<内容>
■「100人の村」の作者の珠玉のエッセイ集、『地球の法則と選ぶべき未来』
(ドネラ・H・メドウズ著)が刊行されました!
■『地球の法則と選ぶべき未来』訳者まえがき
■『地球の法則と選ぶべき未来』目次
■グループ学習用、特別割引のご案内
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■「100人の村」の作者の珠玉のエッセイ集、『地球の法則と選ぶべき未来』(ドネラ・H・メドウズ著)が刊行されました!
「100人の村」を書いたドネラ・メドウズさんは、私が参加しているバラトングループを、デニスといっしょに30年近く前に立ち上げた人です。(残念ながら2002年に亡くなり、私は直接お目にかかることができませんでした。。。)
システム思考(システムダイナミクス)の研究者だったのですが、「より多くの人に伝えることが大事」とジャーナリストに転身し、多くの新聞などに「問題の構造をつながりをたどって明らかにする」コラムなどを寄稿しました。
ドネラさんの深い洞察と明快でわかりやすい説明を読むたびに、「ぜひ日本でも多くの方々に読んでほしいなあ!」と思っていました。
その数年越しの念願がようやくかない、書店に並びました。
『地球の法則と選ぶべき未来』
(ドネラ・H・メドウズ著、枝廣淳子訳 ランダムハウス講談社)
ぜひ読んでもらいたい!と思います。物事や地球がどうつながっているのか、本当に大事なことは何なのか、どこから私たちは変えていけるのか--たくさんの気づきとヒントを得ることができると思います。
そして、すでにこの本を読んでくれた方々からも寄せられている言葉なのですが、「読んでいると、優しさや安らぎを感じ、読み終わると胸のあたりがぽっと温かくなっている」本って、そんなにはないのではないかなと思います。ドネラさんだからこそ、だと思うのです。
この本は、レスターその他のニュースレターをボランティア翻訳してくれていて、メールニュースでもおなじみの「実践和訳チーム」の数十人が力をあわせて翻訳協力をしてくれたものです。
プロジェクトを立ち上げたのは6年前。当時はこういった本を出してくれる出版社がなかなか見つからず、「いつかきっと」とコツコツと翻訳を続けながら、ようやく実現にこぎつけたものです。みんなの思いにゆっくりと抱かれて誕生した「スローな本」、ぜひゆっくりと読んでいただけたら、と願っています。
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■『地球の法則と選ぶべき未来』訳者まえがき
問題の本質と真の解決策を模索するすべての人へ
経済を見ても、社会を見ても、気温や季節のずれを考えても、「何かおかしい」
「このままじゃいけないんじゃないか」と思っている方は多いことでしょう。
環境問題に関するニュースは巷にふれています。しかし、そのほとんどが断片的な情報です。全体的に地球の状況は悪化していることは感じられますが、そもそもなぜ、あらゆる側面で状況が悪化しているのか、その根本的な構造は伝わってきません。まるで、モグラたたきのモグラがぴょこぴょこ頭を出す様子が伝わってくるだけで、次々とモグラが飛び出してくる仕組みや構造までは伝えてくれないのです。
何がどのようにおかしいのでしょう? このままのやり方では駄目だとわかっていても、では、どうすればいいのでしょうか? そもそも、なぜここへ来て、次々といろいろな環境問題が起こっているのでしょうか?
