おうちや会社にいながらにして、森の涼やかな空気とゆったりした時間を楽しめる写真ギャラリー、「私の森.jp写真部」をご存じですか?
http://watashinomori.jp/go/photo.html
私は、「一仕事終わった〜」というようなときに、コーヒーを煎れながらここの写真を眺めるのが好きなのですが、どんどんステキな作品が増えています。ぜひ「森の出前サービス」をお楽しみください。(^^;
「森の本・DVD」のコンテンツも増えているし、
http://watashinomori.jp/knowledge/library.html
「伝えたい、森のいま」にも、「経木の魅力とは?食べ物を包む「経木」の話(佐藤経木工場)」がアップされています。
http://watashinomori.jp/knowledge/message.html
このような新着情報や、森のクイズ、全国各地の森からの季節便りなど、その日、森のことを考えるきっかけになるような、楽しい内容をお届けする「私の森.jpメールマガジン」の最新号を、末尾につけておきますね。
イベントのご案内、投稿企画へのお誘い、アンケートのお願いなど、参加型の企画も折々にご案内していく予定なので、よろしければメールマガジンにご登録ください〜。今年は森へのツアーもおこなう計画です。
「私の森.jpメールマガジン」の登録・変更・解除はこちらです。
http://watashinomori.jp/magazine/index.html
私の森.jp にはさまざまなコーナーがあるのですが、私の好きなコーナーの一つが「あの人の森は?」です。
http://watashinomori.jp/go/image_interview.html
これまでに
長野 修平さん
田中 律子さん
山田 玲司さん
渋澤 寿一さん
竹村 真一さん
善養寺 幸子さん
に登場していただいています。とても個性的で楽しいコーナーなんですよ。
たとえば、ビッグコミックスピリッツで環境漫画『ココナッツ・ピリオド』を連載中の漫画家・山田玲司さんの取材の時には、笑いすぎでスタッフのおなかの皮がよじれてしまったとか。
森の木を1本1本めぐるように、あの方・この方の「森の物語」をぜひどうぞ〜。
ここでは、環境NPO 樹木・環境ネットワーク協会理事の渋澤寿一さんに登場していただいた回をご紹介したいと思います。「江戸時代から一人も餓死者が出なかった集落」のヒミツとは……? 考えさせられます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
自分は森の一部だ、と実感したとき
僕は祈ろうと思いました。
(渋澤寿一さん)
○森に生かされる暮らし
子どもの頃から土の匂いや感触が好きでした。高校時代に那須野が原の開拓農家で農業を体験した事がきっかけで農業大学に進み、パラグアイの農業試験場で働く事になりました。そこで僕が目の当たりしたのは、自然と対話しながら土を養い作物をつくる日本的な農業とは似ても似つかない、“当てて”お金を儲けることが目的の大規模機械化農業。これは違う!と思って日本に戻り、それから農業や自然ということを自分のテーマとして考えるようになったんです。
人生の転機になった森との出会いは、15年ほど前のことです。「江戸時代から一人も餓死者が出なかった、桃源郷のようなところがあるから見においでよ」と誘われ、秋田県河辺町(現、秋田市)の鵜養(うやしない)へ行きました。そこは、雄物川水系の岩見川のそのまた支流の上のほうにある、まさに山奥の孤立した集なんですが、天保の飢饉のときも天明の飢饉のときも一人として餓死していないんです。
なぜだろう?と調べてみたくなり、鵜養に家を一軒借り、仲間と一緒に月1000円で住みました。その集落は、主にミズナラの共有林を33箇所ぐらい持っているんですが、それを一年に一つずつまとめて伐採するんですね。
最初、それを聞いた僕は、「山の斜面を全部伐採してしまったら土砂崩れを起こしませんか」と言うと、「何もわかってないねえ」と笑われるわけですよ。なぜかと言うと、僕達が見てきた山の多くは杉や桧の人工林で、そういう木は上を刈ってしまうと根っこも枯れますから、大体10年位で根が腐ってきて雨が降ると土砂崩れが起きる。
ところが、ミズナラのような広葉樹の森の場合は、上を刈っても根っこは死ぬわけじゃないから、ちゃんと横から萌芽して枝が出てきて、34年目に順番が回って来る頃には元の太さに戻っている。そうやって彼らは、持続的に森を利用して来たんです。
さらに、森を刈った後には2年目からワラビが生えて、3年目には猛烈な量になり、塩漬けにして保存食にすることができます。また、7年位経つと元の切り株が腐って来て、今度はそこに生えたキノコが貴重な食料になる。
そして、人々は森に入り、2時間で歩ける距離の範囲で薪を拾い、肩に担いで帰ってくる。牛や馬に食べさせる青草や田んぼの肥料なども、すべて森の産物でまかなっていたわけです。つまり、誰一人餓死しなかったのは、「森が食わせた」からでした。
そんな風に、人々が森を利用しながら自分たちの命を維持し、自然の成長量の中で余剰分をもらいながら生かされてきた。自分達が暮らしやすいように森と付き合ってきたことにより、結果として森の多様性を維持できるサステイナブルなシステムを作り上げて来たんです。
昔の人はCO2のことなんて考えなかったけれど、自分達が森から取り過ぎたり、逆に木を切ったり草を刈ることを怠けると暮らしが維持できなくなる、ということを知っていたんですね。
