくことです。

なので、自然エネルギーを増やすための政策の一つとして、「固定価格買取制度」を早く導入してほしい!と思っているのです。

そうそう、
世界各国のCO2排出量のランキングだけではなく、これからは「increaser(インクリーサー:増やす人・国)」や「reducer(リデューサー):減らす人・国」のリストに分けて見ていきたいですよね。

どの国がすでに減らし始めているのか、それはどういう要因や政策が効いているのか。

そういう情報が集まっているところを、もしご存じでしたら教えて下さいな!

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