その答えがここにあります。
著者のドネラ・メドウズさんは、もともと研究者でしたが、実際に社会に変化を起こすべくジャーナリストに転身し、物事の本質的な構造や本来あるべき姿を伝える珠玉のエッセイをたくさん残しました。
日本でもよく知られている『100人の村』は、ドネラさんの代表作のひとつですが、混迷の深まるこの時代に、揺るぎない北極星のように「本質的に正しいこと」を示してくれるほかの文章もぜひ読んでもらいたいと、時代や空間を超えて大事なメッセージを伝えるコラムを選び、翻訳しました。
私は「環境問題とは、人間と地球との関係性の問題である」と考えています。ドネラさんはこれまで考えてもいなかったつながりを鮮やかに示し、揺るぎのない地球の原理原則や私たち人間の傾向や陥りやすいわなを、鋭く優しくわかりやすく伝えてくれます。本質的な解決への取り組みや、望ましい変化の邪魔をしているのは何なのか、どのように私たちの見方や考え方を変えればよいのか、大いに学ぶことができます。
主著者として世界に大きな影響を与えた『成長の限界』の中で、ドネラさんは「私たちに必要な5つのこと」を挙げています。ビジョンを描くこと、ネットワークをつくること、真実を語ること、学ぶこと、そして愛することです。
私たちは、ドネラさんの残してくれた導きを手掛かりに、望ましい未来をつくり出していくことができます。もう解は手の中にあるのです。ほとんどの人はわかっているのです。北極星を支えに、手を携え、堂々と明るく元気に未来をつくり出していこうではありませんか。
ドネラさんのメッセージを伝える本を出したい!という長年温め地得た構想を実現してくれたランダムハウス講談社の編集者大森春樹氏、中小路佳代子さんをリーダーに、一緒に翻訳を担当してくれた実践和訳チーム・アップルのメンバーたち、そしてすてきな文章を寄せてくれたデニス・メドウズ氏に深く感謝しています。
枝廣淳子
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■『地球の法則と選ぶべき未来』目次
はじめに 問題の本質と真の解決策を模索するすべての人へ(枝廣淳子) 4
プロローグ 7
村の現状報告-世界がもし1000人の村だったら- 8
第一章 心を開いてものごとを受けとめる 15
危機に瀕しているのは地球ではなく、私たちの考え方である 16
境界線は、現実の世界ではなく、心の中にある 22
「自分の心にフタをしない」勇気を 28
環境論争には科学と感情を総動員して 34
お互いと競のはやめて、クマに立ち向かおう 40
未来は私たちが選ぶもの? それとも運命? 46
森が樹木の集まっただけのところだなんて、とんでもない 52
第二章 自分にとって大切なもの 57
矛盾はあっても、地球に少しでも負担をかけずに暮らす 58
地球の法則と経済学の法則 64
自然の値段はいくら? 誰がそう言ったの? 気にする人は誰? 70
未来は良くなるのか、悪くなるのか-それは何を大事にするか次第 76
三分間の名声 82
がんになって学んだこと 88
生態系の破壊と五月のバーモント農場 94
第三章 私たちにできること 101
レジ袋論争はやめて、買い物の交通手段を考えよう 102
個人としては学び、組織としては抵抗する私たち 108
持続可能性のスグレモノ、七つとプラス・アルファ 114
フロリダなんていらない? 122
それほど簡単ではないけれど、地球を救うためにできる四つのこと 128
第四章 システムを変える 133
問題はつながっている。だから、解決策もつながっている 134
フィードバックをもう少し 140
フィードバックがあれば、自分を変えられる。世界だって変えられる 146
強者はますます強くなる 152
魅力をコントロールすることで、成長をコントロールする 158
目的と原則に基づいた新しい組織 164
第五章 各地からのグッドニュース 171
カルチャー・クリエイティブたちがやってきた 172
太陽、水、風、植物、コミュニティの恵みに生きる 178
キューバへの偏見で見えなくなっていること 184
シアトル市民、シアトル版ダウ平均株価を策定 190
出典 196
エピローグ 197
成長には限界があるけれど、愛には限界はない 198
彼女が伝えたかったこと(デニス・メドウズ) 204
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■グループ学習用、特別割引のご案内
『地球の法則と選ぶべき未来』
(ドネラ・H・メドウズ著、枝廣淳子訳 ランダムハウス講談社)
システム思考という言葉は使っていませんが、物事のつながりがどのような構造を作り、それが問題を生み出しているか、どこを変えれば構造を変えることができるのかなど、本書はシステム思考の優れた読み物でもあります。
本当の問題や本質的な解決策を考え、実践していこう!というグループ(NGOや市民グループや友だちや同僚との勉強会など)がたくさんありますが、そのようなグループにもぜひ読んでいただきたい本です。
ということで、『地球の法則と選ぶべき未来』を10冊以上まとめてお買い上げの場合、「勉強会用特別価格」(著者割引価格)で読んでいただけるようにしました。お仲間やお友だちを誘って、ぜひお申し込み下さい。装丁もすてきな小さめの本なので、プレゼントにもぴったりです。
お申し込みは、イーズ info@es-inc.jp まで「地球の法則と選ぶべき未来、勉強会用特別価格の申し込み」と明記の上、(1)冊数、(2)お名前、(3)送り先をご連絡下さい。
この本を世の中に送り出すことができて本当によかった!としみじみうれしさをかみしめています。50年後にも500年後にも5000年後にも大事なことがぎっしり詰まっています。ぜひ長〜く読んでもらえたらうれしいです!