それまでの僕にとって、自然とは観察する対象、農業で利用する対象であって、「森は向こうにあって僕はこっちに住んでいる」という精神構造でした。ところが、鵜養に出会ってわかりました。人間が木を切らないと森が維持できない。逆に人間も森に生かされている。つまり、人間という生きものは生態系の一部なんだと。
鵜養では、年に一度、山神様を里に呼ぶ祭があります。山から引いた水でお湯を沸かし、湯気を吸うことで山神様と一体になる……。その祭で僕は実感しました。「自分は森の一部だ、森と共存するってこういうことなんだ」とね。その瞬間、僕は祈ろうと思いました。祈るという行為は自然と一体となることだから。
○ 森で暮らす「覚悟」
僕が学生時代に見た印象的な情景があります。日の出前の空が白んで来た頃に、山の棚田にお百姓さん達がだーっと立っている。何をしているかと尋ねると、「朝日の中で田んぼの色を見て、その日の水の量を決める」と言うんです。昨日と今日の田んぼの色の違いがわからないと農業は出来ない。そうやって自然を読むためには、自分が森や山と一体とならなければならないんですね。
今、日本中のいろんな森を仕事で回っていますが、いつも「この森の中で暮らせるか」という目で見てしまいます。自分個人としては山で生きて行きたいけど、今はやっぱり都市で生きて山のことを伝えたり、都市の力を森へ還すようなことをしようと割り切っています。
でもね、実は、成長力あふれる東北の山だったらどうにか暮らせるかな、なんてことも密かに考えるんです(笑)。自分の持っている手業と労働力と感性みたいなもので自分を養っていく、そういうことが出来る人はかっこいいなあと思います。本当に実現するために必要なのは、「覚悟」なんでしょうね。
渋澤 寿一
環境NPO 樹木・環境ネットワーク協会理事
農学博士
1952 年生まれ。東京農業大学大学院終了。
1980年国際協力事業団専門家としてパラグアイ国立農業試験場に赴任。帰国後、長崎オランダ村、循環型都市「ハウステンボス」の役員として企画、建設、運営まで携わる。
現在、樹木・環境ネットワーク協会専務理事として日本やアジア各国の環境 NGOと地域づくり、人づくりの活動を実践中。全国の高校生100人が「森の名手・名人」をたずねて聞き書きし、発信する「森の聞き書き甲子園」などの事業など、森林文化の保全の教育、啓発を行っている。
明治の大実業家・渋澤栄一の曾孫にあたる。
樹木・環境ネットワーク協会 http://www.shu.or.jp/
森の聞き書き甲子園 http://www.foxfire-japan.com/
共存の森 NEWTORK http://www.kyouzon.org/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
では最後に、[月刊:私の森.jp通信] の最新号です。どこかのメールニュースと違って、この短さと頻度(月に1本ぐらい)なら負担にならないでしょう?(^^;
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2009.02.19 ━┓
今日、あなたは森のこと考えましたか?
[月刊:私の森.jp通信] Vol. 11
http://watashinomori.jp/
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
こんにちは、枝廣淳子です。
桜の蕾もほころびかけて、春の足音がもうすぐそこまで聞こえる東京から
私の森.jp通信2月号をお送りします。
まずは、私の森.jp 写真部 からの嬉しいお知らせです〜。
写真部ギャラリーに掲載している作品がとても評判が良く、これまでに3作品
が、雑誌3誌に掲載され、私の森.jpの宣伝に一役買ってくれました!
○平島安人さん/長峰山の木漏れ日
http://watashinomori.jp/go/photo/wm00004/detail.html
○私の森.jp スタッフSさん/吉野杉/奈良吉野原生林
http://watashinomori.jp/go/photo/wmd0003/detail.html
http://watashinomori.jp/go/photo/wmd0001/detail.html
ありがとうございました。
各写真の詳細ページに掲載履歴を載せましたのでのぞいてみてください。
それから、季節の変わり目なので、新しい募集テーマを追加しました。
新テーマは
「光と陰」「春が来た」「おいしそう!」です。
どうぞ、ご自分の感性で撮った写真を写真部ギャラリーに加えてくださいな。
写真を通じて、私たちの森を元気にする活動を応援してください。
応募要項はこちらにあります。
http://watashinomori.jp/go/photo_guide.html
それから、もう一つ、とても気になることがあります。
日本の木材自給率については、クイズなどでも掲載してきましたが原油高や中
国の需要増加などの影響から、僅かながらここ数年は上昇の兆しがありました。
しかし今また、世界的な金融危機と円高の影響により、ふたたび多量の外材が
輸入される見通しとなっていると聞きました。ようやく上向いてきたばかりの
国産材の需要がまた減っていかないよう、みんなで国産材を選び、日本の森を
応援していきたいと思っています。
日本の木材自給率は?
http://watashinomori.jp/knowledge/quiz_06.html
□■Vol. 11 contents□■
1)2月の更新コンテンツ
2)森のなるほど!新着クイズ
3)森のお楽しみ♪
4)編集後記
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1)2月の更新コンテンツ
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●「伝えたい、森のいま」
--経木の魅力とは?食べ物を包む「経木」の話(佐藤経木工場)
http://watashinomori.jp/knowledge/message_02.html
●「森のなるほど! 森の雑学 」クスノキ(楠)はレトロな文化の香り?
--クスノキ(楠)はレトロな文化の香り?
http://watashinomori.jp/knowledge/zatsugaku_04.html
●「森のなるほど! 森の本・DVD 」
--森の力─育む、癒す、地域をつくる 浜田久美子さん(著)
http://watashinomori.jp/knowledge/library.html
●「森へ行こう! 私の森.jp写真部 」
--今月の1枚は、「木漏れ日で育つ子供たち」@新潟県 美人林
http://watashinomori.jp/go/photo.html
●「森製品が欲しい!」
--ただいまのイチオシ! は「曲げわっぱ」のお弁当箱
○弁当箱 小判型・スリム(栗久)
http://watashinomori.jp/mori_products/prd_index?rm=detail&id=61
○フルーツボウル(栗久)
http://watashinomori.jp/mori_products/prd_index?rm=detail&id=59
○ビアカップ(大)(栗久)
http://watashinomori.jp/mori_products/prd_index?rm=detail&id=60
○机 4本脚 M (株式会社キシル)
http://watashinomori.jp/mori_products/prd_index?rm=detail&id=62
○椅子 (株式会社キシル)
http://watashinomori.jp/mori_products/prd_index?rm=detail&id=63
●「民ちゃんの山守修業日誌」 民ちゃんがお届けするブログ
--歴史の証人の森 へ向かった民ちゃんは…
http://watashinomori.jp/tamichan/index.html
※最新の日記はこちらから。
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2)森のなるほど!新着クイズ
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Q.「ひこばえ」とは?
森に関連する言葉で「ひこばえ」というのがあります。これは何を表して
いるのでしょう?
(1)幹に生えた小さなキノコ
(2)切り株などの根元から生える新芽
(3)木に寄生する害虫の一種
→答えはこちらから!
http://watashinomori.jp/knowledge/quiz.html
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3)森のお楽しみ♪
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暦の上では立春を過ぎました。こちら東京では、とても暖かい日があるかと
思えば、寒さが戻ったり…三寒四温、春の訪れもそう遠くないようです。
先日も、山歩きへ出かけてきました。2月の森にもひっそりと「お楽しみ♪」
があるものです。
○霜柱?シモバシラ!?
シソ科の多年草の植物「シモバシラ」は、よく冷え込んだ冬の朝に「氷の花」
を咲かせます。「氷の花」は、枯れた茎に、吸い上げられた地中の水分が凍
結してできるのだそう。じつにいろいろなカタチがあって、わたしたちの目
を楽しませてくれました。繊細な氷の芸術を、また来年も探しに行こうと思
います。
○「冬芽」と「葉痕」
寒さの中でたくましい生命力を感じさせてくれる「冬芽」、枝から葉っぱが
落ちたその名残をいろんな表情で和ませてくれる「葉痕」、いずれも冬の森
のお楽しみ。とっても小さな彼らを見つけるための必需品は「虫眼鏡」です。
図鑑片手に森へ出かけてみてはいかがでしょう。
「シモバシラ」も「冬芽と葉痕」も、インターネット検索で画像を見ること
ができますよ(^^)
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4)編集後記
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私の森.jp写真部の募集テーマが変わりました。
日本中の森の様子を知ることができるので、みなさんから届く写真を、とて
も楽しみにしています。今月もたくさんのご応募を、お待ちしています!
ところで先日、あと少し…のところで電車に乗り遅れてしまいました。次の
電車をホームで待っていると、この時期さまざま条件がそろった時にしか望
むことのできない富士山が、遠くにくっきりと見えたのです。
あわただしい日々の中でふとスピードをゆるめる時間をもらった気分です。
日常から少しだけ離れ、山に、森に、思いを馳せてみる。そんなときには、
いいアイデアも浮かんできたり。。その日はちょっとトクをしたような、
一日の始まりとなりました。
みなさんの森にまつわるエピソード、どうぞお寄せください。
(安西)